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独立心の覚醒を図ろう

    どこかでアメリカへの依存心が染みついた感のある我が国のありようの危うさに気付くべきだ。

    トランプ大統領の登場で我が国の戦後長らく続いたアメリカへの安保丸投げ状態の限界が鮮明になった。

    対IS戦でアメリカに協力することで、民族悲願の自治権の拡大を期待したシリアクルドは今見捨てられた現実を思い知らされた。

    ここにアメリカに関して我が国の学ぶべき点が多い。

アメリカの核の傘の信頼性、拉致、領土紛争など自己責任での取り組みが肝要だ。
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信頼性崩壊させるトランプ大統領~シリアからの撤退

  米軍撤退(9・7)によるトルコエルドアン大統領への侵攻容認で、IS掃討戦で米軍に協力してきたクルドは用済みとばかりにアメリカから見捨てられた。

  シリアは再び戦乱の場となった。

  翻弄され続けるクルドはシリアアサド政権と結ぶのか、さらには背後のロシア、シリアとの関係を強めるのか。

  アメリカがますます内向きになり、中東への関与を低下させると、中東情勢は一層混迷を深めるだろう。

  アメリカの長期戦略のなさが最大の問題だ。

  いずれにせよ、アメリカへの世界の信頼性は崩壊しつつある。

強さの誇示は弱さの写し鏡~焦る習近平主席

  建国70周年で明らかになったのは習主席の焦りだった。

  香港の情勢は4か月を経てますます袋小路に迷い込んで出口が見えない。

  北京の華やかさと香港の混迷は世界中に同時に伝えられた。

  しかも、インパクトの強さは明らかだ。

  強さは弱さの、脅しは焦りの故だ。

  権力を集中させ難局を突破しようとする姿が際立った北京の建国祝賀だった。

  ますます管理の度合いを強める社会モデルの将来は波乱に満ちている。  

国内の敵対勢力に包囲されているとの強迫観念~香港問題に注視を

   中国共産党幹部には国内の敵対勢力に包囲されているという観念が根強い。

   香港での妥協は国内の反対勢力に勢いをつけることが怖いのだ。

   党内も国民も厳格に管理しなければならないというのが天安門事件(1989年)の最大の教訓なのだ。

   党内の内部分裂を放置すれば敵対勢力に敗北するとして、党員の管理は厳格を極める。

   習近平による権力の集中、事実上の終身制はその延長にある。

   従って、香港での妥協はありえない。

   第二の天安門事件とすることの国際的なダメージの大きさを理解することでかろうじて踏みとどまっているのが現状。

   香港は管理社会モデルと民主制モデルのせめぎあいなのだ。

   国際社会は香港問題を注視するべきだ。

   

      

出口の見えない香港~崩壊始まる

   昨15日も無届けデモが大荒れだった。

   重傷者が出たようだが死者は伝えられていないことをもって幸いだったのかもしれない。

   しかし、10月1日の建国70周年まで残された時間はいよいよ無くなった。

   尻を押され妥協できない香港政府は、強硬手段に訴えるしかない。

   中国当局は、デモに反対する市民という名目などで、あらゆる手段を使った鎮圧に走る可能性が強い。

   これ以上の妥協を拒否した中国当局対前途に失望した香港市民は不幸な局面を迎えるだろう。

   
プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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