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西南戦争を戦った警視庁抜刀隊士~“八重の桜”の弟たちが眠る青山墓地~

  NHK大河ドラマ“八重の桜”によって、幕末期・混乱の時代の犠牲者の代表としての会津藩の悲劇に再び焦点が当てられた。
  警察関係では、青山墓地の一角にある西南戦争での殉職警察官の墓地が会津藩とのつながりが濃い。会津藩は青森の下北半島に移され斗南藩となった。会津から下北半島へと落ちて行く会津藩士一族の苦難の旅は斗南藩に定着してからも続いた。砂地で米作には適さない土地だったのだ。
  少なくない子弟が明治新政府の警視庁巡査として活路を求めて上京した。他に選択の余地がなかったからという。警視庁が発足したのが明治7年頃だった。警視庁発足間もない明治10年には西南戦争が勃発した。
  指揮の高い西郷軍に手を焼いた新政府が、士族上がりのしかも薩摩に恨みを抱く奥州列藩同盟、中でも会津藩ゆかりの者を中心に編成したのが警視庁抜刀隊(9000人ほど)だった。
ちなみに軍隊も明治5年から7年ごろに編成されていった。編成間もない軍隊よりも旧士族の方がよっぽどプロだったのだろう。
 青山の警視庁墓地には会津ゆかりの警視庁隊員が眠っている。時を経て定かには読めなくなった墓石には会津藩士族・一等巡査などといった文字が刻まれている。 
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企業倫理としての貿易管理強調を

平成24年全国紙に掲載されたものの原稿です。
     
 わが国の安全保障面での意識の世界水準からの乖離は深刻。
ミツトヨによるリビヤやイランなどへの三次元精密測定器不正輸出(8月25日夕刊面トップから28日31面など連日)は改めて警鐘に値する。ヤマハによる小型無線機の中国への輸出未遂(05年12月)、凍結乾燥機の北朝鮮への輸出(06年8月)などと共に氷山の一角。核兵器・生物化学兵器の拡散の重大性は改めて指摘するまでもない。
民生技術と軍事技術の垣根が低くなり汎用化していることからわが国の多くの    企業がこの種情報の宝庫となっている。民用・汎用品に関して欧米先進諸国がこぞって貿易管理強化に取り組んでいる中でのわが国の無防備な状態そのものがすでに犯罪的でさえある。
 専門チームを編成、数値改ざんソフトを作成、低性能と偽るなどその後の一層の悪質さが明らかになることの予想された事件に対して「違法性の認識はなかったと考えている」との会長談話のままの報道(26日朝刊)は余りにクールで物足りない。企業の自主性に
ゆだた制度の限界との見出し(同日3面)も、企業自身の責任を制度に転化との印象をもたれかねない。          
 規制という官頼りでなく、国民の意識を高め企業倫理面での自己規制なくしては、国民の支持が得られないという状態を目指すのが望ましいとの判断が当然ではないか。
 8月26日社説も日本の大手メーカーとのみの表現でミツトヨと社名明示の同日日経など他社社説に比べ腰が引けた感じ。「技術抜け穴を封じよ」との表題だが掛け声のみで何ら具体的中身がなく食い足りない。同日産経社説の「闇ルートを徹底解明せよ」での企業の自覚、経産省への迂回輸出防止の有効手段検討提案、日経9月1日43面トップ「法令順守、形だけ」との継続的追求姿勢などに比べ見劣り感はぬぐえない。ココムに変わってワッセナー条約となり、技術の汎用化に伴って現在では技術輸出全体を規制するキャッチオール制度となっている今日の安全保障貿易管理制度への理解が遅れているわが国民の飛躍的な理解深化へ向けた報道サイドの一層の努力を期待したい。
更に特集を組むなどして取り上げに値するテーマ。
今後に期待したい。        

  地域ネタの扱い          
 9月1日、防災の日の報道を種に地域ネタの発掘について注文したい。
 防災訓練は年中行事・風物詩・季語的なテーマ。それだけにマンネリになりかねない。読者の安全と安心への意識が高まっている中での工夫に期待した。        
 9月1日夕刊、2日朝刊とも取材対象は行政主導訓連で参加した人々の声を加えた程度。帰宅困難者輸送訓練での水上バスが予定より約40分遅れた点に焦点を当てていたが、訓練でのハプニングは有益との視点を強調すればよりよかった。  
企業などの独自実施の徒歩帰宅体験談、企業の地域住民を想定した備蓄事例など共助・自助での地域密着ネタの収集が欠かせない。読者モニターなどの参加工夫も更に勧める。           

* この論評は東京本社発行の紙面をもとにしました。

報道もパンチに欠けた自民総裁選  情熱と覚悟を 

 全国紙への原稿(平成24年9月)です。               

 安倍候補の独走で盛り上がりに欠けた自民党総裁選も明(20)日が投票日。          
実質的に首相を選ぶことになる本選挙はもちろん単なる党内の問題には留まらない。次期政権の政策への影響面からも報道価値は高く、扱いが注目された。         
特に3候補のそれぞれの思想や政策をより具体的に引き出し浮き出させる工夫が期待された。      
9月1日の安倍氏の正式立候補表明・政権公約発表で選挙戦終盤が開始された。翌2日付社説「小泉路線との両立は可能か」は安倍氏の構想を「いささか具体性が欠ける」としのは誰が見ても同意。持論と小泉路線との整合性に疑問を呈し、小泉政権で先送りされた諸       課題への緊急の取り組みを求めたのも当然。
 「近隣諸国との信頼関係の強化」の前提として、靖国参拝への対応を自ら明らかにせよ迫った。同社説での具体的要求はこの靖国参拝への態度明示だけだった。
この問題では谷垣氏が参拝しないと明言、他2者は議論を避け、大きな争点とはならなかった。
阿倍氏が触れたのは4日、福岡でのブロック大会で「外交、政治問題に発展させようという、よこしまな人たちがいるのであれば今宣言する必要はない」(4日朝日)との発言。           
社説の論理からは、直ちに安倍氏のこの発言を大きく捉え反論すべきだった。かつ少なくともこの問題での谷垣氏への支持を鮮明にさせ他の2候補を刺激するべきではなかったか。
逆に5日2面の特集ワールド「秒読み安倍晋三首相」などを見る限り、紙面構成は安倍氏応援の様相。少なくとも社説主張への執着が感じられなかった。
勝利が見込まれた安倍氏は「戦略的にあいまいさ」をとることで政権運営の幅を確保しておこうとの作戦。注目の消費税率も具体的には言わずに通した。具体性        を引き出させたい報道とはスタンスは異なった。
安倍候補は靖国参拝問題でも触れないという「戦略的あいまいさ」で通した。さすがに9月10日社説「あいまいな解決法はない」で、安倍氏の戦術を「姑息な策」とし、次期首相に「誠信」外交を建策。主張には同意なのだが、パンチに欠け取り澄ました印象。
 その他の課題でも具体的論争を仕掛けさせる努力でも物足りなさが残った。        
阿倍氏からより具体的なものを引き出す可能性のあったものを探せば、3年で       道州制による分権化の骨格に基本的な道筋をつけるとの2日松山でのブロック大       会発言(日経3日2面)。しかし、他紙はほとんど注目せず追求していない。
8月22日打ち上げた日本版NSC(国家安全保障会議)構想は阿倍政権の基          本的性格に係わる日米同盟の実質的強化方向を象徴するものとして注目すべきも      のと考えるが、各紙とも追っていない。
 告示9月8日の3候補共同記者会見を受けた翌9日社説「言葉だけが上滑りしている」との批判も誰しも同意。しかし、「メディア側も実にふがいなかった」         
「私たちメディアの責任も重いと肝に銘じたい」と反省されては辛口時評氏の批判も行き場を失う。                       
* この論評は東京本社発行の紙面をもとにしました。
                   

東日本大震災の教訓~日本人の生き方への影響~

始めに:①持久力の無さ②忘れ易さ(忘れたい)③感性の民④現実直視⑤声なき声
1 想定外・・・危機管理の原点は想定外への対応
津波:各自の記憶に縛られ過信してはならない。過信・思い込みというリスク。
地震学自体が未熟な学問に過ぎない。
(岩手県宮古市田老地区日本一10M防波堤)・・・海溝型地震の震源断層モデルは過去の被害状況から、平均的姿を割り出したもの(に過ぎない)。津波はそのモデルに沿って計算したもの。
   <電信柱を越え、4階まで津波が襲った。<自治体庁舎、避難所の被災
*「危機管理」ではなく「危機対応」という受け止め
2 津波・・・地震から9分後(相馬市)の襲来も(既存の想定超す早さ)
(1) 釜石沖、7回観測(沖合い20キロ波浪計)・・・最大高第1波(3時1分から)の6.7M沿岸2~3倍に(国交省)
(2)1波(3時50分)<2波(4時30分)<3波(5時20分)・・・千葉県旭市を襲った(飯岡)津波<家に帰った人が飲み込まれた。<マニュアルは一応の参考資料に過ぎない。<求められる当意即妙な対応
  *茨城県大洗町防災無線で繰り返し「家に帰らないで」との呼びかけ。犠牲者なし。
(3)指定の避難所、市役所などでの被災・・・想定の甘さ。繰り返してはならない教訓。
3 福島原発事故・・・最悪のレベル7(チェルノブイリクラス)<エネルギー源論争へ
4 情報が来ない地点がある・・・「情報は取りに行く」・「正しい情報」(流言飛語)
5 液状化・・・4200ha(世界最大)。浦安市など(電柱傾き、配管アウト断水など)
6 広域災害・・・備蓄の必要性・・・「悲観的に備え・楽観的院対処」
7 帰宅難民・・・家族間の約束(安否確認方法)・むやみに帰宅しない(状況判断)
8 天井崩落(九段会館など)・・・急所を守る(頭と胸部)
  長周期地震動(都庁エレベーターすべて停止など)・・・高層ビル、家具の制振
9 生き方を考えさせられ・・・どう変わるか?絆の再生へと向かえるか?平凡な日常的な暮らし(無病息災)の幸せへの気づき・・・人生観の見直し(結婚観)の兆し?一過性?
10 自然との調和(折り合って生きる)~柔軟思考(危機管理は民族共有の知恵に)
死生観への変化(朝は元気でも夕に死ぬ)持たない暮らし<日本再生へのきっかけに

終わりに:犠牲者の声なき声を聞こう(命は自ら守る)、気力体力&冷静さ(楽観的に)
     過去の被災状況・・・浪分神社(仙台市貞観津波)、三陸各地の言い伝え(碑文)
参考情報
(1)関東大震災(1923年)、安政東海地震(1854年)、安政江戸地震(1855年直下型)
(2)今後5年は地震活動活発期*貞観地震(869年)前後数年間に富士山・鳥海山噴火
(3)東北新幹線18本(熱海以東88本)停止、女川原発(地震被災なし)
(4)余震:仙台市6強(4・7)・・・スマトラ沖3ヵ月後
   東通・女川原発で核燃料プール一時冷却停止(綱渡り状態続く)
福島第一:冷却維持綱渡り、電源の多様化急務、情報公開のあり方
(5)長期地震動・・・都庁エレベーター全部停止、大阪でもユッサリした揺れ
(6)東海と東南海・南海の連動発生・・・不思議ではない(判定会会長3・28)
    「東海地震に直ちに結びつくような変化は観測データにはない」(同上)
(7)救援格差・・・相馬市など
(8)液状化(浦安市85%など)、九段会館ホール天井崩落(震度5強で)
(9)計画停電
   暮らし方自体の見直しも・・・「控えめ消費」・・・「安全」「ムダ省き」も追求
   <節約・低価格志向(価格に見合った品質で気にならない、納得の中身変化)
   夏の需給対策:家庭15~20%目標、電力制限大口25%(政府基本方針4・8)
(10)政治家の危機管理能力
(11)情報発信・・・風評被害
(12)部品供給網6~7月復活。今年度プラス成長維持(日銀総裁見通し4・7)
    日本の11年輸出最大1.6%押し下げ。貿易黒字縮小も(WTO4・7)
    レジャー4割「客足半減」(自粛西日本でも)・・・回復秋以降6割超える
(13)軽い総理発言(「20年住めない」対松本健一内閣官房参与4・13)
(14)広域災害想定した事業継続計画の用意
東北新幹線全通(4・29、49日目)
    ホンダ国内生産62.3%減(3月、前年同月比)
部品供給網(サプライチェーン寸断の影響)国内生産減少4月連続
   電力需要(速報10社合計)3月1.4%減、東電・産業用大口は17%減
   *原材料サプライチェーンの乱れ:日本製紙石巻工場、半導体や電子部品不足深刻
   *トヨタ「ジャスト・イン・タイム」方式:部品が止まるとすぐ生産中止(弱点)
       リーマンショック(08年)コスト削減から調達咲き絞り込んだツケも
(15)7~10日後に再開したスーパー。3時間並んで「1人3品まで」状態:備蓄の再考
(16)略奪もあれば、火事場泥棒も起きるという現実
(17)結婚観の変化:晩婚化・未婚化30~34歳男性ほぼ半数に。
  「生涯未婚率」男性19.4%、女性9.8%(45~50、50~54歳の未婚率平均)
  <日常的、平凡さの幸せ。婚活(一過性?)
(18)震災前から17ポイント増加「自宅に水・食糧備蓄78%に」(民間調査)
プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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