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情報統制への警鐘~医師李文亮氏の死亡

  今日の中国一党独裁制の病弊~情報統制~を、多くの中国人に、改めて気づかせた医師李文亮氏の死は習近平体制へのボデイブローになる可能性がある。

  武漢市の33歳の眼科医李文亮氏は昨年10月下旬(?)これまでの薬の効かない感染症の発生に気づき、医学校仲間のチャットグループ内で「新型肺炎」への警鐘を発する投稿をした。

  この投稿は共産党当局の目に触れ、病院内で懲戒処分された。警察に呼び出され自白書に署名させられ、訓戒処分を受けた。

  チャット仲間はいずれも流言飛語を流し、民衆を惑わす危険人物と言う扱いを受けたのだった。

  初動の遅れから武漢市で急速に蔓延した新型肺炎は医療従事者も多くの犠牲を生んだ。

  李文亮氏も感染、  2月7日、死亡した。

  
  当局の情報統制の招いた武漢市の惨状の中、殉教者となった李文亮氏への中国人の崇敬の念の高まりは、習近平体制への批判を内包している。

  当局にとって都合の悪い情報を規制することの悪弊が改めて多くの中国人に気づかせた。

  今後への影響を注視したい。


  
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妥協できない価値観の争い

   党が民意の上と言う中国の価値観との共存は不可能だ。

   ウイグルと香港情勢によっていよいよ中国の異質性が浮き彫りになった。

   民意はあくまでも矯正すべきもの。

   ウイグルに続いて香港でも矯正教育が始まるだろう。

   民意はあくまでも党の指導を受ける対象。

  選挙は党にとっては利用すべき手段であって、意に沿わない選挙結果は何の意味もない。

  中国の異質性がいよいよ世界の目に明らかになった。

  貿易も先端技術も価値観に比べれば矮小な問題だ。

国際社会の人権批判に開き直るしかない習政権

   新疆ウイグル自治区でのウイグル族への人権無視の残虐な締め付け、香港での民意無視の強権・締め付け。

   習政権の人権無視の振舞への国際的な批判が高まる一方だ。

   妥協という選択肢はない習政権の苦慮は深まる。

   当分、要注意。

   開き直った先に何があるのか?

   

中国当局の人権への姿勢を批判し続けよう

  民主派は、11月24日の香港区議会選挙で8割超の議席を押さえた。中国の香港政策が住民から強い抵抗を受けた結果だ。
中国当局の押さえつければ収まるとの読みは、あまりに的外れ。住民の心情を理解できていなかったことが証明された。

  だからと言って、中国当局の姿勢は変わらない。一層、強権的な押さえつけを強めるだろう。

  普通選挙で共産党支配は継続できないことがはっきりした。普通選挙を許すことはありえないことになった。

  ウイグル族へのAI監視強化という強権での支配強化への国際的な批判が高まったことも、中国当局の一層の拍車を促すだけだろう。

  監視の高度化による共産党の支配の巧妙化はますます強化されること必至だ。

  

強さの誇示は弱さの写し鏡~焦る習近平主席

  建国70周年で明らかになったのは習主席の焦りだった。

  香港の情勢は4か月を経てますます袋小路に迷い込んで出口が見えない。

  北京の華やかさと香港の混迷は世界中に同時に伝えられた。

  しかも、インパクトの強さは明らかだ。

  強さは弱さの、脅しは焦りの故だ。

  権力を集中させ難局を突破しようとする姿が際立った北京の建国祝賀だった。

  ますます管理の度合いを強める社会モデルの将来は波乱に満ちている。  
プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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