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米元CIA職員露亡命のその後

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 CIA元職員スノーデン容疑者の事案は、ロシア一時亡命で一段落した感もあるが、継続的に視野に入れておくべきいくつかの問題点がある。
  
 本件で、改めて明らかになったのは、テロ対策という社会の安全防衛と個人情報の保護という本質的な調整の問題だ。これは、本質的でなかなか深刻な問題だ。論議の行方とは別に、情報当局による、情報収集には歯止めをかけることは容易ではない、おそらく不可能だ・・・という冷めた認識が肝要だ。
 
 ロシアのプーチン大統領と米国のオバマ大統領の相互の不信感は、当面修復不可能なまでの深刻な状態になっている。9月上旬に予定されていた米ロ首脳会談中止でプーチンのオバマ不信感は深刻化した。当面、米ロの協調は期待薄だ。シリア情勢、イラン情勢、武器管理などでの両国の対立は改善しないだろう。

 米英情報機関の一心同体ぶりが改めて確認できた。18日、英国ヒースロー空港で、スノーデン容疑者から得た情報でスクープ記事を書いた英ガーディアン紙グリーンワルド記者の同居男性(ブラジル人)を、英当局は9時間にわたり拘束した。根拠はテロ対策法。英当局のジャーナリストに対する強権発動という手荒い対応は、批判を浴びっざるを得ない。情報機関としては、最も避けるべきことではないだろうか。

 情報活動について、ことさら、むき出しの強権的な姿でをさらして議論されることはいかがなものだろうか。米英の情報活動での一心同体さとともに、スノーデン関連での焦る姿が多くの人々の脳裏に刻まれた。


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プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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