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アベノミクス以外の争点のない参院選挙~自公の過半数は既定の事実~

  何が争点の選挙なのかさっぱり見えてこない。争点があるとすれば、アベノミクスということ。信任投票選挙なのだ。景気の回復を期待せざるを得ない国民としては自公に投票するしかない。
  自公に代わべき選択肢が見えないのだ。野党は負け方の減少を願っているとしか見えないのだ。唯一の願いは、自民党要人の失策やスキャンダルということか。これでは投票率は下がり、野党は壊滅すること必至だ。
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<就活中の学生へのメッセージ>浮き足立たないで、これから“真の実力”をつけよ~ハウツーやマニュアルではないよ~

  どこの大学でも3年次学生は浮き足立っている。学生だけでなく、教職員も必死なのだ。それにPTAが加わる。大学のキャリアセンターは非常事態突入ののろしを上げている。いわく就職力をつけさせるという行事などがぎっしりなのだ。あんちょこ講習で本当の実力はつくわけがない。
どう見たって、どこかおかしいではないか。
大切なのは、本当の人間力だ。人間力はあんちょこで備わるほど甘くはない。
長い人生、焦らずに・・・だ。今まで、遊んできて、急に、就職力養成はないだろう。
むしろ、しばし立ち止まって、自らの来し方・行く末を考えてみることだ。開き直って、「これから頑張ります」という態度で臨む方がよっぽどいい結果を生むだろう。あるがままで、若さで臨んでほしい。本当に自分にふさわしい会社を探すことは容易ではないよ。会社を探すつもりで、就職説明会に臨むことが肝要だ。
1社から採用されればいいのだ。焦らずにがんばってほしい。

電子情報収集に関し、米CIAと中国解放軍の違い~「中国も被害者だ」の中身~

情報一筋  米元CIA職員の暴露で中国は自らのハッキング行為への非難を和らげたかの感がある。しかし、そうだろうか。両国の違いを整理しておく必要がある。
  米国は個人情報の収集自体は認めている。国内法に基づいて(テロ防止の為に)情報を収集していたということだ。だから、スパイ活動取締法違反等の容疑で訴追した。主張が全て正しいのかどうかは別として、とにかく、法律に基づいての正当な職務行為ということだ。これに対して、中国は、情報収集行為自体を認めていない。
  
  ところで、ロシアの言い分もなかなか面白い。「ロシアの諜報機関はこれまで(容疑者と)一緒に仕事をしたことはない」から、露当局のモスクワ滞在への関与を全否定している。容疑者とは一緒にやっていないというだけで、他のものとはやっているとでも言わんばかりだ。
  米国での批判もなかなか面白い。「(オバマ政権は)あまりにも無能」(ライアン下院議員)、「米国が外交的に脆弱なったこと示す象徴的な事件だ」(マケイン上院議員)など。「もっと裏でやっちゃえよ」というのが本音と言っているのではないか。
  米国は、さらに、インターネット時代の今日、世界情報の8割以上が警告経由という形で、事実上、コントロール下においているということだ。米国としてはこの点に、あまり注目が集まることを避けたいのが本音なのだ。
  今回の推移は、図らずも、各国の本音が知れる絶好のチャンスのだ。
  

<就活中の学生へのメッセージ>浮き足立たないで、これから“真の実力”をつけよ~ハウツーやマニュアルではないよ~

 どこの大学でも3年次学生は浮き足立っている。学生だけでなく、教職員も必死なのだ。それにPTAが加わる。大学のキャリアセンターは非常事態突入ののろしを上げている。いわく”就職力をつけさせる”という行事などがぎっしりなのだ。授業は欠席だらけ・・・。大学の授業は実質3年間足らずなのだ。
どう見たって、どこかおかしいではないか。
大切なのは、本当の人間力だ。その人間力は就職対策講座なんかであんちょこで備わるほど甘くはない。
長い人生、焦らずに・・・だ。今まで、遊んできて、急に、就職力養成はないだろう。
むしろ、しばし立ち止まって、自らの来し方・行く末を考えてみることだ。開き直って、「これから頑張ります」という態度で臨む方がよっぽどいい結果を生むだろう。あるがままで、若さで臨んでほしい。本当に自分にふさわしい会社を探すことは容易ではないよ。会社を探すつもりで、就職説明会に臨むことが肝要だ。
1社から採用されればいいのだ。焦らずにがんばってほしい。

米国で広がる大麻解禁

 既に、医療目的での使用はワシントン州など18州と首都で合法化されている。全50州の半数に迫っている。ワシントン州では、昨年12月、医療目的以外での、嗜好品としての売買・所持も解禁された。
ワシントン州では、専門店で医師の処方箋と身分証明書などを提出して、各種大麻製品を合法的に購入できる。患者なら大麻の自宅栽培も合法的だ。
大麻は中毒に陥る可能性はタバコやアルコールより低く、過剰摂取で死亡した例はないというのが推進派の主張だ。常習性や乱用に関しては様々な見解が存在する。
米国立衛生研究所によると、日常的に大麻を吸引する中・高校生6.5%。過去1年以内に吸引した経験のある生徒は36%に達するという。
麻薬への入り口となってはいけないので、禁止して、できるだけ遠ざけるのが正解とは思うが・・・米国の動向は注目したい。

米国の対中露エクアドルへの圧力~手の内は限られているが・・・~

  国家の威信をかけて、何としてもCIA元職員の身柄(24日現在モスクワの空港トランジットエリア内宿泊施設滞在中?)を確保したい米国が、行使している各種圧力を分析して置きたい。いずれも6月24日のもの。1日で各担当者がそれぞれの役目を実行しているということだ。所詮この程度と、みるか、ここまでやるかと評価するか?外交は国家と国家の本音の勝負である。
  中国には、ケリー国務長官が「香港が意図的に出境させたのなら、悪い結果が伴うだろう」と強調(24日)、香港の外交・安全保障に責任を持つ中国をけん制した。同長官は、米CNNのインタビューに「スノーデン容疑者の行為は米国同様、中国の安全保障にも脅威を与えることになる」と警告、「テロリストが自分たちの身を守るすべを知り、結果として一般の人々が死ぬかもしれない」とも述べた。発言を使い分けての圧力のかけ方である。
 カーニー米大統領報道官は記者会見(24日)で、同容疑者の香港出国に「中国政府が故意に自由にした。悪影響が出ることは疑いがない」と警告した。中国に米国の怒りを明確に叩き付けておくという作戦だ。あなたの国の同種養成には応じませんよという脅しでもある。
 ロシアについては、プーチン大統領が「犯罪人の引き渡し条約」がないと指摘したことに、カーニー米大統領報道官が「露政府の要請で米国は多くの犯罪者を送り返してきた」と主張した(24日)。モラー米FBI長官はロシア連邦保安局に2度電話、バーンズ国務副長官もロシア政府に協力を要請した(24日)。あまり利益のないロシアが受け入れやすい環境づくりに全力といったところ。ロシアとはシリア問題をげくって米露の立場の違いから対立寒けにある。こちらでのロシアへのはいはできなくなるという意味も含められているであろう。
 エクアドルには、メンデス米上院外交委員長が「貿易上の優遇措置」を見直す可能性を明らかに、「わが政府は悪い行為をする政府に報いることはしない」と強調した。7月末に期限が切れるエクアドルからの米国への輸出品への免税措置の延長を認めない意向を明らかにしたものだ。議会では外交委が大きな影響力を持っている。優遇措置が打ち切られれば石油の輸出に頼っているエクアドルの打撃は大きい。エクアドルへの打算を考慮させるという手段だ。元CIA職員受け入れにそれだけのメリットがあるのという露骨な脅しだ。
 ここまで露骨に言われるというのは、水面下の工作がうまくいっていないということだろう。
 米国は中露エクアドルとの関係を悪化させても意地を見せたいところ。しかし、決め手に欠けることは現実の米国の力量の限界ということだ。

大義のないCIA元職員スノーデン容疑者の暴露~モスクワ空港で立ち往生続く~

      米国による個人情報の収集を暴露し、香港では中国に迎合、中国へのハッキング行為をも暴露したスノーデン容疑者のモスクワ空港での立ち往生状態が長引いている。
   スノーデン容疑者が個人のプライバシーを重視し、米当局による収集行為を暴露することで警鐘を鳴らした。その行為に正当性があるとしたら、個人の人権の尊重という面で問題のある国々(中国・ロシア・エクアドルなど)に庇護を求めるのは皮肉だ。自らの行為の正当性へのアピールという点では効果減殺・真逆な行為というしかない。
    米国の裁判で堂々と自らの正当性を主張するなど法廷闘争に転換すべきだ。
    スノーデン容疑者を巡って注目すべきは、ロシア、エクアドルなどと米国の攻防のあり方だ。米国がロシアに、すでに同容疑者が訴追されていること、旅券が無効になっていることなど、形式的な理由を挙げ改めて引き渡しを求めている。ロシアとして米国のに貸を作るのがいいのか?屈したとの評判を避けたいのか?
    国際関係は、実に面白い。打算に満ちた格闘の場そのものである。

参院最終日の民主党の迷走~国民から見放されること必至~

   参院最終日26日、安倍首相に対する問責決議を可決したあおりで、同日本会議で可決成立予定だった法案はすべて廃案となった。秋の臨時国会で一から審議をやり直すしかない。廃案となった法案をいちいち触れないが、国民を無視した党利党略だけの判断。
   そもそも国民からはなぜ問責なのかわからない。国民の関心もそこにはない。これこそがねじれ国会の象徴との阿部首相の指摘だけが納得できるメッセージではないか。
   来る参院選での自公連立政権の過半数獲得の可能性はさらに強まった。

開設のあいさつ

   忙しい方々からの「新しいものだけを読みたい」との注文にお応えしたもの。掲載から概ね2週間以内の時局コメントものだけを本カテゴリーに置くことにします。それ以後は、国際情勢、国内情勢などのそれぞれのカテゴリーに移すようにしたい。
   リピーター読者の皆さんには、できれば毎週決まった曜日に、本カテゴリーをチェックいただければ、新しいコメントはもれなくご覧いただけることになります。

企業倫理としての貿易管理強調を

平成24年全国紙に掲載されたものの原稿です。
     
 わが国の安全保障面での意識の世界水準からの乖離は深刻。
ミツトヨによるリビヤやイランなどへの三次元精密測定器不正輸出(8月25日夕刊面トップから28日31面など連日)は改めて警鐘に値する。ヤマハによる小型無線機の中国への輸出未遂(05年12月)、凍結乾燥機の北朝鮮への輸出(06年8月)などと共に氷山の一角。核兵器・生物化学兵器の拡散の重大性は改めて指摘するまでもない。
民生技術と軍事技術の垣根が低くなり汎用化していることからわが国の多くの    企業がこの種情報の宝庫となっている。民用・汎用品に関して欧米先進諸国がこぞって貿易管理強化に取り組んでいる中でのわが国の無防備な状態そのものがすでに犯罪的でさえある。
 専門チームを編成、数値改ざんソフトを作成、低性能と偽るなどその後の一層の悪質さが明らかになることの予想された事件に対して「違法性の認識はなかったと考えている」との会長談話のままの報道(26日朝刊)は余りにクールで物足りない。企業の自主性に
ゆだた制度の限界との見出し(同日3面)も、企業自身の責任を制度に転化との印象をもたれかねない。          
 規制という官頼りでなく、国民の意識を高め企業倫理面での自己規制なくしては、国民の支持が得られないという状態を目指すのが望ましいとの判断が当然ではないか。
 8月26日社説も日本の大手メーカーとのみの表現でミツトヨと社名明示の同日日経など他社社説に比べ腰が引けた感じ。「技術抜け穴を封じよ」との表題だが掛け声のみで何ら具体的中身がなく食い足りない。同日産経社説の「闇ルートを徹底解明せよ」での企業の自覚、経産省への迂回輸出防止の有効手段検討提案、日経9月1日43面トップ「法令順守、形だけ」との継続的追求姿勢などに比べ見劣り感はぬぐえない。ココムに変わってワッセナー条約となり、技術の汎用化に伴って現在では技術輸出全体を規制するキャッチオール制度となっている今日の安全保障貿易管理制度への理解が遅れているわが国民の飛躍的な理解深化へ向けた報道サイドの一層の努力を期待したい。
更に特集を組むなどして取り上げに値するテーマ。
今後に期待したい。        

  地域ネタの扱い          
 9月1日、防災の日の報道を種に地域ネタの発掘について注文したい。
 防災訓練は年中行事・風物詩・季語的なテーマ。それだけにマンネリになりかねない。読者の安全と安心への意識が高まっている中での工夫に期待した。        
 9月1日夕刊、2日朝刊とも取材対象は行政主導訓連で参加した人々の声を加えた程度。帰宅困難者輸送訓練での水上バスが予定より約40分遅れた点に焦点を当てていたが、訓練でのハプニングは有益との視点を強調すればよりよかった。  
企業などの独自実施の徒歩帰宅体験談、企業の地域住民を想定した備蓄事例など共助・自助での地域密着ネタの収集が欠かせない。読者モニターなどの参加工夫も更に勧める。           

* この論評は東京本社発行の紙面をもとにしました。

危機管理の視点からの注文   

全国紙への原稿(平成24年11月)

  北海道佐呂間町の竜巻に大自然の猛威を改めて見せ付けられた。地震、噴火、津波、風水害など自然災害に加えてさまざまな事件・事故などへの備え、危機管理の大切さを警告してくれたものと受け止めたい。
そこで事件事故報道に関し危機管理の視点から若干の注文をしてみたい。
中越地震による新幹線脱線原因を跳び上がりと共振の「複合型」とする調査結果に関する6日夕刊報道。L型車両ガイドなどの本格的脱線防止策が地震から既に2年以上を経た現在まで着工されず、さらに来年1月まで待たなければならないのはなぜなのか。完成まで現在のスピードで走行して大丈夫なのか。こうした不安への答が知りたい。読者の願いを背負って対策のより早期推進を促す役を新聞に期待している。
4日夕刊、走行中の自動車「ドアから出火」の記事。事故自動車生産会社の広報       部による「原因究明をする」との談話だけでは物足りない。生産会社の広報ではなく、客観的な専門家のコメントが欲しい。自分の車を心配している読者の素朴な疑問への答。安心のできる客観的で、防止対策上教訓となる知識に満ちた報道で
あって欲しい。          

持久力のなさ/飽きっぽさ      

三日坊主。人のうわさも七十五日。持久力のなさにおいては超1級の日本人。報道陣も読者も実は危機管理には最も不向きな性格を備えている。
雲仙普賢岳噴火災害を長崎県警本部長として経験した。半年、1年と時間が過ぎると関係者はすべてグロッキー気味。危機管理の視点からは、持久力のなさは時として致命傷ともなりかねない。
噴火による第一次的な火碎流の危険が納まった梅雨時の土石流で防ぎえた犠牲者を出してしまった。
耐震偽造、三宅島、談合、院内感染、いじめ、エレベーター、回転ドア、プールなどへの、打つべき手は打ち終わったのか?報道各社には粘り強く警鐘を打ち鳴らす役を務めてほしい。
各紙3面は、8日付産経「誕生日、結婚近い娘の父も」(竜巻被害見出し)のように、被害者や遺族への同情や哀悼など連日「情で満たされる。第一線の現場では火や血といった赤色の写真が求められ、「入学・結婚式の当日」「いたいけな遺児」と涙を絞らせる。
勿論、これらはわが国の読者の求めに応じた結果でもある。
欧米では、原因の究明、再発防止への判断材料などより論理的報道が多い。た       とえばカーブでの自動車事故では半径何メートルのカーブか、路面の形状、天候からスピード、同地点での過去の事故事例など。事故防止対策に資するこれらの報道に努めてもらいたい。

逃げずに直視し続ける          
痛みを伴う場合、「敗戦」を「終戦」、「違法」を「超法規的措置」などと言い換えてまで痛みを軽減させ、癒そうとする癖まである。危機を直視していないからか、議論は回避され、問題解決は先送りされがちだ。
クアラルンプール事件での超法規措置決断時も、官邸対策室で福田康夫総理代
行(三木総理外遊中)や関係閣僚などが何の議論もないまま、その場を支配する空気で決められた。犯人の要求に屈し仲間を釈放するとの違法措置決定を聞き駆付けた土田警視総監の、抗議の弁を振るう姿だけが瞼に鮮明に焼きついている。
常に最悪の事態を想定し逃げずに直視し続ける強靭な精神力なくしては危機管理はなりたたないことをお互い肝に銘じて置きたい。         

この論評は東京本社発行の紙面をもとにしました。

報道もパンチに欠けた自民総裁選  情熱と覚悟を 

 全国紙への原稿(平成24年9月)です。               

 安倍候補の独走で盛り上がりに欠けた自民党総裁選も明(20)日が投票日。          
実質的に首相を選ぶことになる本選挙はもちろん単なる党内の問題には留まらない。次期政権の政策への影響面からも報道価値は高く、扱いが注目された。         
特に3候補のそれぞれの思想や政策をより具体的に引き出し浮き出させる工夫が期待された。      
9月1日の安倍氏の正式立候補表明・政権公約発表で選挙戦終盤が開始された。翌2日付社説「小泉路線との両立は可能か」は安倍氏の構想を「いささか具体性が欠ける」としのは誰が見ても同意。持論と小泉路線との整合性に疑問を呈し、小泉政権で先送りされた諸       課題への緊急の取り組みを求めたのも当然。
 「近隣諸国との信頼関係の強化」の前提として、靖国参拝への対応を自ら明らかにせよ迫った。同社説での具体的要求はこの靖国参拝への態度明示だけだった。
この問題では谷垣氏が参拝しないと明言、他2者は議論を避け、大きな争点とはならなかった。
阿倍氏が触れたのは4日、福岡でのブロック大会で「外交、政治問題に発展させようという、よこしまな人たちがいるのであれば今宣言する必要はない」(4日朝日)との発言。           
社説の論理からは、直ちに安倍氏のこの発言を大きく捉え反論すべきだった。かつ少なくともこの問題での谷垣氏への支持を鮮明にさせ他の2候補を刺激するべきではなかったか。
逆に5日2面の特集ワールド「秒読み安倍晋三首相」などを見る限り、紙面構成は安倍氏応援の様相。少なくとも社説主張への執着が感じられなかった。
勝利が見込まれた安倍氏は「戦略的にあいまいさ」をとることで政権運営の幅を確保しておこうとの作戦。注目の消費税率も具体的には言わずに通した。具体性        を引き出させたい報道とはスタンスは異なった。
安倍候補は靖国参拝問題でも触れないという「戦略的あいまいさ」で通した。さすがに9月10日社説「あいまいな解決法はない」で、安倍氏の戦術を「姑息な策」とし、次期首相に「誠信」外交を建策。主張には同意なのだが、パンチに欠け取り澄ました印象。
 その他の課題でも具体的論争を仕掛けさせる努力でも物足りなさが残った。        
阿倍氏からより具体的なものを引き出す可能性のあったものを探せば、3年で       道州制による分権化の骨格に基本的な道筋をつけるとの2日松山でのブロック大       会発言(日経3日2面)。しかし、他紙はほとんど注目せず追求していない。
8月22日打ち上げた日本版NSC(国家安全保障会議)構想は阿倍政権の基          本的性格に係わる日米同盟の実質的強化方向を象徴するものとして注目すべきも      のと考えるが、各紙とも追っていない。
 告示9月8日の3候補共同記者会見を受けた翌9日社説「言葉だけが上滑りしている」との批判も誰しも同意。しかし、「メディア側も実にふがいなかった」         
「私たちメディアの責任も重いと肝に銘じたい」と反省されては辛口時評氏の批判も行き場を失う。                       
* この論評は東京本社発行の紙面をもとにしました。
                   

子供・若者問題の根底は人間関係の希薄化

 全国紙への原稿(平成24年12月)です。

 いじめ自殺、親・子殺し、未履修と児童・学生と若者関連の問題が目立つ。
11月30日付社説「犯罪だと徹底して教えよう」の呼びかけや大人の毅然とした対応特に教師の権威確立が急務であり「なれ合い型学級」がいじめの温床(24日)との指摘に賛同。30日付「各国のいじめ事情」は新鮮だった。年齢を超えて遊び学ぶ友人がいるアフリカで深刻化していないことに豊かさの意味を改めて考えさせられた。根底
は人間関係の希薄化なのだ。人間関係の回帰には万能薬はなく、各方面が多角的         かつ息長く取り組むしかない。討論や論述などの企画では個別の問題の底に通じる所を探り総合的な対策を引き出す配意を求めたい。
現在進行している議論は総じて対処療法的対策が目立つ。より大胆な改革、白紙に再設計しなおす抜本的な検討を促すことを期待したい。                  

大学の崩壊               
公務員生活を経て大学の教壇に立ち、衝撃を覚えた2点に触れたい。
一つは、学力低下で水準を保った授業が成り立っていないこと。たとえば、世界史も日本史も地理も履修していないことを前提としなければならない。従来は高校で履修していない人も自分で補って授業に臨んでいたが、現在ではそうした努力をしない学生が多い。
8日付「大学淘汰⑤」指摘の教員の力不足によって一層深刻化しているのも事実だが、同世代の半分が向学心に燃えているという前提に無理があるのではないか。
高校・大学と進む単線構造を改め、目的別に複線化する方向での抜本的設計し直しも検討すべきと考える。
一方、学力向上には妥協は許されない。全国統一の大学入学学力検定の実施も検討すべきだ。
二つは、若者が歓迎されていると感じにくい現実超氷河期と言われた6年間、          就職部長として学生と共に悩み、その背中を押し続けた。暖かく迎えられていると感じられない若者の存在。次代を担う者の育成への関心の低さを感じた。
経済環境に影響されない若者の就労環境整備。たとえば、20歳台従業員が一定の基準に達していない企業に分担金を求め、多く雇用している企業に養成費用として回せないか。       

レッテル貼りに組するな          
本欄執筆の最後に報道への注文を3点。
一つは、レッテル貼りの戒め。抵抗勢力、天下り、民営化などと議論の純化傾向が目立つ。さらに一歩掘り下げ、ちょっと待てよと、角度を変えた多様な見方を促して欲しい。
11月26日付「公務員動員15回」「京大でもやらせ質問」など、各紙共大きく扱った
タウンミーティング批判。動員や質問依頼のどこが悪いのか。また、2日付「日当最高10万円」では、質問者である国会議員の遥かに高額な1日当たりの実質税金負担額などにも触れるなど複眼兼備であって欲しい。そもそも国会では揚足取りではなく法案の中身の論戦をこそ展開すべきなのだ。
二つは、価値判断について。たとえば、パレスチナ自治区での57歳女性自爆テ       ロ犯人写真の扱い。本紙(11月27日付)は白黒だが名刺大の大きさ、朝日(24日      付)のカラー扱いには趣味の悪ささえ覚えた。いじめ自殺での遺書、予告手紙の写真の扱いは英雄視ともとられ微妙。報道は評価と影響に責任を負っている。
最後に、報じられていない部分考察の必要性。たとえば、真珠湾攻撃の65周年に当たる8日、関連記事が全くないことは淋しかった。                     
                    
この論評は東京本社発行の紙面をもとにしました。

今日の経営に求めるられるもの~経営者一人ひとりの“人間としての総合力”がものを言う~

経営者向け講演レジメ(2013年)

  始めに:与えられた職務に常に最善を尽くす(全力投球)
    東日本大震災の教訓・・・「たくましく・しなやかに」
自己責任の認識(自助)
組織の力(公助・共助)
                求められる情報提供への着意(住民目線での判断)
    日本人の特性:変化への対応力が苦手で悲観論に陥りがち(まじめ・心配性)
           バランスの取れた確信が求められる
    受け継いできたものへの感謝&立派に受け継ぐための奮闘      
  
1 「三方善し」「公」への思い(再確認)
   「国民(顧客)の為に国民(顧客)と共に」の精神
    理解協力を得る上で欠かせない自らの危機管理能力・部下の育成
    経営への誇り・使命感
<従業員・家族への思い、根底にある愛国心・国民への愛情・国の未来への責任感>

2 時代の特性:変化の激しい時代であることの認識
国内人口減少(高齢社会)
情報技術のめまぐるしい進歩
  変化への対応なくして経営は成り立たない
      変化への対応しないこと自体が経営危機
  第2の創業の覚悟
      失敗を恐れない
      危機管理が前提の経営

2 危機管理のプロローグ・・・国民の信頼を得る為に必須の前提
(1) リスク対応力は「経営者の力そのもの」
リスクマネジメント力量の養成は肝要
“余分な任務”という認識であってはならない(重要&面白い)。

(2)目指すべきは、全従業員の意識改革
テクニック・レベルの受け止めではならない(ノウハウ次元の問題ではない)。
総合力(全人格的な)問題(特に幹部の幹部たる根源的力量の問題)
どこにも頼りになる専門家はいない(求められる研鑽)。

(3)「感性」・・・国民から厳しい視線を注がれている(=期待されている)との認識。
   「国民の統治客体意識から統治主体意識への転換」を前提として、
   「過度の事前規制・調整型社会から事後監視・救済型社会への転換を図り、地方分権を推進する中で、肥大化した行政システムを改める」という構造改革の時代。
    そのために行政には「情報の公開と説明責任(アカウンタビリティー)」の徹底が求められている。
    国民はさまざまな局面でより重い負担と自己責任が求められる。厳しい対応を求められる国民は行政に対してますます「厳しい視線」を注ぐことは必至。しかも、国民の「官依存体質」は根強く(=期待の大きさ)、意識改革は容易ではない(少なくとも相当長期間の混乱を覚悟しなければならない)。
    
(4)求められる総合的人間学
   その人の持つ力量(トータル・総体)が問われている。
    先人の知恵に学ぶことは勿論、各自の修養・創意工夫が期待される。
   「人の声に私心なく耳を傾ける謙虚さ」「率先垂範」「現場主義」
* 「苦労した」ではなく、自然に「苦労かけた」と言う。
* 人間学を楽しんで極める・・・という姿勢(複雑だから人間が好きという受け止め)
* 縁あって従業員となった人への関心&感謝

(5)日本人は危機管理が苦手
    ①忘れやすい(対処療法)②議論しない(論理的発想が苦手)③持久力がない・・・
    伝統的な「性善説」体質で「和」を好む(感性の民)。
   「ニ度と再び同じ失敗はしないぞ」という危機管理向きの性格とは対極にあるようだ。「だからダメ」で済ませることはできない。国民性は変えにくいのだから、国民性を与件・前提とした対応を考えておかなければならない(プロはしつこく)。
* 「和」の社会:談合体質・建前と本音・慣習
* 「前例踏襲」の呪縛:特に公務員が陥りやすい傾向
*  責任の所在があいまい:無責任体質・ひたすら批判の嵐の過ぎ去るのを待つ傾向
  * 「問題の先送り体質」にもつながる(先送りしてはならないことの見極め)。

3 危機管理とは何か
(1)定義:実務的には「備えのできていない事象への緊急の対応」との理解(で十分)。

(2)対処:可能な限りの事象を想定し、とっさに判断しなければならない幅を削る(狭くする)。それでもとっさに対応しなければならない部分が生じるので、それらへの判断力・基本的対応力などを可能な限り充実させておく(マニュアル作成や教育・訓練など)。
* 実務者として最も有効な学習手段は「他山の石」に学ぶこと。
  先例は勿論、一見関係の薄いような他所の失敗事例も「わがことに引き寄せて」学べば宝の山となる。事件事故ニュースは宝の山(OJTの材料)。
* 混同されているエバキュエーションとシェルタリング(最悪事態に向かい合わない傾向も。シェルタリングに留りがち。・・・では済まされないことへの対処が危機管理プロ)
* 「津波テンデンコ」「15分ルール」(“胤を残せ”)の極限の危機管理への覚悟

4 実践としての危機管理遂行への決意・覚悟
「備えができていないこと」への緊急の対応との定義から・・・新たな判断が求められ・・・職員一人ひとり、特に幹部職員の「覚悟」が問われることになる。<従って、危機管理では想定外はありえない。しかも、理屈ではなく「行動」によってのみなしえることだとの留意が欠かせない。
危機管理は、いざという時に「実行」できるかどうかという次元で考え・点検しておかなければならない。
普段から、緊急時に備えた業務の仕方を見直すことが欠かせない。
* 迅速な報告、「特にマイナス情報ほどトップまで」原則の徹底
  全容把握してない幹部記者会見が与える決定的なダメ企業・ダメ幹部の印象
  (雪印乳業社長の記者会見の場での、洗浄の不十分さを認めた大阪工場長への「君それは本当か」発言00・3・・・社長がポイントを把握していないで記者会見に臨んではダメ)
* 耳障りな報告をしてきた部下に、「ありがとう」と言えるくらいの上司でなければならない(「悪い情報ほどスピード勝負」)。
* 隠していた場合の厳罰(職場での教育効果を考慮した「信賞必罰」原則の遵守)
* 対応策は対処療法や小出しではダメ。
(同様包装の“全品回収”に出た参天製薬、武田薬品工業と「低脂肪乳」のみの回収にとどめた雪印乳業の教訓)
  * 「危機管理はプロに任せればいい」という意識の誤り
    職場での危機管理はその任にある人が最高のプロ(“あなた自身がプロ”)
    専門家の意見は参考にはするが、判断は皆さん自身で。
他人に依存する気持ちが一番危険。どこにもプロは存在しない(依存心を断つ)。
<「危機管理」という言葉に、全ての危機は管理できるというおごりが含まれているとすればおごりかも知れない。管理できない危機もある。「想定外」と言ってはならない(覚悟)。

5 コンプライアンス/CSR
(1) コンプライアンスの定義:「社会の要請に誠実に応える取り組みの全体」
*  背景の精神も含めた法令遵守
* 「法令に違反していなければいい」というものではない。
(2)企業の社会的責任(CSR)の定義:企業による、自発的な法令の規定を上回るレベルでのその趣旨・精神の実践
* 性悪説に立脚した欧米発の、違反企業や違反者に対する強制力を伴った制裁ルールで、特に防止や摘発のシステム構築を重視する。
* 性善説を前提とした善意・モラルに依存したものではない。
(3)本質:社会を構成するよき一隣人としての企業であること。時に応じてめまぐるしく変化する市民のさまざまな要求に適時適切に対応する企業であること。
  * 幹部自身の真価が問われる「PR・広報の問題」との理解が適切・・・この理解が足りない企業が痛い目にあっている。
(4)不正(癒着)に対する怒りの高まり
  * 野球賭博等大相撲の不祥事(暴力団追放)
  * 社会の隅々に残る不公正さ・特に変われないことへの怒り(自浄能力のなさ)
  * 公務員に対する厳しい目 <「またまた」「依然として」との批判
  * 自主的な改善・自浄努力
  * ウソをつくことへの批判(例:大相撲)
(5)公務員の不祥事や危機管理の多くは職員同僚が早くから知っていること。「知らぬは上司だけ」か、知っていて「正しい対応ができていない」というもの。
*「職場での風通し」「人間関係」
* 先送り体質
* 判断基準は「家族に胸を張って話せるかどうか」・・・誰でも分かっていること
   <難しい法令の解釈でもなければ、専門家に聞かなければ判断できないというものでもない。「後々、明らかにできないようなことはしない/してはいけない」ということに尽きる。問題のあることは、勇気をもって改善するということだ。
  *職場のパワハラ(セクハラとは異なり規制する法律はない。パワハラは力の不均衡があればどこでも起こりうる。大半は判断が難しいグレーゾーン。多いのは言葉の問題。無視も。)<スポーツ界での監督のパワハラが問題となった。労働相談窓口への上司・同僚からの暴言やいじめ受けたとの訴えが増えている。

6 各論(実務・実践を前提として)
(1)職場の危機管理は「士気の高揚」・・・との流れの中で考える。
    生きた職場の管理としては、不祥事や事故の防止を叫ぶだけでは逆効果という面を留意しなければならない。本来業務の目標達成に向けた前向きの取り組みが前提になる(「流水は腐らない」)。その前提は職員の仕事への誇りであり、職場への帰属意識である。
    目の前の職員の意識の現実を踏まえ具体的な士気の高揚策をかんがえるべきだ。[好ましい組織権利のモデル・イメージ]
  ①業務での高い目標を立て、その達成のために総力をあげて取り組む。②その為に求められる個人・組織の能力を涵養する。③保秘なども当然にその能力に入る。④そうした業務への取り組みの中で職場での人間関係なども良好になる。⑤管理職は全精力を傾けてよき指揮者・コーデネーターでありたい。
  * 多発する内部告発
  * 部下職員の意識の変化に敏感であれ
  * ワークライフ・バランス
(2)生身の人間という前提を踏まえることへの原点回帰{民間企業の危機管理例から}
* 人為ミス(ヒューマンエラー)防止対策<「人間は過つ者」の前提
    「エラーは誰でも犯す」ことが大前提だが、日本の産業界全体に無駄や余裕をぎりぎりまで切詰める雰囲気。小さなミスでも回復しにくい状況を生んでおり、小さなミスが重大なエラーを生み、事故に結びつくことになっている。
厳しいコスト競争の中で、安全に対する投資や意識が低下しがち。企業側は「問題が起きれば結局高くつく」ことを認識し、安全に努めなければならない。
 *「ヒヤリ(&ハット」から学ぶ姿勢
    重大事故の前に重なる「ヒヤリ」・・・「1つの重大事故の前に30小事故の300のヒヤリ(労働事故に関するハインリッヒの法則)」個々の「ヒヤリ」から何を学べるか?
 * 「慣れ」「気の緩み」「あせり」・・・事故原因調査報告書での定番・同じ原因
   <基本的なことが守られていない。
  (ケース1)JR西日本・福知山線事故 ①「急ぎ」(あせり)が引き金:職場での定時性確保要求・無謀な回復運転。 ②ブレイクカルチャー(処分の文化):ミスの報告すらままならない。③安全文化確立努力足りない:定期的な安全に関するチェックの実施 ④年代別人事構成の偏り・技術継承の頓挫
  (ケース2)日航機乗務員の無許可滑走開始・羽田管制官の管制ミス: ①出発遅れ・降雪の心配による「急ぎ」 ②忘れ・思い込み・気づかず ③定時運航のプレッシャー④管制チーム18人全員が失念:滑走路閉鎖は1ヶ月前に管制官全員に知らされ、掲示板には張ってあった。しかし、当日の業務前の打ち合わせで、注意事項として取り上げられなかった。もたれあい・直接の担当者へのまかせきり・「閉鎖は夜間」との、思い込み。
(ケース3)東武伊勢崎線の踏切保安係による事故 ①「慣れ」や「気の緩み」②目視を怠った。
(ケース4)新幹線事故①パンタグラフのボルトつけ忘れ(東海道)②スピード出し過ぎ。異なる作業計画の場所時間の接近。(山陽)
(ケース5)ベルギー通勤電車正面衝突①信号見落とし
(3)大切なわが職場での具体論・・・実践を託された幹部のあり方の再確認
特に幹部公務員として留意すべきは、プロとしての誇り、逃げない姿勢
「自らに対する厳しさ」&「他人への寛容さ」
(4)残心
  ① 第2撃への備え・・・悪いことは重なる。
    95年:阪神大震災・オウムのサリン事件・国町長官狙撃事件
② 重なる失敗(不祥事)は決定的ダメージとなる。
(5)マニュアル作成の勧め
  * いざというときに役に立つのは1枚紙(手作りの自己マニュアルが最も役立つ)。平時に冷静な頭で作成したものがあることで、緊急時の拠り所として自信につながる。<時系列の流れに従った図面化など分かりやすいもの(転勤してきた新人の視点で)。
  * 作成自体が最高の学習(毎年定期人事異動後に)
  * 体を動かしての訓練が有益(図上演習も効果大)
  * 想定外の事態への備え・授権・応用動作が肝要
  * それぞれの職場の実情に即した対応すべき問題を考えておく(当たり障りのないことだけへの備えになっていないか)・・・たとえば、情報漏洩・個人情報保護、公益通報者保護、セクハラ・パワハラ、公務員倫理(一切の金回り)、OBとの関係(入札・予算執行・・・)から始まって・・・文書の保管・整理・廃棄、秘文書の扱い、職場の整理整頓、言葉遣い、審査・検査・情報収集に当たってのさまざまな問題、出勤簿、出張報告、業者とのさまざまな関係、書類の家庭への持ち帰り、コピー、苦情への対応などに関する各自の判断になんとなく任されていることなどは真正面から検討しておかなくていいのか・・・など。
  * IT関連(ハッキング・停電)、地震、火災、テロ
* 多重債務者、メンタル面含む健康管理
* 公務員倫理関連の告発、相談(匿名の扱いなど)・・・考えておくべきことは多種多様。
(6)OJTの心得(コーチングなど各種手法を参考としての一例)
  <できるだけ質問を発して各自に対応を考えさせること。部下の話をよく聞くことから始める。「相手の考え方を受け止める」
  <「謙虚な姿勢で臨む」「親身の指導」「部下への感謝の気持ち」
  <気づかせる工夫、「一緒に(の姿勢)」、共感する感性の大切さ。共にというスタンス。
  <相手の立場に立って、相手から答えを引き出す。いいところを認める。褒めて育てる。相手の話の中から狙いの方向へ引き寄せる工夫。
  <提案をいったん受け止め、その上でもう一歩上の提案をする要領。
  <できることから即改善、今日からできる改善の確認、実践(で締めくくる)。
  <「他山の石」・・・あらゆる失敗から教訓を引き出せる。イメージを大切にわがことに引き寄せて・・・「今やれることが3つあるとしたら何だろう」と、あくまでも提案させる工夫。短時間の効率のいい話し方。「興奮しない・慌てない・腹を据えて」の要領。


{参考}コーチングとは、部下は部下なりに、上司は上司なりに学び続けるという存在とし、この学び続ける存在という点においてお互いを平等な立場に立っていると捉える。こうした認識の上に相互間で信頼関係を築きつつ、したたかに効果を上げるという戦略的かつ創造的なアプローチ手法。平たく言えば、質問による「指導」。コミュニケーションによって、指導される側の自発性を喚起する教育法。
「コーチング理論」の流行以来、さまざまなところで注目応用されている。

(7) 情報力で勝負する・・・一層の感度アップを
危機管理も突き詰めれば情報収集&分析判断力の勝負。情報に対するそれぞれの立場での日常の勉強が欠かせない。
① 過去・経験に流される判断<まさかは起こりうる。
例:ベテランほど判断を誤った小泉解散(05・8)
② 専門家でもしばしば過つ。
例:大正時代の桜島大噴火
③ 偽情報に満ちている。
例:イラク開戦前のブッシュ大統領一般教書(大量破壊兵器の判断)
     <情報の選択的選択のわな・ウイッシュフルシンキング
④ 不完全情報下での判断・臨機応変の対応・工夫
  マニュアルに過度に頼らない(頼りにならない)。
  ⑤ 裁判の変化に留意
   例:行政の不作為での公務員個人の責任(薬害エイズ最高裁)、銃許可した行政の責任(高額和解)、児童公園から駆け出した子どもの交通事故での自治体責任など
(8)自分流の管理術で結構・・・自分流という信念・こだわり・・・耐えざる研鑚。
  *一つ一つが独特の問題と言う担当正面の問題での専門家は自分を置いてはいない。
(9)仕事で成果を上げることが一番・・・結果責任を取る覚悟、部下への信頼・感謝

<終わりに>
①  日ごろの修養・修練がものを言う。各自のやり方で弛まずに・・・。
* 声だって大きくなるし、心がけで要領のいい指示ができるよういなれる。
* 上がらない呪文だって自分に効き目があれば立派なもの「いわしの頭も信心から」
*「ちりも積もれば山となる」「点滴岩をも穿つ」
②  危機に臨んでは、「朝の来ない夜はない」との思い(前向きに。ネアカ)。
「悲観的に備えて楽観的に臨む」
③ 誇りを忘れずに。
④ 「廉潔の精神」
⑤ 変化の時代はチャレンジの時代


参考資料1 コンプライアンス&CSRの変遷
17世紀・・・欧米の企業倫理への関心は、17世紀の奴隷売買、タバコ、ギャンブル、ポルノなどを生業とする企業へのキリスト教など宗教関係者の反対運動にさかのぼるとされる。
1960年代  公害への関心の高まり
73年   第一次石油ショックに伴う狂乱物価、便乗値上げ
70年代後半  企業倫理に対する社会的関心の高まり
        ミルトン・フリードマン「企業の社会的責任の重要性」を唱える。
80年代  企業倫理に対する学術研究の興隆
90年代  企業倫理実践のための仕組みづくりの活発化
91年   経済同友会「新世紀企業宣言」、経団連「企業倫理憲章」
96年   経団連「企業倫理憲章(改訂版)」
21世紀に入って、牛肉の偽装買い上げ騒動、米国でエンロンの不正経理発覚など国内外での企業の不正行為が相次いで問題となる。
*2000年頃から企業不祥事がらみでコンプライアンスが多用されるようになる。
01年  司法制度改革審議会の意見書     
02年   経団連「企業倫理憲章(再改定版)」    
03年   公益通報者保護法成立(06年4月1日施行)
04~06年 UFJ銀行検査妨害、橋梁談合、ライブドア粉飾決算、村上ファンドのインサイダー取引事件など東京地検特捜部の摘発相次ぐ。
  *企業や業界内の「ムラの意識」が通用しなくなり、法令に厳格に従った企業行動が要請されるようになる。
06年5月 内部統制システムの義務付け(改正会社法)
07年6月 消費者団体訴訟制度導入(01年消費者契約法改定で制度導入決定)
08年4月 上場会社で08年度から内部統制報告書作成と監査法人の監査開始
(金融商品取引法)
10年11月 企業などの社会的責任に関する国際規格(ISO26000)発動
11年 東日本大震災の影響で、国際会計基準IFRS(上場企業の連結決算強制適用)導入延期へ(15~16年にも適用予定だったもの)
    創業家の支配(大王製紙前会長のカジノ賭博)、オリンパス経営トップの損失隠しなど日本企業ガバナンスへの不信感高まる不祥事相次ぐ
  12年7月 野村HC、CEO、社員の関与した増資インサイダー取引問題で辞任
  13年 学校でのいじめ、スポーツ界のしごき・パワーハラスメントなどに焦点
    4月 研究費不正3.6億円(指摘流用や目的外):大学など46機関139人・・・「プール金」といった不正も(文科省)
    

参考資料2 公益通報者保護法
06年4月施行。通報者の解雇、降格、減給など不当な処分を禁止・無効にできる。現行法には違反しても罰則がないなど不備がある。企業のヘルプラインの利用はねたみや不満など本来の制度の目的に沿わないものも少なくないが、制度自体を否定する人葉ほぼなくなった。報道機関など外部への告発をしやすくし、不正を思いとどめさせる抑止力を高める方向での改正することの必要性などが論じられている。

サラリーマン意識調査(共同ピアール12年10月実施、13・2・16発表)内部告発に5割超前向き、03年前回調査上回る。ただ、「告発は匿名で」という人が多く、06年試行の公益通報者保護法は「機能していない」との不満が強い。

参考資料3 内部統制
米国SOX法がモデル。仕事の中身を紙に書いて残すことで「意味ある正しい投資情報」を提供することが趣旨。
わが国では金融商品取引法で内部統制報告制度が定められ、08年事業年度から上場企業は報告書の作成と監査人の監査を受けることが定められた。
定義:「業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、事業活動に関わる法令等の順守及び資産の保全の4つの目的の達成のために、業務に組み込まれ、組織内のすべての者によって遂行されるプロセス」(金融庁業務会計審議会内部統制基準07年2月)

参考資料4  「桜島爆発記念碑 碑文
大正三年一月十二日櫻島ノ爆発ハ安永八年以来ノ大惨禍ニシテ全島猛火ニ包マレ火石落下シ降灰天地ヲ覆ヒ光景惨澹ヲ極メテ八部落ヲ全滅セシメ百四十人ノ死傷者ヲ出セリ其爆発数日前ヨリ地震頻発シ岳上ハ多少崩壊ヲ認メラレ海岸ニハ熱湯湧沸シ旧噴火口ヨリハ白煙ヲ揚ル等刻刻容易ナラザル現象ナリシヲ以テ村長ハ数回測候所ニ測定ヲ求メシモ桜島ニハ噴火ナシト答フ故ニ村長ハ残留ノ住民ニ狼狽シテ避難スルニ及バズト諭達セシガ間モナク大爆発シテ測候所ニ信頼セシ知識階級ノ人却テ災禍ニ罹リ村長一行ハ難ヲ避クルノ地ナク各身ヲ以テ海ニ投ジ漂流中山下収入役大山書記ノ如キハ終ニ悲惨ナル殉職ノ最期ヲ遂グルニ至レリ
本島ノ爆発ハ古来歴史ニ照ラシ後日復亦免レザルハ必然ノコトナルベシ住民ハ理論ニ信頼セズ異変ヲ認知スル時ハ未前ニ避難ノ用意尤モ肝要トシ平素勤倹産ヲ治メ何時変災
ニ値モ路途ニ迷ハザル覚悟ナカルベカラズ茲ニ碑ヲ建テ以テ記念トス
大正十三年一月      東桜島村」
                  (旧字体を一部修正)

戦略的互恵構築の知恵に期待  

第一次安倍内閣発足時のコメント


  安倍首相は就任早々に中韓両国を訪問、首脳会談断絶という異常事態に終止符を打った。折からの北朝鮮の核実験ショックはネック・靖国問題の比重を下げた。強運の安倍首相は、拉致で政権、核実験で中韓との修復のチャンスを手にした。勿論、靖国・歴史認識での
同床異夢は今後も不安要因であり続ける。会談断絶は両国首脳の力量不足の故。どちらか一方の問題でないことは明確に指摘されなければならない。執拗に迫った靖国不参拝確約条件化を両国が降ろしたのは、中国では汚職事件に関与した上海トップの陳良宇党委書記解任などによって権力基盤を固めた胡錦涛国家主席の打開意欲のなせる所。「仏独関係のようになりた「仏独関係のようになりたい」との王毅大使発言(10           月8日付日経)、両国外務次官の交渉過程での真相、いったん帰国した上で翌28日に極秘再来日した過程に胡主席の決断を解析した本紙10月2日付解説はみごとだった。               それまでの本紙論調では胡政権の意欲の強さの度合いを必ずしも踏まえないまま、不参拝の確約が会談の前提との論がめだっていた。安倍首相には中国側の意欲の高さを捉えて首脳間の信頼関係の構築につなげていく力量を期待したい。特に、両国の感情を踏まえ、靖国を外交問題としない形にする知恵が求められる。ソウルでの記者会見で阿倍首相が靖国関連質問に被害者である中韓国民の気持ちを「重く受け止める」と答えた言葉は文字通り重い。盧大統領には極端な反日姿勢で招いた外交的孤立感を払拭させたい思惑や乗り遅れを嫌う心理もあった。         
 
 北の核実験        
北の動きに一番衝撃を受けたのは太陽政策で通してきた韓国。儀礼的訪韓が両国の連携の実を揃えさせた。実験実施後の中国側の危機感を「かつてない局面」との現地紙表現を伝える6日付記事は時宜を得ていた。米下院情報特別委報告(3日)で「日本・台湾・韓国も核計画に走る可能性」と指摘されたことは要注意。ワシントン・ポスト紙は「日本も核武装懸念」(8日)などと東アジアでの核武装ドミノ懸念を解説した。東京発の「軽率な核武装
論や先制攻撃論が外交上の自殺行為に等しい」(朝日10日夕刊)との感覚に同意。          安易な放置はわが国の非核方針堅持への疑念を生じさせかねない。政府はもとより各紙も世界のわが国の方針変更への懸念を国民に伝え、かつ世界に向けての十分な発信が欠かせない。

魂の篭もった言葉         
首相を迎えた8日付人民日報の記事紹介で「知恵のある人」(9日)との評を小見出しにした感覚を評価。思い込み突出型の前首相流ではなく、新首相には熟慮           の上の知恵を出してほしいとの意が伝わる。
安保理非公開協議の報道から。日本案に「米朝協議の必要性を盛り込んだら」とのロシア・チュルキン国連大使の発言に反発した、米ボルトン大使の「米

危険物取り扱いにおける自発的危機管理の向上について~安全で快適に暮らすまちづくりの中核を担う~

川崎市内の企業安全管理者向けの講演レジメ(2010年使用)

{結論}防災都市川崎市を担う中核業者としての決意を期待
・・・市民・近隣から信頼され、イザという時に頼りにされる
・・・安全向上のための更なる努力を
   「次の世代に残すべき宝」・・・安全安心という街の宝
   人間の命の大切さ・・・いとおしむ心・過信は命取り
             事故原因調査に多く見られる「意外な」の意味するもの
忘れてはならない自然災害の破壊力 
災害被害は最小限に減らすことはできる・・・「備えあれば憂いなし」

* 「他山の石」・犠牲者の残した教訓・・・生きた教訓(知恵)はあふれている
* 中越沖地震での柏崎刈羽原発の事例は教訓に満ちている<複合災害>

1 雲仙普賢岳噴火災害の経験から:専門家を超える分野が多い
(1) 思いもよらぬこと(危機)への備え・・・マニュアル万能ではない
奇麗事ではすませられない・・・他人事ではない
街のリーダーの心得・・・鐘ヶ江島原市長のひげに示した決意
(2) 頼っては命を失う・・・皆に付いていっては危ない・・・将棋倒し
愛する者の身は自分が護るとの決意
(3)持久戦に弱い/忘れやすい・・・日本人の特性
(4)タフ・ネアカ・・・頑張り過ぎない・人間は壊れやすい
(5)地元の団結力・・・復興は団結力から・助け合い・・・街の日常活動から

2 危険物取り扱い専門業者、「プロとしての自覚」「自主的取り組み」が原点
  危険がいっぱいの環境下での業務という認識
  交通事故を考えるだけでも・・・最大の敵は「慣れ」
    求められる日常業務での基本遵守への取り組み *遠心力と積荷の重心移動
*常に創造を超えた現実*人間がとっさにとる想定外の行動
「真のプロとなる決意」 
 「基本に忠実」ということ・・・いずれも根底にあるのは「人間」
  企業の安全リーダーとしての率先垂範・実践を期待
       
 プロ:「自らへの厳しさ」が要件 「自らへの厳しさ、他人への寛大さ」
     
3 会社ぐるみの防災拠点化・・・地域社会への貢献(CSR経営)
  事業者は地域の防災拠点:先ずは更なる安全性実現への決意
              情報公開・耐えざる錬度向上努力
  専門知識を生かした日常的な地域への協力
  地域からの期待:貢献力を磨いてもらいたい「何が貢献できる」の問い

4 慣れ、過信という「驕り・慢心が最大の敵」
  人間のやることに、100%は存在しない。
100%を目指して絶えず反省し努力するのみ。 
  危機管理は「他山の石」の学ぶ姿勢から。他者(社)の失敗を我がことに引き寄せて。
  専門家といえども例外ではありえない。日進月歩の更なる安全への歩み。
   例えば、
① 中越沖地震での柏崎市刈羽原発の事例に何を学ぶべきか。
      活断層に関する不完全な調査実態、想定外の揺れ
      火災発生時の消火体制、通報体制、化学消防力(役所の設置基準に関わらず、自ら専門家としての判断で)、水の出ない状態での対応力、情報公開、
記者会見etc.  
    ② 比較的最近注目されだした長周期波動
    ③ 液状化
    ④ テロ・ゲリラ対応
    ⑤ フェールセーフ・・・危機状態が発生してしまった時への対応

5 すべての前提、「わが身と家族の安全/安心」から  
    家族の危機対応力の劣化が生じていないか
   「たくましい野生の力」・・・一人一人の人間としての生命力
    現代社会の便利さが間違った過信を生んでいないか
    
6 危険物防止アクションプラン
    法令に基づく点検、日常点検の推進。推進重点項目、諸対策への取り組み

7 「公」の再生
     日本的パブリック(共生社会)の再建を目指して
    「安全で快適に暮らすまち川崎」の実践/体現
資料1 阪神淡路大震災(95・1・17 AM5:46)
    死者6400余人、重症約1万人、全壊10万余棟(内全半焼約7500棟)
    避難所生活者30万人余
    停電260万世帯・・・応急復旧完了まで6日
    断水127万世帯・・・最長3ヶ月
    ガス86万世帯・・・最長3ヶ月
[死因]倒壊家屋の下敷き(圧死)・・・84%
火災死・・・12%
[推定死亡時刻]大部分は10分以内に死亡
*生き埋めになった(自力では動けなくなった)人々の10%は助け出せる可能性がある
*餓死した人はいない
 [西宮警察署管内の状況から]宿直26人、一瞬下敷きになったのは約1000人、
内助け出された人は100人弱

資料2 大震災への対応シュミレーション
   3日間・・・行政も市民も全力で協力しての人命救助
         「生死~勝負の72時間」「近所の助け合い」
   3週間・・・皆で何とかして「日常生活の維持」
   3ヶ月・・・復興へのめど(防災都市化への配意)

資料3 首都直下型地震被害予測【中央防災会議05・2・25】午前8時発災
   死者1万3千人(内新宿周辺地下街でのパニック死40人)
   エレベーター内への閉じ込められ・・・1万余人
   自宅で暮らせない700万人(1ヵ月後270万人)
   水道復旧率4分の3・・・4日後     95%・・・30日後

資料4 地震で生き残るために
①動けなくならないこと・・・家を安全に(耐震補強・転倒・落下防止・・・自宅を最善の避難拠点化)②グラッと来たらとっさには身を小さくして頭を護る③避難ルートの確保(倒壊家具などがつっかえ棒になってドアが開かなくならないか/子供部屋のドアが外から開けられるか)④多くの人がいるところでは将棋倒しに巻き込まれないこと⑤落下物に注意(ガラス・看板などに備え頭を護って離れる)⑥正しい情報(流言飛語に注意)⑦スリッパ・ズック・軍手(一番多いガラスによる手足の傷)⑧パニックにならない(臨機の判断)⑨2~3日食べなくとも死なないとの構え⑩避難所生活は開き直り(神経質にならない・頑張り過ぎない)

21世紀の家族関係を考える~人間の幸せ・絆の原点~

市民向け教養講座れじめ(2010年)

<はじめに>
   ① 日本人の性格:執着気質(きまじめで完璧目指す)50%
妄想気質(不安感じると悲観的に思い込む)70%
*人類が存続し続けられた最大の資質
   ② 走り続けてたどり着いた峠
③ じっくり考えたいこれからの「生き方」
        *哲学とは生き方

1 20世紀の特徴・・・「物で栄えて心で滅ぶ」
  (1)工業化による豊かさの実現
・大量生産・大量消費
・自動車の世紀・・・T型フォード発表から100年
(2)戦争による大量殺害
(3)森林の破壊・・・環境・再生可能限度超す?
(4)地域社会の変質
(5)家庭の変質
  (6)社会主義の実験と崩壊

2 敗戦による価値観の変化
  (1)伝統的価値観の喪失・・・代々受け継がれてきた倫理観の喪失
(2)歴史の否定
(3)義務と権利のバランス喪失
(4)個人主義
(5)思いやる心・「公」の喪失

3 1000年規模の断層・・・60年代
(1) 地域社会・家庭の絆の希薄化
(2) 核家族化・・・「磯野波平・サザエさん」一家から「島耕作」に
          5~6人家族そろっての食事風景から孤食の時代へ 
(3) 少子高齢化・・・非婚化
             教育費を計算して生むのか?
4 バブル崩壊の影響
  (1)会社人間
  (2)変われない症候群・・・農耕民族
  (3)成功体験の呪縛・・・官僚制・55年体制
              「志」・ノーブリスオブリージ(「武士道」)

5 長期間の不況の影響・・・90年代後半の意識の急激な変質
(1) 安全安心・・・自殺・体感治安の悪化
(2) 組織への帰属意識・・・内部告発
(3) 誰でもよかった殺人・・・生き辛さ。行き場のない閉塞感。
(4) 親殺し・子殺し
(5) 「個人としての自立」

6 日本人の拠り所
  (1)代々引き継がれてきた価値観
     ・共生・お互い様・・・・・・・他者を受け入れ、思いやる心。「寛容」
・「ほどほど」(バランス感覚)・・自制する心。「自省」「謙譲」
・もったいない・・・・・・・・大切にする心。「節約」「エコ」「感謝」
(2)大切にすべきもの
・神話、民話、古典、伝統(文化)・・・長い風雪に耐えた宝
・歴史・・・・・・・・教訓の山
・武士道・・・・・・・江戸時代までの倫理観の集大成

7 団塊世代への期待
  (1)孫子に引き継ぐバトンは何か
(2)日本人の拠り所・絆の再生
(3)子育ての失敗者だからできること

8 若者への期待・・・具体的な問題点の検討
  (1)巣篭もり・・・「茹で蛙」状態、閉塞感
     ・パラサイトシングル
     ・子離れできない親
     ・カーナビ親・・・子に先回りしてこまごまと指示
(2)携帯漬け・・・中学生の2割1日にメール50件以上
・仮想空間・・・バーチャルは珍しくなくなったリアルが希少性
   ・ネットに振り回されて依存症に(携帯依存症)
(3)IT・・・ドッグイヤー7倍速、マウスイヤー2ヶ月で出産
   ・急激な変化に対する疲労感 & 国境の壁の低さ(競争の激化)
(4) 自信喪失・・・内向きでは済ますことはできない
・改革への消極的な姿勢
(5)教育の重要性    
・伝統的心性「多神教的寛容さ」こそが「国際社会で不可欠」ナノダ
(6)若者に優しい社会
      
<おわりに>
   ① 恵まれた条件・環境への感謝
・日本の平均降水量1700ミリ、世界平均900ミリ
・水不足7億人(06年)、約30億人(25年)
② 心の再生・・・激動の20世紀の反省から学び、21世紀へと思いを馳せる
③ 人間の永遠の原点(礎・母港)としての親子・家族関係(感謝・愛情)
  ・私たちを包み込む郷土・祖国など集団との関係(感謝・愛情)
④ 次の世代へと引き継ぐ視点
⑤ 地球人という視点


{参考情報}
1 現代家族の姿
 (1)1世帯平均人数:2.79人(97年)・・・2.56人(15年推定)
・・・2.27人(30年推定)
(2)1人25%、2人24.5%、4人18.9%(75年野25%から減少)
 (3)特殊出生率:1.26(08年)
 (4)平均寿命:女85.99年(1位)、男79.19年(3位)・・・(08年)
 (5)1人暮らし:全世帯の26%(05年)から37%(2030年推定)へ
        非婚化&高齢者の1人暮らし増
 (6)パラサイトシングル:30歳代女性の4分の1・・・内、親と同居76%。
 (7)高齢化率(65歳以上)2055年推計40%(05年国勢調査の2倍へ)
              内2割余・・・結婚せず

2 具体的な問題点
(1)自殺  年間3万人超(97年以降連続)
    10万人当たり:日本27人、仏17人、独11人、伊6人、英6.8人
          自殺を悪とするカトリック
          友人、家族など小グループのまとまりがある
(2)老老介護
   核家族と少子化の影響
   介護保険を受けている世帯の内、介護者・要介護者共に65歳以上世帯増加中
47.6%に(07年)

3 中高生の生活意識調査(日本、中国、米国、韓国の比較)
 (1)1日の勉強時間:日本8時間、中国約14時間、韓国約10時間
 (2)学校の勉強を「きつい」と感じる者:日本最多(高校生77.2%)、他の国4~6割
 (3)就寝時刻0時以降:日本中学生約35%、高校生約70%。米国中学生1割、高校生2割以下。・・・日本の中高生の8割が「よく疲れている」と感じている。
 (4)「自分をダメな人間だ」と考えている:日本中学生約5割、高校生約6割。他国を大きく引き離す。
  *中韓と比べて、勉強もしないのに弱音をはいている。甘えの気持ちが強い。
(財団法人日本青少年研究所09年2月24日公表。08年9~10月実施日米中韓主要都市での中高生約8300人に対する意識調査)

4 携帯電話への依存
 (1)所有率:小学6年生24.7%、中学生2年生45.9%、高校2年生95.9%
 (2)1日50件以上のメール:小2.4%、中19.5%、高13.9%。
    (高校生の2割が食事、授業、入浴中なども使用)
(3)携帯使用のネット利用時間:中「1~3時間」が9%、「3時間以上」5%。
高「1~3」男22%、女31%。「3時間以上」男6%、女12%。
(4)トラブル経験者:中高生の7割、「しつこいメール」「つきまとわれ」「悪口書かれた」。逆に3割が悪口、チェーンメールなど書いた経験。プロフ利用経験者中高生の約4割。逆にプロフを知らない親が4割。<親子のズレ大
*「携帯依存が強くなると生活リズムが乱れる」と指摘
                   (文部科学省08年11~12月の調査)

5 人口動向
 ・総人口:1億2778万人(04年12月ピーク~06年)
      1億2706万人(08年3月末現在住民基本台帳)
     1億2830万人(07年世界人口白書、世界10位)*世界人口66億人
・生産年齢人口(15~64):1997年ピーク
・2100年中位推計約5千万人(明治末レベルに)
・75歳以上1割超す(08年3月末)・・・老年人口65歳以上21.57%
                   15歳未満13.62%
*およそ3万年前最古の人類日本に定住開始
*縄文時代早期2万人-中期26万人、応仁の乱(1467年)1000万人、徳川初期 (1603年)1100万人、明治維新(3500万人)、1900年4384万人。
*2035年以降・・・毎年約100万人減少
 
6 刑法犯認知件数:97年200万件超に
07年191万件・・・10年ぶりに200万件割る
*DV被害相談や被害届け2万5千件(08年)~DV防止法(01年施行)以来最多
*警察で扱ったストーカー事件1万4千件(08年)~対前年比8.9%増

7 自己愛型社会・・・自己愛の充実に最大の価値を置く
① 自分らしく生きる
② 家族との交流
③ 友人・知人との交流・・・近所との交流は下位

8 1世代の間に家庭環境の急激な変化
・磯野波平・・・3世代7人同居
・島耕作・・・作者弘兼憲史1947年生、松下電器産業経て76年漫画家デビュー

9 子供の体力、特に持久力の衰え
・子供の基礎体力の劣化:小6年(1985~2005年)
*ソフト投げ:男(30.0~29.8m) 女(20.5~17.8m)
*50m走:男(8.75~8.95秒) 女(9.00~9.20秒)

10 就職氷河期92年~04年
・ロストジェネレーション:約2000万人
・ニート・若年無職者など:64万人(03~06年青少年白書)



危機管理の実務~組織トップ力の勝負・時代の空気・消費者の心理を感じる経営~

経営者向け講演で使用したレジメです(2010年使用)

 始めに
自己紹介~人間への関心、経験させてもらったことへの感謝

1 経営環境変化の激しさ:勝者総取りの傾向・・・「経営者力の勝負」
  国際化(グローバル化)&情報技術(IT)・・・個人能力の極大化、格差拡大

2 時代の空気・消費者の心理を感じる経営
  不安の時代:不安感に悩む人々の増大・・・「感性(心)を大切に」
安全安心への関心の高さ・・・「信頼」という原点回帰
社員の安心・・・経営の原点「社員は最大の資産」*女性&若者をひきつける経営
安心は売れる・・・神(消費者)のささやきを聞く耳

3 国際化:経営を発展させる源への理解
  国境を越える発想:「攻めの姿勢」・・・自閉症であってはならない

4 本音のCSR「企業市民」:根本は企業価値を高めつつどんな貢献をするのか
(1)非難されない:違法行為をしない
(2)好感度獲得:メセナ・宣伝・誠意を感じさせる反省
(3)なくてはならない存在化:国民(消費者)にとっての欠かせない存在化
~経営継続が大前提、持てる企業資産・能力の活用によって

5 危機管理は「他山の石」で
  日々事例を引き寄せて血肉にして行く
まさに経営者の力量にかかっている:「他人(専門家)任せにできない」
全能力をもっての臨む経営者力の勝負:「人間としての総合力」

まとめ
(1)徹底的に人間究明の経営:魅力(夢)のある経営者(ポイント:卑しさを廃す)
(2)創業(時)の経営精神へのこだわり(ポイント「閃き」と「拘り」)
(3)真理探究:(自らの)判断に基づく「仮説」、現実による「検証」、修正」の繰り返し

参考1 日本人の気質
 執着気質:まじめで完璧を目指す・・・50%
妄想気質:不安感じると悲観的に思い込みに走る・・・70%   *重複あり


参考2 内務省の道統~変わり行く国家・社会の考察~
[道統の意味]大切にされてきた根底の心得
国をマネジしていくことは容易ではない/国を治めるために欠かせない気概&努力
(1)広い視野を持つ:日々修養。見識を求め続ける自負。
(2)若い人を大切にする:短時間では間に合わない。代々、若い人に託して行く。
[基本姿勢]
(1)高い「志」を抱き堅持する(国家のありようを憂い、国民のありようを憂える心)
   志があれば、政治家や業界団体の利権に奉仕することを恥とすることになる。
(2)幅広い視野(broader perspective)を持つ:あらゆる専門分野に360度展開。
   問題をより広く捉える。枝葉末節に捉われない。
(3)豊かな人脈を作る:数だけではない(name dropper 「知ってる、知ってる」)
   各分野で豊富な正確な知識と本質を見る目を持つ人の人脈
(4)問題解決への確かな手法を身につける。
:問題意識<調査<分析<仮設<検証<確認(確信)
(5)情報力重視:情報を知る。
[前提]
(1)専門分野は所詮人間が仕分けたもの。現実に生気する事象はあらゆる分野に跨がっ
ている。
(2)従って、あらゆる分野をできるだけ広く見渡して、常に変化している事象の根底に
ある本質を知ることが大切になる。
(3)時代の変化のスピードに社会の仕組みは遅れる宿命にある。政治家、ジャーナリス
トや国民の意識も時代の変化に遅れている(ギャップが生じている)。
(4)重要な治安問題は時代の変化と既存の社会の仕組みとのギャップの中に生じている。
従って、官僚は以下のことを留意しておくことが必要になる。
①行政全般をチェックして、ギャップから生まれる問題を早期に察知・把握して対策を講じなければならない。
②政治、経済、社会(ジャーナリズム、国民意識など)の仕組みと動向を熟知しておかなければならない。

21世紀を担う新人公務員に期待するもの ~地域力の創造~

自治体新採用者への講演レジメです(平成23年4月)
                    
 はじめに 自己紹介・・・危機管理は市民への思いやりの原点
   (1) 新たな時代にふさわしい地域社会の再生(他人への思いやりの心)
   (2) 可能性に満ちた川崎市への愛情
   (3) 洋々とした皆さんの未来

1 プロとしての自覚
* 初心を忘れずに・・・公務員を志した今の気持ちを大切に
* 自己修養・自修自得・・・無限の可能性
* 大人は「他人には寛容に、自己へは厳しく」が原則
      * 現場主義・・・現場重視、上から(役人・お上)目線ではなく

2 公務員と会社員の違い
    市民への奉仕に徹することができる公務員(奉仕の精神)
    利益を出すことを最優先にしなければならない会社員
    どうしたら“市民にとって一番良い”のかと考えることを最優先にできる公務員
* 思いやりの精神
* 感謝の精神

3 公務員を見る厳しい目
    バブル崩壊後の厳しい状況下、 死に物狂いのサバイバルを経験した市民
    公務員への期待の大きさ
* 公務員としての倫理・・・愛する人や家族に話せないことしないこと
* 「李下に冠を正さず」「一隅を照らす」「奉仕の精神」「声なきに聴く」

4 市民の為に・市民と共に
    「情報公開」「説明責任」の原則を前提に
     市民の協力を得て(参加型)
* 対話能力の向上   *聞き上手の勧め
5 安全・安心への配意・・・危険に満ちているとの認識から(「まさか」が現実に)
    市民の“安全安心”への関心の高さ・・・公務員の本来業務との認識
    先ずは自らと家族の危機管理
    日常勤務を通じた危機管理
      * 他人に頼ってはならない * 健康な体(体力は自らの手で養う)
      * 経済生活面での計画性  * 逃げてはならない(たらい回し)


6 ワーク・ライフ・バランス
    公務員という専門職職業人としての側面
個人としての私生活の側面・・・第3者目線・自分を客観的に見る第2の目
    公務員としてのやりがい・充実感が個人としてのやりがい・充実感になるように
* 廉潔の精神
* 正々堂々と胸を張って

7 はなむけ
  (1)「歩一歩高うして万景拓く」
(2)「半歩前の精神」
(3)「もうはまだ・まだはもう」<要は万事「心がけ次第」ということ
(4)5分前の精神
(5)「他山の石」に学ぶ(他人の振り見て我が振り正せ)
(6)「言必ず真、約必ず果たす」
(7)青い鳥症候群・自分探し強迫症
(8)ネアカ、のびのび、へこたれず
(9)尊敬する先輩を見つける・相談できる仲間を見つける
(10)「朝の来ない夜はない」

8 おわりに
   時間は誰にも平等、皆さん次第
 5年後・10年後の自分像を心に抱いて
 感謝・反省
 「働き」(人の役に立つ)と「稼ぎ」(生活の糧を得る)
変化を楽しむ・・・積極性
「創造」は逃げない心から・・・“ピンチはチャンス”と頑張ってください
      無難な守りに回ってはいけませんよ・・・「易きに避けて難きに着く」
      若い皆さんいは、あえて難しいことに挑戦して欲しい

中国20世紀の歩みと日中関係の展望

市民向け教養講座レジメ(2010年)

<プロローグ>自己紹介&中国との関わり
      「実像をあるがままに」をモットーに
大掴みにした中国観
①中国にとって不幸だった社会主義・計画経済という無謀な実験
*多様なステージ:混沌とした文化大革命・天安門事件・市場経済・急激な台頭まで
②ソ連・東欧社会主義諸国の崩壊(天安門事件):なりふり構わぬ体制維持(「中国式」)
民族の求心力高めるための意図的「反日」(内政)~「微笑」外交(宣伝工作)
③難治の民:広大な領土・人口の多さ・多様さ・国民性・・・統治の難しさ
政権への怒りを逸らす:「中華民族主義」の鼓吹、その際の絶好の材料になる反日
*「日本帝国主義に対する大きな恨みを生徒の心にしっかり刻み込まなければならない」(江沢民政権時代の教師用指導書)
*南京大虐殺記念館(07年12月拡張再会館):怒りに唇を震わせ「日本製品はもう買いたくない」という感想となる展示
④独裁制に欠かせない情報統制(封殺)の難しい時代:IT時代に入り流出防止不可能に
*チベット暴動(08年3月)でほころび
⑤保守主義:とにかく現状維持で行ける所まで(集団指導体制・官僚主義)

1 中国にとって過酷な近現代史
  歴史への誇り(中華思想)と屈辱感
革命後の過酷な歩み
改革開放30年の高揚感
屈折した対日感情(東夷):日清戦争、対華21か条の要求(五四)、日中戦争
    潜在意識としての「倭寇」「日本鬼子」
2 国民性
  「漢賊は両立せず(正義と悪は一緒にしない)」:いったん敵とした相手とは交渉しないという硬直的外交。レッテル貼り。例:小泉元首相の在任中の首脳会談中断。李登輝元総統を独立派と決めつけ対話せず。敵としたら徹底的に攻撃。
「メンツ重視」の大国主義:アメリカ大好き
ハワイを起点として太平洋米中分割管理構想(08年3月11日米上院軍事委員会でのキーティング太平洋軍司令官証言、訪中時中国側提案と)~海洋覇権への本音(野心)
  日本側報道では「冗談扱い?」
毒入りギョウザ事件:日本側捜査当局が中国での混入説を匂わせたと反発
  中国「安全」との過熱報道(当局の意図)
*反日教育の影響は大きい<胡主席の「新思考」「戦略的語形関係」への抵抗
*せっかくの日本への留学生を暖かく受入れること肝要

3 徹底した個人主義者
   国家は個人にとって対立する存在:鍛えられる個人(日本人の国家への依存心)
熱しやすく、冷めにくい中国人の愛国心:孫文も嘆いた「砂(散沙)の民」
大家族制:生まれつた(身についた)集団の中での交渉術(外交の巧みさ)
*全員が巧みな交渉者(イエス・バットの日本人、ノー・バットの中国人)
  上に政策あれば下に対策あり
  だまされるような人とはやってられない:だました人は賢いがだまされる人は失格
権力者の意向に逆らうことの危険性を認識できる人だけが出世できる(常識)
*タブー破りの扱い:本質的に現在も変わらない
  第一次天安門事件(極左派の天下):毛沢東の個人崇拝を記事
共同逸見記者追放87・5(保守派長老の発言力):長老の不当批判を含む報告書
*担当した幹部が個人として懐柔努力(見返りの厚遇)
*中国への海外からの直接投資(07年)の3割超はタックスヘイブンから
(タックスヘイブン資金源の56%が香港絡み説も。中国企業からの投機的投資資金)
*海外永住ビザ取得者の国家公務員から年金受給資格剥奪との党内部指示

4 中国共産党による一党独裁正当化の根拠
帝国主義支配(日本)による(半)植民地支配からの解放:地主、国民党
    中国共産党が「抗日戦争を勝利に導き新中国を建国した」
独善:反国家分裂法、国境法、出版管理条例「領土の完全性を損なう出版物は許可しない」の類に見られる中国当局の法意識

5 タブー(原理原則)
①一つの中国(台湾独立):外国植民地支配から完全独立した統一国家
②一党独裁:革命世代の遺志から、今日では権力者の利益集団化
③分離独立(ウイグル・チベット):少数民族に対する漢民族の本能的警戒心
  08年3月のチベット:計画的暴動との宣伝。徹底的な鎮圧。
④天安門事件(&文化大革命):生々しい利害関係者
⑤法輪功:党の権威を上回る精神支配
*大義名分:表面的に原則が党利さえすれば良いという柔軟性も
*圧倒的多数はの漢民族中心思考

6 個人と国家を代表する立場(公務員)をはっきりと使い分ける
 中国代表者としては絶対引かない:根っからのプロ交渉人
甘い日本人:「胡主席来日前に、ギョウザの影を払え」などという論調に成勝ち
  中国:中国側東シナ海ガス田協議切り離し
*思想信条や立場が異なる交渉相手とも人間同士の触れ合いを大切にすることで信頼関係は築ける。外交は人と人との原点に立ち返り誠実に向かい合うこと。

7 中国は巨大な大陸国家(大国)
一つの宇宙をなしている程の広さと人口の多さ:内政中心の政策判断
政治家の判断は内政に立脚:ナショナリズムに流される(チベット総覧への対応)
 一歩間違えると「弱腰批判」に晒されることを恐れる当局
大国は相手を無視できる:外交という意識はない<国内事情次第
*海洋国家(日本):貿易立国 

8 圧倒的に多い補完関係:規模(人口、広さ、生産量)、体制(独裁、民主)、知財
ぶつかる部分:アジアの指導的地位(相互に認め合えば解消)
互恵の貿易・投資関係は政治関係での緊張緩和に役立つ:経済発展センター
中国の台頭は日本に大きな機会をもたらす:巨大な中国市場の誕生
製品・経済金融政策などの面での日本の経験は中国にとって有益なものが多い
(1)マクロ経済での相互補完性の高さ(Win-Win関係):中国特需・市場の大きさ
  中国が欲する日本のマクロ経済コントロールや内需拡大などの政策、省エネ、環境保全や技術立国などでの経験、意見交流
(2)貿易・投資面での協力:日本にとって中国は最大の貿易相手国(06年出入国合計~)
(3)省エネ・環境面での協力強化(共通課題):運命共同体的関係でもある
(4)東アジア地域協力での交流・協力
(5)国際問題解決での交流・協力

おわりに
①中国問題は日本問題:日本人がしっかりすることが前提
*中国側の振幅の大きさを前提に動じない冷静なスタンスを取ることが肝要
②国家としても個人としても:自己責任の覚悟・自立。自信を持てる自己認識・愛国主義・戦略・人間観(日本人の甘さ・幼さ)
③「同文同種の国」錯覚が生む摩擦:日本人のDNAに刻まれた中国のイメージ・願望
④まるで異なる異質の国という出発点に立つこと:その方が付き合いやすい
*下手に同文同種などという幻想を抱いてはならない(幻滅に繋がる)
⑤自信を持って

参考資料(手持ち)
1 表面化した格差問題
経済成長で既得権益を得た層がこれ以上の改革を進めたがらなくなるという傾向
経済成長から取り残された貧しい下層集団の生存空間を構築する必要
     学校の手抜き工事(四川大地震)
  教育格差・・・修正不能の域?<よりよい大学を目指した大競争<エネルギー源でも
2 55少数民族・・・漢民族への果実配分での格差感
チベット族(542万人)チベット暴動08・3
ウイグル族(840万人)ウルムチ暴動09・7・5
3 情報統制の限界
  世界で最大のネット人口。携帯電話役6億台(現在の井戸端会議レベル)
インターネット2億台超、ブロードバンド人口07年末で6646万人で米国を抜き世界一に、ブログ登録1億人超(各自が意見の発信者)。
  *反日運動(05年春)*仏カルフール不買運動/四川大地震救援(08・5)
4 強い反発を回避した自衛隊機の見送り判断はよかった・・・相手の心を汲んだ支援が大切。公式の要請以前に自衛隊機の派遣検討が漏れた(前のめりの感)。中国の事情を考えた細心さが求められる。対日感情の変更には時間をかけた積み重ねが欠かせない(08・5)。
  *重慶/成都空爆5年間以上。インターネット上での自衛隊機派遣へ猛反発。
5 インドシナに中国の奔流
  中国の影がインドシナ諸国に急激に濃くなっている。メコン川の国際航路としての利用は01年から開始され、中国からの人や物の圧倒的な流れを見せている。
6 「中国 危うい超大国」(NHK出版、スーザン・L・シャーク著・・・カリフォルニア大大学院教授、元米国務次官補代理)
  指導者たちが自らの権力の正統性、党体制の存在に異常なほど不安と恐怖を抱いている。そのために軍依存を強め、世論による非論理的なナショナリズムを阻止できていない。近年、多国間外交、周辺外交、新安全保障観を強調「責任ある大国」を意識するようになった。が、特に日中、中台、米中には国民感情が絡み、中国外交の最大の難題となっている。
 「対米関係は面子と国益の問題、対日関係は愛国心の問題、台湾(独立)は共産党体制にとって死活の問題」
  *攻撃的なナショナリズムから友好的なものへの転換、改革の受益者である地方幹部と民間経済人の外交政策への参与、党のマスコミ統制の緩和などで、民主化を経なくとも難局から脱する可能性を指摘している。 
7 オリンピックに際しての食の安全、環境問題への対処・・・対処療法色強かった。
8 秘密主義・・・透明性確保こそが行政への信頼高める鍵
9 「政治的に行方不明の日本」英フィナンシャルタイムズ(09・7・4)
  ソ連崩壊で地政学的な価値の低下。中国&インドの台頭。バブル経済崩壊・長期低迷で日本政治家の自信喪失状態。
10 日本の役割は規範に基づく国際秩序を強化、拡大して中国など新興国を組み入れること。東北アジア・・・相互安全保障体制の欠けている地域。<漫画とクールジャパンだけでは心もとない。

市町村における防災力を向上させるために~具体的な事例検討~

雑誌投稿原稿(2011年)        

 始めに
  地方自治体で防災力を養成・向上させるための具体的な施策を提案・検討してみたい。危機担当職員も限られ、予算の制約もある中でいずれの自治体も危機への備えの必要性は感じつつもなかなか具体的な施策となると苦慮しているというのが実態。そうした中で、どこでも容易に実行可能なものという前提での論述としたい。各自治体はそれぞれの具体的な状況を踏まえ肉付けを工夫されたい。
1 基本事項
  先ずは総論的に心得るべき点から始めたい。
(1)「自立した住民」を養成する(「情報公開」という原点の確認)
  従来の「よらしむべし、知らしむべからず」という従前の官サイドの発想を捨てることから始めなければならない。大部分の自治体職員にあっては、既に意識は十分切り替わっているであろうが、潜在意識の部分で人間なかなか切り替わっていない部分があることに留意して欲しい。
防災において、例えば「ハザードマップ」のような住民の住居に関する危険情報も公開することは、住民をいたずらに不安に落としえるだけだとして、役所の中に留めおくというのが、つい20年ほど前までの感覚だった。有効な対策が打てて安心してくださいという形でなければ行政は情報を抱え込みがちだった。現在は、そうした古い感覚はなくなっていると思うが、どこかで引きずっている可能性がある。実は住民の側に行政への依存意識が強く残っている。例えば、危機発生時に対するあれこれ行政への注文が後を絶たない。そうした住民を前に自治体職員サイドにそうした住民の意識に逆らえないという意識が強く残っている。例えば、予算も職員も不足しているのに「最善を尽くします」などと言ってしまう。
現在は、情報公開が原則、取り分け危険情報は率先して公開することが原則だ。官ができることは限られている。「自助・共助・公助」それぞれが合い協力して危機に立ち向かうというのでなければならない。そのためには情報の共有、取り分け危険情報の共有が大前提となる。
自分と自分の愛する家族などの命は自分で守ることを繰り返し強調したい。役所としては、責任逃れのようにも聞こえるため、なかなか言いにくいかもしれない。しかし、阪神淡路大震災の教訓として、役所ができることは限られているという現実がある。家屋や家具の下敷きになって身動きならなくなったら、家族や近所の助けに頼らざるを得ないという実態は強調してもし過ぎることはない。
(2)企業・NPO・町内会など「広範な協力体制」の構築(「コーディネイト役」に徹する)
  価値観が多様化している今日、さまざまな形の重層的な協力体制の構築を目指すべきだ。役所はそのコーディネイト役に徹する。しかもそれぞれの組織が自立的に行動できるようにしたい。それぞれが判断して、役所と共働するというのが理想だ。
  現在、私は川崎市非常勤顧問(危機管理アドバイザー)を引き受けている。現役の市職員ではなかなか言いにくいことを言う役目を引き受けている(どこでも市役所に対して補助金が欲しいなどの要望・要求が出勝ち)。こうした中間的な立場の役割を担う人物を設けるのも有効だろう。 
(3)訓練など実際に体を動かして覚えなくては実際の役には立ちにくい(参加者を増やせる訓練とする工夫)
  マンネリになりがちなので、なんとか工夫して、住民の参加数を増やせるようアイディアを出して欲しい。起震車で大震災の揺れを体験し煙の中をハンカチで口を塞いでくぐるという体験はいざという時の役に立つ。
  なお、休みに子供さんと近隣を歩き回ることも地域を立体的に理解する上で有益だ。最近の子供は学校と家、プラスの塾くらいしか行けないという人も少なくない。緊急事態発生時には常日ごろと異なる行動をとらなければならないことも予想される。そうした場合、子供が日ごろから周辺に明るいことは危機管理上のイロハなのだ。頭ではなく体で覚えた部分が危機対応では役立つものだ。
2 メールニュース「防災・気象情報」
  名称はどうであれ、自治体に関連する緊急情報や地心情報、気象警報・注意報、天気予報、光化学スモッグ情報等をメールで配信するもの。災害時に先ず大切なのは、正確な情報を早く知り、適切に判断し行動することです。現在は携帯電話やパソコンで情報が流せるので、これらを有効に活用したい。予め住民に登録してもらいこれらの情報を発信するシステムは有意義だ。
  行政に対する住民の要望事項の上位に早急な情報伝達への要求が挙げられる。しかし、実際には難しい。広報車の音声も届かないところもある。情報は住民自らの入手に努めてもらう時代。そういう意識になってもらうための日常的な広報努力を願いたい(この部分に関する住民の自治体への依存意識は思いの外根強いものがある)。
また、地上デジタル放送、コミュニティFMラジオ、防災テレホンサービスなど地域の災害情報入手方法の広報には一層力を入れたい。
  * 川崎市役所HPヘッド参照(*)
3 防災協力事業所登録制度
  災害時の被害軽減につなげるため、いざという時に協力し合うため、地域の事業所に参加協力をしてもらう。災害時に事業所がどんな協力が可能かを検討し、登録・表示してもらう(市民への広報・表示の普及努力は欠かせない)。
例えば、自治体は広報媒体を使用してあるいはHPなどに掲載するなどし広報する。事業所にとっては平常時における住民に対するCSR活動広報となるように工夫したい。いざという時に住民と事業所の協力が可能になるような体制作りのきっかけとなることを目指している。商店街の活性化などの施策とタイアップして地道に努力したい。地元の大学などへの働きかけも有益だ。
  事業所の持つ組織力、専門的な技術・資機材は、災害時の地域にとって大きな力になる。講堂などを臨時の避難場所に提供してもらえれば近所住民は安心だ。運動場なども臨時の避難場所としては有効だ。これまでも尼崎列車事故、東海豪雨、阪神・淡路大震災などの事故や災害で、事業所の活動が、地域に大いに貢献した。
  ①尼崎市列車事故(平成17年4月)
    周辺事業所の従業員等がいち早く現場に入り、順次到着する消防・警察と協力し、大破した車両から被災者の救出、安全な場所までの誘導、応急手当、病院への搬送などを行った。
  ②東海豪雨(平成12年9月)
    スーパーマーケットの協力で、屋上駐車場に地域住民の車を避難させたことにより、車の冠水が防げた。
  ③阪神・淡路大震災(平成7年1月)
    事業所の自衛消防隊員が地域の消火活動に出動し、住民と協力して火災の拡大を食い止めたほか、事業所の体育館を避難場所に提供した。
4 企業・事業所に向けた防災対策ガイドブックの作成など
  多様な防災取組が求められるが、特に企業での取組に期待したい。組織力がある企業での従業員の防災意識の高揚、業務継続計画の作成が有効だ。企業継続への事業所や工場などの耐震化から始まり、従業員用備蓄から周辺住民への支援などCSR活動へとの広がりが期待できる。
   自治体はガイドブック作成から始まり各種機会を駆使して企業・事業所・業界団体などの協力を求めるべきだ。自治体はHPなどを業界別に分類するなど活用しやすく工夫して企業等の防災取組を紹介・支援すると同時に社会的なインフラ化するよう努めたい。
   静岡県、東京都千代田区(**)など先進的な自治体の事例を参考にそれぞれの工夫を加味した取組を競ってもらいたい。
5 市民の協力促進
  例えば、緊急時の飲料に提供される井戸をお持ちの市民にはその旨ご近所に表示してもらうといった取組は是非促進すべきだ。できれば共通のマークなどを作成したい。企業の緊急時の協力可能な分野を表示するのと同趣旨だ。薄れがちなコミュニティの再構築のきっかけにもなろう。
  市民への広報について。様々な広報手段があるが、地域FM放送などは緊急時のローカル情報入手の有力な手段になる。自治体は普段から危機関連情報入手手段としてFM放送の内容充実に努力すべきだ。例えば、川崎市では地域情報を扱うFM川崎で、市民の危機管理への意識向上・話題提供を目指す「わが家の危機管理」(毎週月曜日朝夕5分間)、主に防犯情報を扱う「地域安全かわら版」(毎週月~金曜日朝夕15分)といった放送を行っている。  
6 自治体内部での検討事項
自治体内部で防災への取組として考えるべきことは少なくない。それぞれの具体的条件に応じて検討してもらいたい。以下、その際の主なものを参考までに列記したい。
(1)宿直態勢、緊急時の参集体制の時系列に基づく検討・・・自転車、バイク使用を前提にして考えること。   
(2)所掌事務として防災と防犯を一体的に考える・・・わが国では組織は縦割りになりがちだ。警察と消防のそれぞれが町内会などに別途の組織を作っている。自治体はその一体的な運用に努めたい。
自治体の組織でも交通安全、防犯、防災などが別の組織になっていないか。
(3)職員の緊急時への備えという意識を促すための工夫・・・日常教務の忙しさに紛れ、緊急時への意識は薄れがちだ。内部昇任試験での出題なども駆使して関心を高めたい。
終わりに 
  本稿では自治体として人員と金のかからない施策を取り上げた。自治体は住民や企業・団体の協力を促すコーディネートとしての役割に立つという発想で可能になる活動は少なくない。

漂う日本の行方~何を頼りに生き延びられるのか~

市民対象教養講座での講演(2010年)

 はじめに
頂戴した標題は危機感に満ち満ちている・・・まじめな日本人の性格がよく現れている。
世界同時不況(リーマンショック)、温暖化、資源争奪。わが国の孤立への懸念。
変化への対応力が苦手な日本人・・・一度、落ち着くと新たな環境への対応力は優れる。

1 物的な豊かさから、生き方の満足度を高める方向へ
  物は溢れ返っている・・・物への欲求は低い

2 若者を社会へ暖かく迎え入れる
  若者を採用する企業への減税など新たな制度作り

3 家族・家庭・地域社会の再生
子育て・在宅介護などへの支援・・・生活者重視目線(ワークライフバランス)

4 (企業は)競争力を何に求めるか
先端技術・・・教育(改革)・研究立国(企業の戦略)

5 市ごとの創出
  観光・・・文化、町並みの景観、自然保護(誇るべき森の再生)
安全安心な地産地消(農業・水産)・・・適正な値段での購入理解
  サービス産業・・・含む介護・教育・保育(子育て支援)

6 求められるこれからの人材(資質)
国際化(英語と中国語の必須化)、IT化(全員が使いこなせる)
人間力(考える力・哲学)

おわりに
愛国心・・・文化・歴史への習熟
発信力・・・日本語・コミュニケーション能力の養成
恵まれたわが国の地政学的な好条件・・・忘れられない感謝の心
<手持ち資料>

1 執着気質(生真面目で完璧を目指す)50%
妄想気質(不安感じると悲観的な思い込みに走る)70%     *重複あり

2 「軽躁なる日本人へ」浮わっついた日本人への警句(阿川弘之「大人の見識」)
  急ぎの用はゆっくりと、静かに過ごすことを習え
理詰めで人を責めるな

3 中軸国家・・・国際的に“鍵”となる役割を担う
  戦略的な将来像
  
4 先進国の脱工業化・・・工業化と資本主義の利点生かした20世紀工業文明終焉

5 日本人の縮み指向
  江戸時代・・・節約・エコリサイクル社会

6 南極とグリーランド氷床(世界の氷の99%)
すべて海に流出するとしたら65メートル海面上昇

7 衰退国に転落:原子力除くエネルギーの96%、食糧の60%以上輸入に依存
  本質的な解決は厳しい競争の中で必死に創意工夫・努力で、世界的な競争力、とりわけ人材競争力の再生急務

8 教育・・・歴史~ナショナリズム、グローバリゼーションを昇華する。
対話力を養う。
  日本の文化や歴史を語れる人材
  刹那的な若者を生む閉鎖状況、歴史の軽視

9 エリートの養成
  ノーブリスオブリージ
 
10 議論を避け、あいまいにしがちな民族性
農耕民族の特性?

 経営者に求められる危機管理~変化の激しい時代は経営者の決断が勝負~

ロータリーでの卓話レジメ(2009年)

 はじめに
  危機対応は日常業務の延長線上にある。特別なものではない。
  危機管理は経営者の仕事・・・専門家はいないが誰にでもできる。要はその気の有無。
  危機管理の視点での友人・専門家と交わる・・・経営コンサルタント・警察官(OB)
実践的な知恵を事例に学ぶことが肝要・・・理屈ではなく経験や知恵が重要
1 経営者の力量が問われる時代・・・危機管理力の差
  変化の激しい時代・・・情報革命(IT)、国際化、価値観の激変(消費者・従業員)
  *感性(若者と女性が要)*経営者に求められる人間の総合力
2 危機とは
   実務としては、「備えの(全然~十分には)できていないことへの(短時間での決断など応急の)対応」が求められる事象。経験の蓄積では間に合わない。
  *マニュアルも万能ではない。経営者の判断力勝負になる。
3 留意点
(1) 経営者に不可欠な「自らの責務」との自覚・・・逃げない姿勢+面倒見のよさ
専門家はいないが誰にでもできる・・・先ず求められる苦手意識の克服。
万一に備える日頃の修養・・・。その気になれば誰でもできる。   
(2)組織力を発揮する:速やかな報告連絡・情報の共有
  報告/相談という仕事の心がけ。  *聞こうとしなければ聞こえない。       
(3)他人の力を使う。*ひとりの力は限定的*交友関係が重要*アドバイザー活用
(4)情報が勝負:断片勝負を大切に
   危機を想定し対応を考えていなければ必要な情報も見過ごす。
   勉強していなければ情報がわからない。
(5)最大の教材は失敗事例:ニュースで他人の失敗に学ぶ「他山の石」の心得
   自らのことに引き寄せて考えることの積み重ねが肝要。
(6)ひとり勝ちの傾向拡大:「みんなで渡れば怖くない」時代は終わった。
(7)本音の経営:コンプライアンスやCSR、能力給、低価格(値下げ)競争など流行を疑う
(8)実践的心がけ:声は大きく。分かりやすい指示。ポイントは書いた方が誤り少ない。
  声について、個人差はある。しかし、誰でも、トレーニングによって改善できるもの。

おわりに・・・ネアカ・前向き・「他山の石」・「失敗学」・チャレンジ精神    

東日本大震災から学ぶこと~ 防犯設備専門家のあり方 ~

防犯設備士向けの講演レジメ(2012年)

  私からは、危機管理関連事象があれば可能なかぎり現場を見るように努めています。阪神大震災、中越地震、今回の大震災も直後に現地に入って、災害の現地での実情を見てきた。それらの経験及び現場で感じた教訓などを踏まえて「防犯設備士という立場で、何が今求められているのだろうか」という視点で講演させていただきます。

1.危機管理意識の浸透!
私は、川崎市の顧問・危機管理アドバイザーの仕事を兼任しております。震災当日の3月11日も、たまたまですが、川崎市の危機管理室で地震に遭いました。同市の危機管理室は、総務局に属しており、各局に対して様々な危機管理事案の調整を行う組織として創設されました。
私が提案し、新しく立ち上げた「危機管理室」なのですが、必ずしも私の思ったようには機能していないのが実情です。危機管理事案が発生しますと多くの部局は、特に面倒な危機管理事案などを、「危機管理室」へ投げてしまうような状況であるのです。非日常的な業務という捕らえ方をされがちな危機管理の難しさを感じております。
震災当日、私は危機管理室で震度5強の揺れに遭い、すぐさま机の下にもぐりましたが、危機管理室で潜ったのは私だけです。
日頃から市内の各区役所、学校等に出向き様々な方に地震発生等の災害発生時の対処方法含め危機管理の大事さなどを講演して回っていますので、率先垂範した次第。

2.過去の震災経験を活かせ!
阪神淡路大震災では、約6,000人の方が亡くなられましたが、その約90%の方は頭、胸などを潰されて即死の状態でした。午前5時46分に阪神淡路大震災が発生し、6時の時点では9割近い方が亡くなられていたのです。
阪神大震災での神戸市では、特に住宅の状態が悪く、様々な形で市民の方の対応が遅れたことなどが要因で、多くの方が亡くなられたのではないのです。川崎市だって大同小異でしょう。私は、川崎市の講演では阪神大震災での実例を挙げ、過去の震災経験、特に神戸市の経験を活かすよう常に話しております。

3.震災発生時の危機意識行動への対応
川崎市では、震災直後に市長を中心に全部局長、全所属長を集合させ、直後に対策本部会議を設置して情報収集にあたりました。特に一番に対応したことは、帰宅難民対策として、川崎市の市営バスの増発、終夜運転を即座に決断し、終夜運転の措置をとり、アナウンスをいたしました。その結果、川崎市は関東周辺で最も滞留者が少なく、ターミナル駅での夜明かし対策の措置もとり、滞留者の数を極端に少ないかたちにもって行くことができました。
また、帰宅したいという人間の心理に対してどのように対応するか。とにかく真夜中になっても、バスが走っているということによって、どの程度行動が変化するのかを確認することができました。

4.被災地での経験の集約
震災直後から私は浦安市(液状化で被
害)、旭市(千葉県銚子市の隣の市で津波災害が大きかった)をはじめとして、宮城県石巻から福島県境にかけての宮城県の海岸線を中心に現地に入りました。 
川崎市からは消防特殊部隊が福島第一原発直近および東京湾岸のコンビナートに職員を派遣していた関係もあり、派遣職員とともに被災経験を集約共有するなど有益な経験をしました。
①企業の被災現場への業務対応姿勢例
福島第一原子力発電所の周辺地域に対して、最後まで流通関係で入っていたのがN通社のみであり、多くの流通関係者は入らなくなりました。N通社の社員は、グループ毎ガイガー計数器を持って、福島第一原発周辺地域に入っていました。N通社社員は、勤務終えて自宅のある仙台市(福島第一原子力発電所から100km圏程度)の自宅に戻っても作業服の中のガイガー計数器が鳴っている状態であり、福島第一原子力発電所から100km程度離れている仙台市の中心部においても風向きによって、放射性物質が飛散していた状況にあったと思われます。
②海外メディアと日本メディアの乖離
世界の国々が報道している日本の地震、津波などの映像は、日本国内で流されている映像とは異なっています。日本はご遺体、或いはまさに命を失っていく、その直前の状況も映しません。これは日本人的な様々な配慮がされています。ご遺族や様々な関係者に対して悲惨な状況を映像として出すことが憚られており、出すべきではないという配慮が、日本では非常に行き届いています。海岸で津波に犠牲になられた方々のご遺体が、宮城県各地の海岸線地域の震災直後は多くあったのですが、日本の報道では映していません。ところが、海外の報道は映しており、ヘリコプターなどから自動車が逃げ、津波に飲み込まれている状況をリアルに映しています。海外では津波に巻き込まれる状況を映していますが、わが国では車を運転している方とか、中に人がいる映像は全部隠しています。このような報道姿勢等を見ると、日本人の私たちは様々な意味で考えなければならない部分があります。真実を直視していない傾向がないかと・・・。

③被災地の実態
被災地は非常に鎮まっていて、日本人は我慢強くて、そして略奪が起きていないと報道していますが、実態は略奪も起きており、様々な混乱した事象も起きていました。そして被災された方々、或いは福島第一原子力発電所周辺で生活していた住民の方々は、自宅を離れていることにより自宅の盗難や、その他様々なことを心配されていました。事実、そうした心配されていたことが起きており、仙台市などでも、水を被った地域のスーパーなどでは、震災の翌日ぐらいに商品が全部なくなっていました。自動車が外に停めておきますと、夜間にガソリンが全部抜かれています。このような実態について、震災後の1週間、2週間後に現地に入り、そこにいる方々と私たちの集会でもって本音で話すような機会を持ちますと、現地は報道のきれいごととは大きく違っていました。
また、正規の流通ルートではない、知り合いとか個人的なネットワークなどで物資の確保はサバイバル状態でした。こうしたルートがない方は非常に困っている状態であったことなど、様々意味での実態を踏まえて防犯設備協会としての対応を考えなければならないということ感じました。

5.国民が求める安全・安心ニーズの
ビジネスチャンスにどう応えるか!
私は、防犯設備ということを考える上で、いろいろな大事なことがあると思います。今国民は、安全・安心について考え方を大きく刺激されて、今もう変わっています。その国民が何を求めているか、国民が求めているものをどれだけ提案できるか。協会に限らず、業界として、或いは個々の企業として、この今の時期に安全・安心のニーズにどれだけ応えることができるかが、役割として期待される組織のビジネスチャンスであります。昨日と同じような考え方で、今の時代をやっておられる方はむしろ怠慢ではないでしょうか。今ほどビジネスチャンスに富んだ時はないのではないのです。
特に、東日本、そして東海、南海、中南海という巨大地震というものを身近に感じている国民が、様々な意味で安全・安心に関しての考え方、どう備えるかという視点で、今大きく揺さぶられているということだと思います。

6.防犯設備業界が様々なビジネスチャンスに取り組むことは重要
今、例えば保育園・幼稚園・学校、或いは、お住まいになっている団地とかで様々な意味で家族の安否確認をしたい、家族は今どうなっているのか、或いは日常にあっても家族の安全を確かめたい、そしてより安全な暮らしをしていきたい思いが、今ほど高まっているときはないと思います。
今、幼稚園・学校などの紹介パンフレットなどで、皆さんの「お子さんが今どうしているかということがカメラですぐ見られるというサービス」を提供するビジネスが人気の的になっています。
私は、高層マンションの20階に住んでいます。震災当日、このマンションのエレベーターが事実上終日、全部ストップしていたのです。ご高齢の方をはじめ、皆さん階段を上っていくということについて、かなりの方が苦労されておりました。従って、数日間エレベーターがストップしても様々な生活が維持できるための備え、これは非常に重要です。みなが共通の意識になっている今がチャンスです。
また、マンションの2階か3階ぐらいまでしか行けない方が仮眠できるような施設の設置、様々な形で確認できるようなカメラの設置等を含めたものも非常にチャンスだと思います。
防犯設備協会としては、今はハードだけに固執されず、そのハードを踏まえて、ソフトでどれぐらい安全・安心を日本人が求めている、心の隙間にどれぐらいサービスを提案できるか、或いは専門家としてその方々に寄り添えるかということだと思います。従って、今マンションや団地、あるいは町内会でも、こうした防災、防犯等、安全・安心に関する取り組みというのが、非常に今刺激を受けています。国民のそうした気持ちに最大限寄り添って、どの程度皆様方がその専門家として、様々なコンサルタント、情報提供、商品を提案することを含めて、このビッグチャンスをどの程度活用できるのかが、大変大きな問題だと思います。
今、治安はどうなるのだろうかという疑問があります。自分の子どもや孫が大丈夫だろうかという思い、アメリカとか諸外国で、様々な形で治安の悪さが情報として存在しています。これらに対して、日本も同じようなことになってしまうのではないかとする、そうした安全・安心に関しての、何らかの新たな取り組みをしなければなりません。
今、国民がどのようなことを心配し、どのような感覚でいるのか。そうした今のようなことに、どの程度敏感に寄り添って提案していけるか。皆様の業界がこのチャンスをどの程度手にすることができるかが、今かかっております。
東日本大震災では、200人以上の自治体職員が犠牲になっています。そして消防団員も約200人の方が犠牲になっています。400人を超える被災職員であり消防団員が、岩手、宮城、福島の3県で犠牲になっているという状況あり、このようなことがあってはなりません。南三陸町の防災無線で最後まで避難を呼びかけていた職員は、津波の犠牲者になり、その行動が大変賞賛されました。しかし、危機管理の観点からは、大きな問題であり、日本人の危機管理がいかにできていないかという証です。少なくとも避難所、或いは災害対策本部、市役所庁舎、市役所が避難所と指定している公民館等で犠牲者が出るということは、あってはならないのです。そこに行けば助かるという状況でなければならなりません。
また、消防団員の方も水門を閉めるために出向き、津波の直前まで危険な思いをし、津波の犠牲者になりました。まさに防犯設備協会の皆様にとっては、人に代わって、カメラや様々な形で新たな提案が当然なされてくる。そしてそれがまさに今の時代のニーズに合っています。各自治体などが、海岸線の状況から始まって、様々な情報収集をするために、足稼がなければならないものもありますが、危険な部分については、様々な設備を使うことが、皆様の新たな提案によって補うことが非常に求められていると思います。

7.過去の地震に学ぶことの大切さ
関東大震災から9月1日で88年が経過しました。安政の東海地震から160年余りです。過去から地震は、一定周期的に起きて来ましたが、現在の地震の周期の平均値は完全に超えています。東日本大震災は、貞観の大地震が1,000年前の地震であったということです。869年と言いますから、ほぼ1000年を超えて、約1,100年前のことです。なお、6,000年ぐらい前に亘って、地層などを三陸海岸などで調べた学者が、6回ぐらいそのような津波が押し寄せているという研究発表もされています。要するに1000年ほどの間隔で、大地震、大津波というのが繰り返されています。私たちが今住んでいるこの地域で関東大震災、東海地震、これは過去の周期をもう超えている。そのようなことが何を意味しているのかということを、しっかりとお互いに見つめなければならないということだと思います。
なお、約1,100年余り前の貞観の地震の時には、前後数年間を少し見てみますと、東海地震も起きていれば、富士山も噴火していました。過去の地球の営みを私たちが住んでいる地域、この日本の土地の災害の過去の状況について、お互いに謙虚に学ぶことは大変重要です。そして、当防犯設備協会の皆様方がどれぐらい真剣に呼びかけることができるか。そして提案できるかということ。それが私たちの任務ではないかと、長年ご一緒にさせていただきました者として、感じております。

8.想定外
想定内、想定外という言葉でございますが、危機管理には想定外というのは禁句です。それに備えるというのが、まさに危機管理です。私たちは想定外という発言を、危機管理に携わる専門家としては決して言ってはならないのです。東日本大震災での犠牲者約2万人ほどの方々の声なき声に何を学ぶかということが、私たちにとって最も大事なことではないかと思います。

9.津波から教訓
今回の場合、大きな津波が多くのところで6波から7波観測されています。特に、旭市の飯岡漁港を襲った津波ですが、この第1波は、さほどでなかったため、避難所から多くの方が自宅に戻り、第2波で多くの方が津波に呑み込まれました。様々な形で言われていますが、第1波が最大とは限らない。第2波、第3波の方がより大きな波が来ることがあります。そして旭市で犠牲になられた多くの方が第2波であったということです。家の片付けに帰った方が犠牲になっていました。
なお、大洗市と旭市を一概に比べられませんが、旭市の津波が高かったのです。それにしましても似たような津波で、片方の大洗町は犠牲者がゼロなのです。旭市は犠牲者がどうして出たのかということなど含めて、私たちは具体的に話を持って行って、様々な知恵をつないでいく仕事をしなければならないと思います。
大洗市は「自宅に帰るな」という防災無線の放送をしているのです。マニュアル通りの放送をしていないのです。多くの自治体がマニュアルを作って、防災無線のシナリオを書いています。これが逆に、私どもは非常に生真面目ですからその通りやろうとする。危機に臨んではその通りやってはだめなのです。臨機応変にいかに危機感を伝えることができるかが重要です。そして避難したこと後、ある程度時間が経って、家に帰ろうかという動きをしている時間に「家に帰るな」と、そのような放送がどの程度、臨機応変になされていたか。これを調べてみますと、旭市と大洗市では、大洗市が非常に臨機応変な放送をしていたということが指摘できます。
このようなこと含めて、私も川崎市をはじめ東京都立川市や千葉県柏市、その他2、3の自治体含めて、各市の危機管理担当官のマニュアルづくりに携わりました。
 しかし問題はマニュアル通りに行かないということなのです。例えば私が関係しました立川という市で見ますと、1時間以内に自宅から市役所に何人が出て来られるかを調べてみると数少ないのです。実際に誰がどのようなことをするという形ではなくて、何を捨てて何を優先にするのか、そして態勢が整わないときにどうするのか、実態に即したことが求められます。


10.地域コミュニティへの
防犯設備の提案は重要
阪神淡路大震災では、神戸市役所の職員は当日出勤していないのです。出勤している人は10%に達していませんでした。
一方、神戸市内の警察職員の出勤率は97%でした。ある意味でわが家が被災しているときに、自らの仕事として市役所に出て行くという意識が、少なくともなかったのではないでしょうか。
大都会では、行政と住民のコミュニティが希薄であり、行政が様々な施策を打ち出してもうまくいかないケースがあります。町、村とレベルでは、行政と住民が皆顔見知りであり、様々な意味でコミュニティが取れており、うまくいっています。そうした意味で私たちは、どれぐらいそうした顔の見える関係を作っていくか。特に、都会にありましては価値観が多様化しています。それらを多重的に会社であり、職場であり、あるいは町内会であり、NPOであり、あるいは様々な形の取り出す人間関係を作って行く。そのような機会を踏まえて防犯設備という立場から、私たちは何を提案できるか。そして益々人間に代わる、そして人間によりやさしい、人間の心に寄り添うような防犯設備、そして防犯設備士というソフトを含めた仕事の提案。そしてまず第一歩の活動が、今まさに求められていると思います。

11.トータルとしての防災・防犯の
             提案が必要
 多くの場合は、原子力災害の一つを取っても、自身に際して原発本体は大丈夫なのです。原発本体の近くにあって、消防署に緊急連絡する電話が置かれている部屋の戸
が開かないなどで通報できない。
 また、東京湾に面したコンビナートで大きな爆発が起きていましたが、本体は大丈夫でした。ところが、本体でない部分の強度が非常に弱いことによって、本体が連続して爆発した結果になっていました。
 このようなことを踏まえて、トータルとしての防災、トータルとしての防犯の提案を私たちは、個別の家だけではなく、町ぐるみ、団地ぐるみ、会社全体などの大きな目で捉えた提案を発信していくこと、今回その必要性があると、大きく犠牲者の声として、私どもに語りかけられていると思っております。

12.福島第一原子力発電所(福島原発)
の対策
福島原発につきましては、考えてみますと、津波に呑み込まれても電源がダウンしないようにすること、津波の水が原子炉周辺に入らないような建物を作ること、これらの作り方、あるいは改修というものは大した理論ではないのです。しかし、現実はできていなかったのです。福島原発は、約30mの海抜があったのを、20mぐらい削って平らにして作っているということなどを含めて、充分な対策を考えなければならないと思います。非常用補助電源を設置するなどの投資も、費用的にはさほどのものではなかったのですから・・・。

13.液状化の状況
 私も現地へ何度か行きましたが、想像以上の被害の大きく、取り分け噴出した土砂が乾燥し、風に舞っている状況です。
マスクをしないで生活ができない状態が数週間続き、状況によっては、月単位でそのような状況続いていました。住居等は、数週間で復旧していますが、公園をはじめ公共的施設は後回しになっており、トイレが使えない等々からはじまって、様々な後遺症が続いています。

14.震災での被害の分かれ目
旭市などに、1カ月後に現場に行きますと、被害の分かれ目が非常に良くわかりました。どういう家が流されて、どういう家が流されないのか。隣り合っている家で、こちらが流れていて、こちらが流れていないというのがあります。海に向かって横に、流れるように建てる、海に対して縦型に建てる、隣の家よりも少しでも高く土を盛り、たとえ30cmでも50cmでも高くしていると残っていました。
特に、仙台などは、港から海から相当離れたところの構建物が壊れています。20年や30年前に建てたマンションは壊れず、2、3年前に建てたマンションが壊れているケースたくさんありました。様々なところを見てみますと、四角い箱のように作ってあるものの方が絶対に強いということです。様々な凝った設計になっている建物は壊れていました。それだけではないにしろ、専門の方がいろいろな角度から今後見られると思います。

14.まとめ
私どもは東日本大震災という国難に何を学ぶのか。そして日本人の国民性というのは変わらないから国民性だと思う。国民性はあそこが悪い、ここが悪いと言って、そこで終えて済ますわけにはいきません。だからその国民性を踏まえて、どのようなことをしていくかという提案を、具体的に今日お集まりの皆様に、自らのお仕事の中で新たな提案をしていただく。それが住民の心にどれだけ響くか、国民にどれだけ、「そうだな」と肯定されるか、そこにかかっており、今ほど、私どもにとってのチャンスな時はないと思っております。

皆様の明日からのご活躍に心から期待申し上げまして、私からの講演を終わります。どうもありがとうございました。

今日わが国が抱える課題

市民向け教養講演レジメ(2012年)


<はじめに>
  長期停滞・衰退期に入ったのか?
  どう考え、どう対処したらいいのか?

Ⅰ総論
1政治混迷の原因
(1) 共同体全体で醸成される合意の欠如
  政治家が先導すべきだが・・・有権者(国民)やメディア、実業界など影響力持つ集団の混迷の反映でもあろう。

(2) 共同体の連帯感の欠如
  日本文化の本質である助け合いや共同体作り、問題への協調的対応
  人々の協調性という特性(長期資産)を生かしたあり方

(3) 自信・信頼感の欠如
  我慢強さ

(4) 戦後の経済優先から、精神の豊かさや国民のアイデンティー、自分の国は自分で守る気概(安保)など含めたバランスの取れた大人の価値観へ



2 経済停滞の原因
 (1)財政悪化・・・財政再建
 (2)低成長率・・・成長戦略
    家計・企業の信頼性欠如・・・支出・設備投資消極的に
 

Ⅱ 各論
(1)原子力エネルギー
   リスクが大きい・・・死者は出ていない。
             放射線汚染の影響・・・早期に死に至るケースはあるのか?
   リスクの大きさ評価
   安全メカニズムを強化改善してリスクに適応(模索)・・・一定の時間をかけて
   伝統的あり方への逆行・・・いつまで?

(2)大災害への備え・・・めったに起きないものへの備えの程度?
   「リスク回避」でなく「リスク適応」・・・伝統的対応への回帰(最終的に)?
容易に建て直せる建物&建築技術の向上
非常時に備えた避難訓練など

(3)消費税率引き上げ

(4)海洋活用戦略
    排他的経済水域(EEZ)世界6位

Ⅲ 結論
1 目指すべき方向
 (1)安全安心・・・治安の良さ
     死者ゼロの新幹線
(2)サービス・・・もてなしの心
     観光立国
(3)ライフスタイル・・・暮らしやすさ
     福祉国家
(4)知識・技術立国・・・精密性(精密機器・製薬)
     信頼性
(5)特にすり合わせ技術
     
(6)大震災は変革のチャンスでも

2 持てる資源の戦略的集中
(1) 製造業・・・付加価値の高いもの、日本的オンリーワンに特化
(2) サービス(レジャー、娯楽、教育、医療、観光、法務、マーケティングなど)
    *経済活動の7割占めているにもかかわらず日本では非常に遅れている

 
<終わりに>
  日本の持つ特性(日本的であること)への信頼・回帰こそが求められている。

わが国の政治課題と政局の展望

市民向け教養講演レジメ(2013年)

 <始めに>
アベノミクス・・・経済に絞った安倍政権・・・がむしゃらに飛ばした
① 金融緩和
② 財政出動
③ 成長戦略
1 参院選挙まで吹かしに吹かした「経済」に絞った運営
2 野党が自滅し信任投票色の参院選挙
3 人口減少・・・活力
4 成長政策・・・身を切る決断ができるか
(1)農地法・・・TPPでの米例外化
 (2)混合診療
 (3)発送電分離
 (4)幼保一元化
5 エネルギー政策
6 財政再建:消費増税・法人減税
7 教育の国際競争力:語学・発信力
8 都市の特区:容積率・日照権
 地方の活性化:コンパクト化
9 国際戦略:特に米中との関係・・・21世紀は米国と中国にかかっている
10 自己責任という覚悟
<終わりに>
① 政治人材育成
② 負担増への覚悟
③ 国民の見る目は養えるか:PRに乗せられやすい国民 

参考情報

激動の内外情勢をどう読むか~問われる経営者の姿勢~

市民向け教養講演レジメ(2013年2月)

                            
<総論>
Ⅰ 国際情勢混迷の背景
(1)成熟した民主主義国家の相対的力量の低下・・・支援余力低下
   特にアメリカの世界の警察官としての役割遂行力の低下
(2)発展途上国の経済成長・矛盾拡大
     ①独裁・・・格差拡大・・・不満拡大
     ②情報革命・・・焦り
  (3)現状を変えたい中国とイスラム諸国
 Ⅱ デフレは脱出できるのか
(1) 最後のチャンス・アベノミクス・・・失敗に学んだ首相に期待
成長戦略・・・技術勝負
脱デフレは市場の期待を経営に生かす決断にかかる
(2)デフレファイター黒田総裁・・・真の金融のプロ
    発信力抜群(巧みな想定外) 冷静な議論好き  根回し力  タフさ
(3)TPPへの積極的対応
攻めの発想を失ってはならない
消える農協
(4)様々な乱気流・・・経営者の資質としての危機対応力
   ミニ資産バブル&崩落も
(5)真の課題は、「人口減少下の高齢社会」負担に如何に対処するか。
問われる日本人の生き方。民主主義制度下で適切な決断ができるのか?

<各論>注目すべき国際情勢
1 中国の高揚感と格差拡大・・・正当性への自信のなさ
  大国願望・勢力塗り替え願望・・・爆食(資源・食糧)
  しのびよる高齢化社会への不安感・・・貧困のまま高齢化社会に
対日戦争での勝利
  豊かさの保障・・・格差拡大による不満の拡大・・・アリ族・ネズミ族
  情報統制の限界・焦り・・・政治改革への恐怖(自信のなさ)
  ナショナリズム(愛国感情)への依存・・・偉大な中華復興
  挑発は避けるしたたかさ・知恵    
2 イスラム諸国の怨念(キリスト教など異教徒・欧米)
  欧米による搾取・貧困・人口爆発・失業増大という現実
  独裁・既得権益層の利益独占という壁
3 印度/ASEAN/豪・加など・・・バイ・マルチ様々に駆使
  中国と米国のいずれとの対立局面へ備えという戦略・葉いい配意欠かせない  
4 朝鮮半島
  歴史(民族感情)を踏まえた対応
  竹島・独島の聖地化・北の白頭山と並ぶシンボルに
5 国際主義(国際的枠組み・多国間対応)・・・欧米・特にアメリカとの協調
遠交近攻・・・多角化・リスク分散(チャイナ・プラス・ワン)
  ロシアの取り込み(補完関係構築のメリット)

<結論>
経営者に求められるもの
   1  複眼性~鳥の目と虫の目
   2  ITへの感度・積極的活用
   3  印度・アフリカ・イスラム圏への展望
   4 戦略的発想・リスクマインド
   5 折れない・しなやかな(したたかな)対応 
   6 現実主義・情報立国


参考情報1~国際関係
1 解決困難な紛争・・・イスラエル(パレスチナ)・シリア・アフリカ(ソマリアなど)
  尖閣問題の日中も
・・・「日本の施政権を一方的に害するいかなる行為にも反対する(米クリントン国務長官1・18日中外相会談)と言い切る。
        ・・・過去の植民地遺憾との村山談話否定遺憾、安倍談話警戒(訪中団に唐家せん元国務委員)  
2 核の拡散・・・イラン・北朝鮮(3回目濃縮ウラン型?米グアムにB2戦略爆撃機2機)
3 水資源・・・アラブ・アフリカ・・・中国
4 環境・・・都市化進展 ・・・膨大な中国公害の付け
5 中国:情報めぐり規制戦争状態
   *中国版ツィッター「微博」登録者3億人超
当局の監視下140字のつぶやき(ネット利用者5億6千万人超の55%)
   *億単位は当局も対応難しく              
6 企業が自己変革を通じて時代に適応するのが資本主義の強み
    *政府は淘汰をじゃましてはならない(企業重視は個々の企業保護ではない)
    *国の介入を抑え、経営改革や新事業、新技術を促す・・・基本の重視
7 アメリカの孤立主義傾向には要警戒
   アジア中心にプレゼンス維持・拡大へのインセンティブ要刺激

参考情報2~国内政治
         参院選挙後の政治・政局展望
            ~指導者育成システムの欠陥~
始めに
①  必至の政界再編・・・あいまいな対立軸
           福祉立国(弱者に優しい大きな政府)・構造改革(小さな政府)
           憲法改正・護憲
重要政策:消費増税、TPP、エネルギー政策(原発)など
② 二大政党・・・選挙制度いじり(小選挙区、中選挙区)
          欠かせない国民の成熟
③ 参院の存在意義・・・衆院と同質でいいのか? 
  * 先送りになりがちな民主制という欠陥・・・されど独裁に勝る
1 何によって豊かさを求めるのか・・・経済展望踏まえた戦略を競え
   仕事の提供
   国際社会との競争を放棄できない
   既存産業・企業の保護では革新できない
   新規産業・企業のチャレンジを促す政策を
2 基本政策・・・特に安保・外交での認識欠かせない政党
   TPPは単なる経済戦略だけではない
   TPPに反対するなら・・・代替戦略多角的FTA戦略
3 同上・・・エネルギー、経済戦略
   現実的な展望を踏まえた政策でなくてはならない
4 維新(橋本)の動向が焦点・・・第3勢力の協調が前提
   橋本自身が立候補しなければ党勢拡大に弾みがつかない
5 民主党が息吹き返すか
  労組依存の限界・再分裂(離党)の可能性
  「共生社会めざす」と言うが、無党派・中道・中間層の支持得られるか
6 安倍自民がどこと組むか・・・憲法改正への展望
  吹かしに吹かして臨む作戦・決める政治への期待(かぜ)
野田前首相の取り込み・・・秋以降の政局の芽
  麻生/谷垣も意欲
7 人材養成は教育から
  エリート選抜のあり方  
終わりに
 いずれにしても過渡期
  求められるリーダー養成・・・払底する政界人材

参考情報3
1 若手政治家の育成を
     注目:小泉進次郎青年局長(31)・・・若手代表として存在感
           *青年局45歳以下の党員  *国会議員82人 
        城内実外務政務官(47)・・・アルジェリアで存在感
           *優勢民営化で反旗/刺客に破れ浪人4年間・民主自民破り無所属で当選・12年5月復党
2 教育制度改革・・・東大9月入学、英語原則の国際教養大学(秋田)中島学長の奮闘
3 橋本の安倍と組む可能性 ・・・考え方・相性は悪くない
4 参院選:山口補選勝利の結果自公63で過半数に(公明10、自民53で)。
アベノミクスへの期待・「決める政治」期待で有望
維新・みんな・・・1~3人区で協力
  民主・・・2~4人区で複数候補立てず。<支持率低迷・危機感 
5 孤立深める小沢「生活の党」(衆院7、参院8、代表森裕子)・・・橋本・石原は嫌い。民主はスリ寄りへの警戒(分裂含み)。
  *小沢の担いだ海江田万里民主代表だが
  *小沢民主党代表時代の役員室長細野剛志幹事長ですら「(連携は)簡単ではない」と言い切った(1・21)。
6 野田前首相:要注目 *国民の立場に立った決断(社会保障と税の一体改革・解散)
7 生活代表小沢:見えぬ政権奪還戦略<結党大会(1・25)出席国会議員15人のみ
 *中学卒業まで子供1人当たり31万2千円の手当」明記・・・民主との連携も無理に
 *連携の相手なし状態 
8 内閣支持率68%に上昇、金融緩和姿勢好感(日経1・25~27)
 *自民支持率(2月末)独走の50%。野党は民主8%、維新7%、みんな4%と低迷
9 自民で派閥・囲い込みの芽・・・安倍、石破、谷垣
10 円安・株高など見える実績。民主の政権復、活期待せず・・・8割弱。(2月末)            

秋葉原連続殺傷事件を巡って~プライバシー保護と監視社会化の間~

市民向け治安関係に関する講演レジメ(2011年2月)

                 
はじめに
  刑法犯認知件数8年連続減少中(2010年158万件、昭和62年レベルに回復)
  体感治安改善せず(特異犯罪の時代?)

1 やまない無差別(通り魔的)事件・・・暴走の印象
  08年
    1月5日、品川区商店街で高2男子、包丁で男女5人切りつけ
    3月23日、土浦市で男女8人が男に刺され1人死亡、7人ケガ
    6月8日、秋葉原の歩行者天国に男がトラックで突っ込み通行人をはねて次々にナイフで刺し、7人死亡、10人ケガ<進学高校・派遣労働問題
  10年
    12月17日、取手駅前路線バスでの中高生ら14人包丁・ナイフで切りつけ
<27歳男子「人生終わりにしたかった」、職を転々(包丁買ったのは1年前に会社辞めた時期)、ひきこもり<覚せい剤反応あり(心神耗弱?)
1月4日、土浦ホームセンター駐車場で包丁切り付け男<ひきこもり

2 ホコ天2年7ヶ月ぶり試験的に再開(11・1・23~日曜日毎)
  区、町内会、商店会など運営委員会、「風紀乱す行為許さぬ」・・・路上でのパフォーマンス、物品販売など一切禁止。ホコ天と車道の境は工事現場で使われるバリケード設置。
  反対してきた地元町内会は「治安の維持を第一に」と要望
  *運営委員会は約50台の監視カメラ設置
  *町内会は防犯カメラ16台管理運用
  *加藤智大被告(28)、死刑求刑、判決(3・24)
    <自分を無視した者に対し自分の存在をアピールし、復讐するため(検察動機)

3 ひきこもり・・・様々な推定数値:26万世帯、6箇月以上ほとんど家から出ていない人推定70万人(内閣府15~39歳)・・・半数30代(高齢化)
(1)社会に原因か・・・職場問題、病気、就職活動の失敗など
(2)精神障害か・・・多くの場合何らかの精神障害が伴っている
  *「妄想性障害」・・・中大教授殺害事件など「心神耗弱」責任能力の有無
4 警察の役割・・・任務拡大に死角はないか

終わりに  若者に夢を与えられない社会では将来が心配だ
<参考情報>

1 監視社会化でいいのか   
* 街に溢れるカメラ

2 ひきこもり傾向の者(予備軍)155万人
     * 3大原因・・・職場問題、病気、就職での失敗
  日本人新人社員、海外で働きたくないとする者5割(09年)
     ①リスク高い②能力に自信ない
  *主要原因は職場での不適合、就職での失敗・・・自信喪失

3 日本が今より良くなるとする者が半数を超えるのは30年後との回答
  重要な問題①雇用②政治力③経済力
                (11年1月連合調査より)

4 35~39歳男、親と同居する者41.6%(未婚率30.6%)
 * 不況で急速に晩婚化
 若い男性(16~19歳)セックスに関心ないとする者3分の1
  セックスレス夫婦(1ヶ月間関係なし)40%超
           (16~49歳対象の11年1月厚生労働省調査)
*「草食化」裏づけ?

5 ベネチアの「守旧的性格」
  冒険避け、過去の蓄積で生活を享受しようとの消極的傾向。
  生活水準維持するためか貴族男性の未婚率60%にも。

6 人口の自然減、初の10万人超(2010年)
  出生数107万人、死亡数119万人

7 死刑の永山基準(最高裁83年)
  事実上の死刑選択の基準として用いられている。
  ①罪責②動機③犯行態様、特に残虐性、執拗性④結果の重大性、特に被害者数⑤遺族の被害感情⑥社会的影響⑦被告の年齢⑧前科⑨犯行後の情状
  以上9項目を総合的に判断して、刑事責任が極めて重く、やむを得ない場合は極刑も許される。

                           2011年4月13日資料
              
 裁判員裁判について
               ~制度見直し論議~

始めに
   安全安心を担う国民・・・肯定的に受け止める経験者
捜査関係機関への刺激

1 供述調書重視(調書中心主義)から証言重視(公判中心主義)
     物証など客観的証拠重視/取調べの比重軽くする.
* 供述と異なる調書作成指示あったとする検事46%。(全検事対象意識調査)
<不適切取調べ横行

2 捜査の要諦・・・引き返す勇気・・・綿密に捜査し慎重に起訴

3 可視化 ・・・求められる現実踏まえた複眼思考
     録音・録画の長短

4 ケーススタディー(1)子供対象の性犯罪者
     過去5年間の出所者(13歳未満の子供への強制わいせつ、強姦など暴力的性犯罪者)740人対象の調査結果
           105人再検挙
           200人行方不明
    * 2010年強制わいせつ事件7028件(警察庁刑法犯認知件数より)
    * 性犯罪者やDV加害者にGPS常時携帯義務付け、警察が監視条例検討(宮城県、1月)
      韓国、米国などで実施している。

5 ケーススタディー(2)連続リンチ元少年3人死刑確定(最高裁3.10)少年法?

6 警察官の問題点
     人材供給。教育・養成に要する時間。
     萎縮効果招く側面。

終わりに・・・成熟した国民への信頼
参考情報
1 実施状況(09年5月21日施行~10年3月まで)
   判決言い渡し・・・合計444人
          強盗致傷115人、殺人100人、覚せい剤取締法違反47人など
自白324人、否認120人
実審理期間平均5.5日
平均開廷回数3.5回
裁判員経験者のアンケート調査結果・・・審理内容が分かりやすかった70.9%
  経験してよかった96.7%

2 検察特捜部問題・・・厚生労働省村木局長に対する見込み捜査(10年)
            隠蔽体質?
3 オウムに対する捜査遅れの反省・・・批判を恐れ対応が遅れた警察
            タブー視された(宗教という)存在の盲点
           <手足縛る結果になった。<ブレーキとアクセルのバランス。

4 足利事件(再審無罪)の問題点・・・初動捜査高度化・証拠収集強化

5 犯罪の追跡可能性の拡充
(1)自動車ナンバー自動読み取りシステム
(2)携帯電話通話履歴(解析)
(3)防犯カメラ(画像保存期間)の有効活用

6 犯罪被害者支援施策
   一層拡充させる必要

7 任意取調べ30代男性会社員に「人生むちゃくちゃに」暴言大阪府警部補(34)
起訴事実認める:脅迫罪初公判(2・21) 東署取調室や車内で。録音。3時間の取調べの冒頭わずか?

8 少年法
  山口県光市母子殺害事件被告(犯行時18歳)死刑
  
9 死刑適用の永山基準(83年最高裁)
① 性質②動機③態様④被害者数⑤被害感情⑥社会的影響⑦年齢⑧前科⑨犯行後の情状

                            年月日資料
             秘密漏洩罪
~ネット上の公開は正義か?~

始めに
   IT技術の進歩という構造変化
   対応遅れる企業&当局

1 民間告発サイト・ウイキリークスによる米公電漏洩
    25万点ということの意味・・・無差別漏洩
    陸軍マニング上等兵による流出行為
    主宰者アサンジ容疑者の逮捕(12・6)・・・元ハッカー
    もともと開かれた社会米国では謝罪で済むも、閉鎖社会の中国やロシアでは
    体制崩壊にもつながりかねない<警戒心が強い。大勢避難の声を徹底的に取り締まる。

2 海保職員の尖閣沖衝突映像の漏洩・・・逮捕せずに任意捜査(10・11)・起訴猶予(11・1)
    実質秘か?国民の支持配慮。
    官房長官(仙石)の批判。

3 警視庁外事3課情報漏洩
    情報収集の為に警察官になるという存在を前提とした情報管理
    秘密保持の難しさ

4 ツイッター革命(チュニジア政府崩壊11年1月)・・・民主主義への希望 
    ネットでの焼身自殺映像
    報道規制・情報管理のできにくい時代<情報を公開させる有力な武器   
  *開発独裁国家の民主化促す

5 ソニーゲーム個人情報1億人超流出(11・5判明)
    1人最大100万ドル(8千万円)補償

終わりに

<参考>

1 国家公務員の守秘義務(国家公務員法100条1項)・・・1年以下の懲役または50万円以下の罰金
  地方公務員の守秘義務(地方公務員法34条1項)・・・1年以下または3万円以下の罰金

2 秘密・・・形式的指定かつ非公知の事実で実質的にも秘密として保護するに値すると認められたもの(最決昭和52・12・19)

3 尖閣映像流出「日本や世界になにが起きているか知ってもらいたかった。国民の一人として日本の将来考え、子供達のためにもやった」(2・9)国会内での議員連盟創生日本会合での発言(非公開)。

 現代の若者論~息切れしている社会のあり方~

大卒の就活に関する講演依頼に応じての講演の一つで使用したレジメです(2012年時点)。
 
 状況分析
1 就職ミスマッチ
  就職3年前後の37%が「昇進いや」
  いつまで働きたいか・・・「転職できる実力がつくまで」が約3割で定年まで(19%)を上回る終身雇用イメージは2割どまり。
  44%が学生に戻れるならもう一度就職活動したい。(一般社団法人・日本経営協会調査12・6時点、日経12・8・13)  
<就職前のイメージと現実の違いが転職願望強め、昇進意欲を低下させている。
<参考情報>
* 日本生産性本部調査:12年入社新入社員対象調査では「今の会社に一生勤めたい」6割超で過去最高だった。<就職時点と3年経過時点のギャップか?
2 20年超の停滞はなぜ?
  20年間でGDPはマイナス1.7%、企業物価はマイナス6.7%
家電業界をはじめ戦略の誤りが多いのはなぜだ(価格競争の消耗戦)?需要を創出するような画期的な商品が無い。経営者の怠慢では。
 ITなどの新技術使用した製品開発では米国がリード。ベンチャーのアイデアを取り入れる力が日本は低いのでは(ベンチャー買収)。
 リスクが高いと尻込みしがちな日本経営者。大胆な改革が期待される。
3 日本型雇用慣行の重要性の低下(最近20年余りの変化)
日本型雇用慣行:長期雇用、年功賃金、企業別労働組合・・・徐々に特長弱めてきた。
     戦前に起源、高度経済成長期にピーク。新技術導入に欠かせなかった技術者の企業内育成(労働者の自社育成:転職は不向きとの烙印)。
雇用労働者の平均勤続年数の短期化
非正社員の増加:雇用労働者の15%(84年)から34%(10年)
   日本型雇用慣行の枠外にある非正社員への職業訓練機会提供は低調に。
   非正社員は新規参入者(若者)に増えた。
年功賃金:特に40歳以上の中高年層でのフラット化
4 全入時代の大学のあり方(就職指導)
  進学率50.8%(2012年)に上昇しかつ、ほぼ全入という時代に大学教育が適合できていない?毎年55万人程が卒業。<戦前5%、85年でも26.5%
  <従業員1000人以上の大企業の採用数(2012年)約15万人
 <インターネットが就職活動激化に拍車。コピーすれば何社でも受けられる?

提案
(1) 多様な働き方・生き方を可能にする社会に
   レールに縛られないで生き生きと生きられる社会
   *40歳定年:新たな社会に合った再学習&転職
(2) アニメやコミックでの日本人気の根強さ
*「ソフトパワー」の活用に活路が無いか?
(3) 非正社員の増加を前提とする制度設計が必要に
   *垣根を低くし、中途採用促進への法改正を。 

参考情報
(1)供給過剰の大学生:進学率50.8%(2011年)、卒業生55万人
  戦前の5%、85年の26.5%(37万人)
(2)就職活動経験者の7人に1人はうつ状態(不安と不信に満ちた状態)
  なんとなく将来への不安感情が子供にも増加。
(3)入社3年内:教育・学習支援業や飲食業、若者48%離職。大卒28%、高卒35%(厚生労働省12・10・31)。
(4)静かで内にこもる傾向の子供が増えている。<外で遊ばない。ゲームおたく。
  居場所はネット空間。<アイテム代金盗み、他人のID借り、不登校にも。
(5)米国留学11~12学年度大学大学院在籍日本人前年度比6%減(7年連続減、2万人切れ)、中国人23%増(10~11学年度にインドを越えて以来大幅増加で1位に定着、約19万4千人)


  

東日本大震災の教訓~日本人の生き方への影響~

始めに:①持久力の無さ②忘れ易さ(忘れたい)③感性の民④現実直視⑤声なき声
1 想定外・・・危機管理の原点は想定外への対応
津波:各自の記憶に縛られ過信してはならない。過信・思い込みというリスク。
地震学自体が未熟な学問に過ぎない。
(岩手県宮古市田老地区日本一10M防波堤)・・・海溝型地震の震源断層モデルは過去の被害状況から、平均的姿を割り出したもの(に過ぎない)。津波はそのモデルに沿って計算したもの。
   <電信柱を越え、4階まで津波が襲った。<自治体庁舎、避難所の被災
*「危機管理」ではなく「危機対応」という受け止め
2 津波・・・地震から9分後(相馬市)の襲来も(既存の想定超す早さ)
(1) 釜石沖、7回観測(沖合い20キロ波浪計)・・・最大高第1波(3時1分から)の6.7M沿岸2~3倍に(国交省)
(2)1波(3時50分)<2波(4時30分)<3波(5時20分)・・・千葉県旭市を襲った(飯岡)津波<家に帰った人が飲み込まれた。<マニュアルは一応の参考資料に過ぎない。<求められる当意即妙な対応
  *茨城県大洗町防災無線で繰り返し「家に帰らないで」との呼びかけ。犠牲者なし。
(3)指定の避難所、市役所などでの被災・・・想定の甘さ。繰り返してはならない教訓。
3 福島原発事故・・・最悪のレベル7(チェルノブイリクラス)<エネルギー源論争へ
4 情報が来ない地点がある・・・「情報は取りに行く」・「正しい情報」(流言飛語)
5 液状化・・・4200ha(世界最大)。浦安市など(電柱傾き、配管アウト断水など)
6 広域災害・・・備蓄の必要性・・・「悲観的に備え・楽観的院対処」
7 帰宅難民・・・家族間の約束(安否確認方法)・むやみに帰宅しない(状況判断)
8 天井崩落(九段会館など)・・・急所を守る(頭と胸部)
  長周期地震動(都庁エレベーターすべて停止など)・・・高層ビル、家具の制振
9 生き方を考えさせられ・・・どう変わるか?絆の再生へと向かえるか?平凡な日常的な暮らし(無病息災)の幸せへの気づき・・・人生観の見直し(結婚観)の兆し?一過性?
10 自然との調和(折り合って生きる)~柔軟思考(危機管理は民族共有の知恵に)
死生観への変化(朝は元気でも夕に死ぬ)持たない暮らし<日本再生へのきっかけに

終わりに:犠牲者の声なき声を聞こう(命は自ら守る)、気力体力&冷静さ(楽観的に)
     過去の被災状況・・・浪分神社(仙台市貞観津波)、三陸各地の言い伝え(碑文)
参考情報
(1)関東大震災(1923年)、安政東海地震(1854年)、安政江戸地震(1855年直下型)
(2)今後5年は地震活動活発期*貞観地震(869年)前後数年間に富士山・鳥海山噴火
(3)東北新幹線18本(熱海以東88本)停止、女川原発(地震被災なし)
(4)余震:仙台市6強(4・7)・・・スマトラ沖3ヵ月後
   東通・女川原発で核燃料プール一時冷却停止(綱渡り状態続く)
福島第一:冷却維持綱渡り、電源の多様化急務、情報公開のあり方
(5)長期地震動・・・都庁エレベーター全部停止、大阪でもユッサリした揺れ
(6)東海と東南海・南海の連動発生・・・不思議ではない(判定会会長3・28)
    「東海地震に直ちに結びつくような変化は観測データにはない」(同上)
(7)救援格差・・・相馬市など
(8)液状化(浦安市85%など)、九段会館ホール天井崩落(震度5強で)
(9)計画停電
   暮らし方自体の見直しも・・・「控えめ消費」・・・「安全」「ムダ省き」も追求
   <節約・低価格志向(価格に見合った品質で気にならない、納得の中身変化)
   夏の需給対策:家庭15~20%目標、電力制限大口25%(政府基本方針4・8)
(10)政治家の危機管理能力
(11)情報発信・・・風評被害
(12)部品供給網6~7月復活。今年度プラス成長維持(日銀総裁見通し4・7)
    日本の11年輸出最大1.6%押し下げ。貿易黒字縮小も(WTO4・7)
    レジャー4割「客足半減」(自粛西日本でも)・・・回復秋以降6割超える
(13)軽い総理発言(「20年住めない」対松本健一内閣官房参与4・13)
(14)広域災害想定した事業継続計画の用意
東北新幹線全通(4・29、49日目)
    ホンダ国内生産62.3%減(3月、前年同月比)
部品供給網(サプライチェーン寸断の影響)国内生産減少4月連続
   電力需要(速報10社合計)3月1.4%減、東電・産業用大口は17%減
   *原材料サプライチェーンの乱れ:日本製紙石巻工場、半導体や電子部品不足深刻
   *トヨタ「ジャスト・イン・タイム」方式:部品が止まるとすぐ生産中止(弱点)
       リーマンショック(08年)コスト削減から調達咲き絞り込んだツケも
(15)7~10日後に再開したスーパー。3時間並んで「1人3品まで」状態:備蓄の再考
(16)略奪もあれば、火事場泥棒も起きるという現実
(17)結婚観の変化:晩婚化・未婚化30~34歳男性ほぼ半数に。
  「生涯未婚率」男性19.4%、女性9.8%(45~50、50~54歳の未婚率平均)
  <日常的、平凡さの幸せ。婚活(一過性?)
(18)震災前から17ポイント増加「自宅に水・食糧備蓄78%に」(民間調査)
プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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