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夏山での低体温症への警鐘

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  中央アルプスでの韓国人登山者20人の遭難事故(7月30日)は、安易な夏山登山への警鐘としなければならない。
  夏山でも、悪天候時に低体温症になって死亡することもある。雨や風を防ぐ万全の備えが欠かせない。特に防水性の高い雨具は欠かせない(吹きさらしの尾根などでは、濡れないだけでなく、風を通さないため低体温症を防ぐ効果が大きい)。今回の韓国人登山者は同行ガイドを伴っていなかった。天候の変化は予測が難しく、現地にあわせての的確な判断が求められる高山への登山では慣れたガイドを着けることが望ましい。
  2009年7月、北海道・トムラウシ山で遭難した8人の死因も低体温症による凍死だった。低体温症は体内温度が低下、全身の機能が低下しておきる。錯乱状態になることもあり。28度以下になると死亡することもある。
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緊迫の欧米へのエジプトの必死の工作~高まる中東全体不安定化への連鎖懸念~

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  連夜、多数の死傷者が伝えられ切迫するエジプト情勢は周辺諸国への不安定化の連鎖が懸念されている。欧米諸国は懸念を強めて収集への必死の働きかけが展開されている。
  17日に続き29日にも、EUアシュトン外交安全保障上級代表がエジプトを訪問し、暫定政府とイスラム同胞団の双方に、暴力でなく対話による事態の収拾を要請している。EUはエジプトに対して65億ドルの支援を表明した。
  EUに歩調を合わせる米国は、15日にバーンズ国務副長官がカイロを訪問、年間15億ドルの軍事支援の継続意向を示した模様。

国家による個人情報収集のあり方~情報機関の活動を巡る法制~

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  国家は様々な目的のため個人情報を収集する必要性がある。要は、どういう目的でどのような範囲の情報収集を可能とするのかということだ。また、情報活動には、プライバシー保護との調整という問題がある。また、情報公開のあり方にも制約がある。
  実は、情報機関以外でも情報収集は欠かせない。たとえば、捜査機関は犯罪情報を収集し、税務機関は税に関する情報収集をしているのは当然だ。それらの情報収集の目的は、おのずと任務の趣旨に沿って限定される。
  情報収集には、情報の性質上、情報源の秘匿が欠かせない。情報提供者を守らなければ、その後の情報提供はされなくなる可能性が高いからだ。情報機関の場合も事情は同じで、その要請は格段に高い。
  こうした要請の中に、プライバシーの保護や情報公開との間に、情報活動には隠蔽されがちな、要因が潜んでいる。情報活動に伴うこれらの秘匿性の要請は、国家による情報活動が不正利用される可能性を排除し切れないところとなっている。
  情報機関がインターネット上などで個人情報を収集する上で、米国では、テロ防止に加えてサイバー対策を、個人情報収集の目的として掲げている。
  米議会は、民間企業から政府への情報提供や民間企業同士での情報共有をしやすくする法案を作成しようとしている。
政府の機密情報の提供先については、2013年2月に、これまで軍需企業に限っていたものを重要インフラ企業にも広げる大統領令にオバマ大統領が署名した。
こうしたことが議論されているだけ、アメリカ民主主義は健全といえる。多く国では、暗黙のうちに必要な情報収集をしているということだ。

感情の渦に呑み込まれる韓国~冷静に、他人の振り見て我が振り正したい~

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  韓国出身の評論家呉善花氏(日本国籍)が、7月27日、韓国への入国が拒否され日本に引き換えしていたことが各紙に報じられている。
   思想信条を理由とした入国拒否としか思われないが、きわめて異例の措置で、国際的にもその異常さが注目されることになろう。

   事案はいたって簡明だ。呉氏が、ソウルで行われる親族の結婚式に出席するための韓国・仁川空港に着いた際に、「上からの命令」という理由で入国が拒否されたというもの。呉氏によると「出入国管理法76条の規定により」と記された書類を渡された。同法は韓国の安全や社会秩序を害する恐れのある外国人の入国禁止について定めている。
別室で1時間半あまりパスポートなどの詳細な確認が行われた後の、不許可言い渡しだったということから、入国拒否者リスト(いわゆるブラックリスト)に搭載されていたものと推測される。
   韓国メディアは、例えば朝鮮日報が、呉氏が「ハングル優先政策が世代間の文化の断絶を起こした。これが韓国人のノーベル賞を受賞できない理由だ」などと韓国文化をおとしめているなどと非難、「韓国を卑下して日本を美化」する「親日・反韓国女性評論家」などといったトーンの強い批判を掲載した(7月28日、朝鮮日報電子版)。
   なお、呉氏について、4月末に安部首相と会食した際にも韓国で批判的に報道されていた。
  思想信条が理由の民間人の入国拒否はきわめて異常。しかし、そうした判断となる韓国のお国柄を、冷静にわが身の反省材料として受け止めたいものだ。国家・国民感情というものは、時に、理性を奪われての暴走をしがちなものということを。

岐路に立つエジプト情勢~一両日が最大の山場~

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  カイロ郊外で26日深夜内務省治安部隊によるムルシ前大統領支持派デモ隊に対する第一派攻撃で多数の死傷者が出たと報じられた。内務省は48時間以内の撤退期限を設定してデモの沈静化を目指している。
デモ隊を動員しムルシ前大統領の復権を目指すイスラム同胞団はシャヒード(殉教者)作戦によりシーシー軍総司令官(第一副首相兼国防相)に対する国際社会の避難の高まりや国民の軍離れに期待している。
軍と同胞団との間で48時間以内に何らかの妥協がならなければエジプトは取り返しの出来ない大混乱に陥る可能性が高い。48時間の期限切れ後内務省はイスラム同胞団への本格的弾圧に踏み切ることは必至な情勢にある。

求められる野党各党の解党的出直し~野党政治家は大局観を持って結集せよ~

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  連日の菅元首相の処罰を巡っての民主党内の争いほど国民を白けさせものはない。大方の国民にすれば、いずれ消えてなくなるどうでもいい政党のコップの中の争いは好きなだけやってくれということだろう。
政権担当を争うほどの志を持っている政治家なら、大同団結して、自民党に対抗できる政党を作りそこに結集するしかないのは明らか。
安倍首相の自民党は保守色が強いということであってみれば、交代を目指す政党は、誰が見てもリベラル・中道政党ということになる。そうした大局観の下に、できるだけ多くの人々が結集することだ。
それぞれのお山の大将遊びではない。単に自我を主張したいだけのどうでもいいお山の大将気取りの党首や党代表などは、早晩消えていく運命が待っているだけだ。一人一人の野党政治家にはそれぞれ自らの大局的な政治信念に基づく決起を期待したい。

CIA元職員の明らした情報戦の現実~情報機関の実力を磨け~

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 日経新聞秋田浩之編集委員の本日(7月27日2面)の記事(「情報戦 同盟にも仁義なく」CIA元職員の暴露事件が映す内幕)をぜひ読んでほしい。情報に携わっている人にとっては特に目新しいことではないだろうが、一般の多くの人々にとっては、改めて同盟というものの本質を理解する上で有益と思われる。
要旨は「米国にとって真の同盟国といえるのは、英国、カナダ、ニュージーランド、オーストラリアのアングロサクソンの血を引く英連邦4か国だけ」ということだ。
情報は軍事と一体の関係にあり、同盟の本質をなしている。我が国が独自の情報機関を持ち、世界の情報機関から一目置かれる分野を持たなければならないという主張にも同意する。 

米起訴ハッカー5人の犯行事実に注目したい~問われる情報漏えいによる被害防止~

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 米司法当局が7月25日起訴したロシア人ら5人の犯行被害・状況や裁判の行方に注目したい。
報じられている犯行内容は、欧米大企業のコンピューターネットワークに侵入、1億6千万を超えるクレジットカード番号などを盗んだというもの。被害は数億ドル規模で米国史上最大のハッキング事件。 犯行期間は2005年から2012年まで続いた。被害規模や企業の数はさらに増える見込みとも。
   判明している被害企業は、証券取引所のナスダックOMXグループ、大手百貨店のJCペニー、コンビニエンスストアのセブンイレブン、航空会社のジェットブルー、仏大手小売りのカルフールなど。クレジット決済業務の会社も被害にあった。判明しているだけで10社以上の大手企業が個人情報を盗まれていた。5人中2人はオランダで身柄が拘束された。残りの3人は依然として逃走中。
   捜査機関の国際的な協力が欠かせない。一層の捜査協力へのさらなる対応を期待したい。また、各企業などによる個人情報などへの、ハッキングによる漏えい防止の対応策の向上が急務だ。
過去最大規模とされる本事件のさらなる解明に注目したい。
 

米下院、NSA監視制限僅差で否決の意味~米国社会の健全性~

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 米国家安全保障極(NSA)の通話記録収集活動を制限する法案が米下院で賛成205、反対217という僅差で否決された(7月24日)。
 米世論が真っ二つに割れていることを象徴した感じ。一般市民を含めた数百万人を収集の対象にしているにプライバシーの侵害とする反発が強まっていることには留意したい。ともかく、情報機関の活動が議会という公式の場で論議される米国民主主義の健全性と評価したい。

中国の裁判は共産党幹部の思惑次第~誰も信頼しない中国司法の特異性~

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  再確認するまでもないかとは思うが、念のため、中国司法は党(権力者)の支配の下にあるということ。
  新華社通信によと、7月25日、元重慶市共産党委員会書記薄き来(元政治局員)は、収賄、横領、職権乱用の罪で起訴された。近く無期懲役から懲役15年の判決が予想されている。

  事前に、党の長老や政治局常務委員クラスの党幹部には説明がなされ、了解を経ての裁判ということだ。起訴も量刑も事前に了解を取り付けているというお国柄。

  なお、昨年春、党最高幹部入りを狙っていた薄氏は、当時の胡錦濤国家主席や温家宝首相との政争に敗れた。もし、その政争に薄氏が勝利していたらどうだったろうか。薄氏自身の今回起訴された収賄、横領、職権乱用は勿論、妻による英国人実業家殺害(2011年11月)も、表ざたになることはなかった(当然ながら裁かれることもなかった)。

 中国人が裁判を最も信頼できないものとしていることは、こうした背景の故である。

 北朝鮮の現在進行形歴史捏造に留意

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朝鮮戦争の休戦協定締結日である7月27日を「戦勝記念日」というのが北朝鮮の主張だ。今年は戦勝60周年の節目となる。
それを記念して大規模な軍事パレードを準備しているという。中国からは北の招請に応えて、李源潮国家副主席が出席する。中国との関係が冷え込んでいる中、関係改善のために金正恩第一書記に挨拶に来たとして内外にアピールすることだろう。
また新たな歴史の捏造ということだ。歴史はこうした捏造の積み重ねによって構成されている。

 北朝鮮の核保有を容認しようと準備進める中国の方向性に留意

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 中国は、国際社会に向け挑発的行動を繰り返す北朝鮮へ自制を促す一方、北朝鮮が核を放棄することはないという現実的な判断を踏まえ、朝鮮戦争の「休戦協定」から「平和協定」に転換することを米中朝三国で協議するという提案に切り替えようとしている。
例えば、最近の党機関紙人民日報傘下・国際情報紙「環球時報」(電子版)はこうした提案をしている。

    伝統的な中国の法制からみた中国人の法律観

 
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 中国の法律制度の特徴や他の国々との違いを紹介しよう(中国の法制を「中華法系」という)。

以下、特徴を要約する。
1、 倫理秩序の頂点に皇帝を戴き、立法権・司法権は皇帝に帰属する。司法管轄とか審級という概念がない。<重要事件は皇帝の裁可による。
2、重刑と厳刑を原則とし、社会の安定を最高の目的としてきた。<みせしめということ。
3、統治階級内の矛盾の緩和と等級秩序の維持を重んじる結果、ケース・バイ・ケース(「同罪異罰」という)になる。<身分官職で異なる処罰になる。
4、 儒教による「礼」を重んじ、犯罪者の主観的動機を重視してきた。<思想犯・反体制活動防止を重視する。

こうした考えの法制が2000年以上にわたって続いてきた。

  最高権威である皇帝は所詮、天命によって他の王朝に変わられるまでの暫定的権威ということだ。わが国の天皇のように連綿と連なるというものではない。皇帝の権威自体に不安定さが内包されている。

しかも、1911年の辛亥革命によって誕生した中華民国は軍閥と共産党との内戦に終始し、1949年に誕生した中華人民共和国も文化大革命や天安門事件など混乱の時期が長かった。安定した欧米流の法制による統治を経験していないまま今日に至った。

  10年余にわたった文化大革命の大混乱を収束してから制定された75年憲法では、「党の国家への優位」を反復強調、79年以降、鄧小平の主導による改革開放政策を進める中で社会の安定を求め刑法や刑訴法が制定されたが(1979年)そこに規定されている罪刑法定主義は名目だけという状態だった。続く82年憲法、及びその修正が4度行われ今日に至るが、いまだ法律制度の制定過程という状態にある。

  ちなみに刑法第2条は「中華人民共和国刑法の任務は、刑罰をもって全ての犯罪行為と闘争し、もって国家の安全を防衛し、人民民主専政の政権と社会主義制度を防衛し、国有財産と労働者大衆が所有する財産を保護し、公民私人が所有する財産を保護し、公民の人身権利、民主的権利そしてその他の権利を保護し、社会秩序、経済秩序を維持擁護し、社会主義建設事業の順調な進行を保障することである」と規定している。

 国家あっての個人という、国家・「公」優先の考えを繰り返し強調している。中国人社会でのほうによる信頼性は低い。法は自分たちよりも権力者を保護するためのものという感覚が強い。
 中国人が信用できないとする代表が、裁判官、次いで警察官、医者というのだから押して知るべし。

 こうした中国人の感覚の、日本人の感覚との差異を理解しなければ中国社会は理解できない。権威に従順な日本人は「悪法も法なり」といって法律を守ろうとするが、中国人は「上有政策、下有対策」ということで、権威に対する信頼性がない。日本人と中国人の権威に対する感覚はあべこべなのだ。

中国流権力闘争の現状~中国情報をどのように読むべきか~

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中国検察当局は7月23日、元重慶市トップだった薄き来氏を近く収賄や職権乱用などの容疑で起訴する方針を固め、一部党幹部にすでに説明済みと各紙が伝えている。
江沢民元国家主席が7月3日、上海でキッシンジャー元米国務長官と面談し(上海西郊賓館で夫人同伴)、習国家主席を「非常に有能で知恵がある」と絶賛した。この情報は、中国外務省ウエッブサイトが、関係者の話として伝えたもの(22日)。外務省ウエッブサイトが3週間前の発言をわざわざ伝えるのは異例なことだ。江氏が習主席と連絡を取り合っていることも明かしたとも報じている。
この二つの情報は一見何の関係もないようなのだが、中国情勢を分析する上では、背景にある重要な動きを読まなければならない。
江氏サイドとして、習国家主席への影響力の強さをアピールする必要性を感じている人物がいるということだ。江氏の覚えめでたかった薄氏であったことを考慮すると、薄氏問題で江氏の内諾を得たということと思われる。
薄氏問題にもかかわらず江氏の存在感の大きさを示したということだろう。要するに手打ちができたということだ。
江氏に近い人物への捜査の波及はないということ。びくびくしている関係者には、安心していいというサインでもある。
現在展開している「大衆路線教育実践活動」という政治キャンペーンは、習主席としては薄氏支持者の保守派の反発を和らげたいということだ。同時に、幹部に対しては、安心していいというサインを送ることで自らの基盤を強化したいという意図だろう。
国民の批判を和らげるための「腐敗防止のキャンペーン」は、長期的に継続するが、幹部要人への追及については一定の妥協をしていくということ。前鉄道相への寛容な判決(執行猶予付死刑)も一連の判断結果ということだ。

ネット選挙の可能性に期待~今後への影響は大きい~

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今回の参院選からネット選挙が開始された。候補者サイドは、それぞれが積極的に利用を試みたが、選挙民サイドは限定的な利用にとどまり、全体としては、試行錯誤状態だった。
ビックデータ分析では影響が大きかった。最も有効に使った自民党本部は、50人の専従チームを編成、ブログ、ツイッター、チャットなどのネット情報を対象に、リアルタイムでの分析を実施、全国の候補者に訴えるべきポイントを発信した。たとえばアベノミクスの効果の実感が薄い有権者の多いことをつかむや、それらの有権者への「これから」との訴えを用意するといった具合だ。原発関連の関心が高いことを受けて、首相以下それへの発言を用意した。即座に「専門家の判断を受けて客観的に判断する」「安全基準を満たさなければ再稼働させることはない」など、「安全対策第一」という発言につなげていった。全候補者に情報端末を配布してもいた。各候補者への世論の変化を受けた訴えのポイント発言案の配信は有効だった。
対して、民主党など野党各党は、アベノミクスに対する批判を越えた、代案発信を求めるネット上での有権者の声に対する明確な対応が感じられなかった。これも野党敗因の大きな理由と思われる。
カンに頼る分析から、確かな分析結果に基づく分析へと、情報分析の手法が変わったということだ。政党や候補者のそれらへの機敏な対応が求められる時代になったことは明らかだ。
もちろん、ビックデータに基づく対応がどこまで功を奏したかの分析はさらに専門家の分析に待たなければならない。しかし、リアルタイムでの微妙な変化に自信をもって対応できた効果は少なくないだろう。今後、各党もビックデータの利用を取り入れることは間違いない。
ネット選挙ということで、ネット選挙に特化して運動した候補者(自民党比例区の伊藤洋介候補など)がいたが、思ったように得票が伸びなかった(伊藤候補は目標にした10万票に対して3万7千票)。候補者が期待するほど選挙民のネット運動への反応は高まらなかった。出口調査でのネットを参考にしなかったとした人は86%だった(日経7・22)。ネットを投票行動に与えた影響は、今回の選挙では限定的だった。
樽井良和候補(民主党・比例区)は、ツイッターで「ネット配信での選挙を試みたが結果は(民主党比例区候補中の)最下位、惨敗でほとんど票には結びつかなかった」との感想を呟いていた。
管元首相は自民党比例候補への落選運動を呼びかけたがほとんど効果は見られなかった。
若い世代の選挙への関心を呼ぶのに有効な手段となることは間違いない。しかし、今回はその効果は限定的だったが、若者に身近なネットを通じた選挙への参加は確実に関心を高めていくことを期待したい。大学内でも、多くの学生から政治や選挙を勉強しなければならない・・・という発言が聞かれた。若者をはじめ市民が団体を介さず自らの発信手段を手にした効果は大きいものがあろう。
今回は、候補者の発信は総じて無難なものだったが、今後、経験を積めば有効な発信手段となり、より影響力を強めることになることは間違いない。

蛮勇を奮った経済改革に期待~四方八方配慮の多弁よりまなじりを決した決断を~

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  各紙の社説が揃って安倍首相の逃げない改革への決断を迫っている。国民の期待もそういうことだ。ねじれが解消した今、与党に一切の言い訳はできない。
  成長戦略での指導性発揮が国民の期待の第一だ。国際社会の厳しい目もそこに集まっている。
  今や、さまざまな抵抗勢力との戦いを回避してはならない。参院選までの各団体への配慮は改革への足かせになろう。しかし、安倍首相の決断と獅子奮迅の指導性発揮を期待している。大切なのは、国民に対しての、決断の説明だ。安倍首相は自らの言葉で決断を国民に説明・説得してもらいたい。それこそが長期政権を担う唯一の道だ。

領土を巡る国際関係について~北方領土を中心として~

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  尖閣問題が連日報道され領土問題への関心が高まっている。市民向けの教養講座での領土を巡る国際紛争に関するレジメを紹介したい(2013年7月時点でのもの)。講演では質問を受けてのアドリブを心掛けている。レジメはあくまでも参考までという使い方になる。


 始めに
  国家とは何か・・・近代戦争遂行の単位?
  交渉での領土返還は至難

1 領土とは
  国土は領土・領空・領海からなる<居住実態がないと紛争原因となりえる。時効も。
  海洋権益の基点
    島と岩礁(中国は「沖の鳥島」を島とは認めていない)
<国連海洋法条約での島:自然に形成。高潮でも水没しないことが条件。
2 海洋権益・・・領海を含め世界6位の排他的経済水域(EEZ)
  メタンハイドレート
  レアメタル(希少金属)
3 北方領土(南千島)
  千島樺太交換条約
  日露戦争での南樺太日本への割譲
  ヤルタ・ポツダム体制
  第二次世界大戦の結果得た領土(戦勝国既得権益)
4 日本を揺さぶる「(面積)等分論」・・・経済協力加速への呼び水狙い
  中国やノルウェーとの領土・境界画定での先例は戦勝国として獲得したものではない
5 竹島
  北朝鮮の白頭山と並ぶ韓国の聖地化
  併合されたことによる被害者意識・「侵略過程で起きた歴史問題」(認識)
6 尖閣列島
  清朝時代の最大版図を自国領土とする潜在意識(「古来中国固有の領土」)
7 沖の鳥島(東京都小笠原村):満潮時は環礁の中に1メートル弱の岩2個という状況になる。 海保灯台・保全対策工事(コンクリート防波堤)済み。

終わりに
  隣国の宿命
  紛争の常態化・危機対応(処理装置)

参考情報
1 メタンハイドレート
  日本近海に国内の天然ガス消費量の100年分(推定)存在
  18年度までに生産技術(海洋基本計画・政府素案)
2 レアメタル(希少金属)
  コバルト、マンガンなど。
  南鳥島沖など。
3 フォークランド紛争
  探検家による発見を根拠にした英国とアルゼンチンが武力行使(82年)で争う。
  英国の実効支配下にある。
4 ヤルタ会談(45・2・4~11クリミア半島ヤルタで第2次大戦処理を巡る会談)
  極東密約で千島・樺太をソ連領に約束。米はルーズベルト個人の文書で公式文書ではないとしている。
5 沖の鳥島:高潮時には2つの小島を残して水没。ドーナツ状の護岸で侵食防止。完全に囲むと島と認められなくなるので水路が開き海水が流れ込む。「沖の島がなくなると、日本の国土より広い役42平方キロメートルのEEZを失う」(国土交通省)「万が一、サンゴの幼生が入って来なくなったり、順調に成長しなくなったりすると島は消滅する」(東大茅根創教授)コンクリートで創った陸地は島とは認められない。自然のサンゴでできている島であり続けられるか?国際社会の目がそこに注がれている。
6 領土に関する中国の主張
  紀元前の漢や春秋時代の書籍など歴史的記述を根拠にした先占利用権。
  権利関係を2国間の調整で解決。
 <多国間の国際法と国際秩序を重んじるという周辺諸国と緊張関係が深刻となっている。
  例:フィリピンなどは、EEZ(200カイリ排他的経済水域)を定めたNCLOS(国連海洋法規範)などを根拠にしている。
7 人民日報、沖縄県についても「歴史上の懸案であり、未解決の問題だ。改めて議論する時期が来た」「日本が武力併合」と主張する学者の論文を掲載(13・5・8)
 <菅官房長官「全く不見識」と述べる(5・8)
8 人民日報傘下の国際情報紙環球時報社説で「琉球復活組織育成を」提案(5・11)
  その上で「中国は琉球への主張を回復するのではなく、今の琉球の(日本に帰属している)現状を否定できる」「琉球国の復活を目指す組織を中国が育成し支持すべきだ」と強調、「20~30年たてば、中国の実力は強大になる。決して幻想ではない」とけん制した。
9 領土での現状変更(妥協)はそうせざるを得ない喫緊の事情の存在が不可欠の前提だが、ロシアにそれはあるか?
10 ナショナリズムを煽らない配意

わが国の政治課題と政局の展望~自民安倍政権の真価が問われる正念場~

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  参院選挙(2013年7月21日)での自民大勝の結果を受け、政治課題と政局について、市民向けに講演した際に使用したレジメです。講演では、聴衆の反応を見て適宜アドリブを挿入するようにしている。レジメはあくまでも参考という事です。


          <始めに>
アベノミクス・経済に絞った安倍政権が、争点先送り&むしゃらに飛ばした参院勝利
金融緩和
財政出動
成長戦略

1 参院選挙まで吹かしに吹かした「経済」に絞った運営
2 野党が自滅し信任投票色の参院選・・・52.61%3番目に低い投票率(公/共有利)
  *必至の政党再編  *中道リベラルの再結集なるか
3 人口減少・・・活力維持の策は?どの様な国を作るのか?
4 成長政策・・・身を切る決断ができるか
(1)農地法・・・TPPでの米の例外化
 (2)混合診療・・・TPP
 (3)発送電分離
 (4)幼保一元化
(5)規制緩和(官僚の省益)・・・農協・医師会
5 エネルギー政策   原発廃止への覚悟ありや  
6 財政再建:消費増税・法人減税・・・国際的な信頼性に応えられるか
7 教育の国際競争力:語学・発信力
8 都市の特区:容積率・日照権
 地方の活性化:コンパクト化・財政破綻・コンパクト化
9 国際戦略:特に米中との関係・・・21世紀は米国と中国にかかっている
  大上段に振りかざす原則論と実務レベルのウイン・ウインの関係の構築
10 自己責任という覚悟
  負担増と給付減・・・逃げてはならない・3年という絶好の機会
  年金・福祉の切り下げ

<終わりに>
政治人材育成
負担増への覚悟
国民の見る目は養えるか:PRに乗せられやすい国民 
<参考情報>
1 参院選
党利党略でアピール力欠いた民主党

2 自民党内の政策対立軸
(1) 規制緩和を中心とした成長政策重視派(安倍)
財政出動重視派(麻生)

(2) 消費税・延期論
デフレ脱却確認

(3) 財政再建
福祉切り下げ

3 デモ拡大とW杯(ブラジル)
       オリンピック(イスタンブール)

4 尖閣問題
  ナショナリズムに火をつけない知恵
  ネット世論の危うさ

5 自民圧勝に伴う身内との戦い
  岩盤規制:医師会・農協
  投資減税:企業の背中押せるか・法人減税は内部留保増?
  財政健全化:ばら撒きの懸念
  農業改革:TPP(7・23交渉参加)

6 成長戦略追加
  消費税との絡みも

7 憲法改正
  集団的自衛権(内閣法制局:憲法解釈で行使認めず)
  なぜ96条か(3分の2を過半数に)・・・発議要件・国民の直接の決定(3分1の壁)
  本命の9条論議

8 野党再編の動き・・・日本維新・みんな・民主の思惑の絡み

中国のテロ対策に注目~マリPKOに中国軍派遣決定~

            
中国は、近く、国連軍のPKO活動として500人規模の治安部隊をマリに派遣する。実戦を想定した治安部隊としては始めての海外派遣だ。
他国の紛争への軍事介入を否定してきた中国にとっては、大きな政策転換となる。アフリカへの進出を急増させている中国企業の後ろ盾として、自らの軍事力で護ろうという意思表示ということだ。
理由はともかく、国連の活動への参加という大国としての義務を担うことを歓迎したい。
反テロ対策という名目での国内での少数民族への強権発動がさらに強化されることにならないことを注視したい。

いよいよ正念場の安倍首相に期待~勝利は一時、明日からは、全身全霊の奮闘を~

  自民大勝で念願の衆参ねじれが解消されることになった。安倍首相は一切の言い訳を断って、堂々の政権運営に努めることで国民の期待に応えてもらいたい。
安倍首相は、アベノミクスという景気浮揚への期待感を味方につけて、あらゆる難しい争点を避けるという消極戦術で勝利を手にした。民主党をはじめ野党の自滅という状況下、「決められない政治からの脱却」という一点での国民の期待を票に結びつけた。いわば他に選択肢のない中での、安倍首相の自民党に期待するしかないという奇妙な選挙だった。

党内の政権基盤は必ずしも安定していない。内閣改造・党役員人事などでより度量の広い人事配置で盤石な政権運営を目指すべきだ。
政策面での決断では、まずは、10月に求められる消費税の引き上げの決断が第一の関門となる。財政再建への決断を世界に向けて示すためにも予定と通りの来年4月の実施をしなければならない。
問題はリフレ派ブレーンの存在となる。安倍首相の性格からすると近しいブレーンへの傾斜は容易に想像できる。増税は世論の評判は芳しくないだけに、支持率の低下にも関わらずといった、厳しい決断量が問われる。
景気を冷やすことは避けたいため、法人税の引き下げなど、経済界の腰を折らない最大の配意を同時にすべきだ。
消費税の先送りは、麻生財務大臣の反発は必至。自民党内の亀裂も大きくなるものと思われる。それを避け、自民党内を一丸としたものにするためにも、首相は消費税で麻生財務相との対立を選択すべきではない。
その上で、福祉政策、TPP等、より難しい政策面での決断をしていかなければならない。国論を割る憲法はそれらの後でいいのではないか。

野党は解党的出直しをしてもらいたい。政党再編が必至だが、中道リベラルの大同団結を目指してもらいたい。

情報統制の強権強化~現代の中国で通用すると本当に思っているのか~

  習近平指導部の情報統制強化策への傾斜が目立っている。
  大学での授業内容への7項目の禁止通達(「七不講」5月)の異様さは傑出している。「格差に触れてはならない」とは触れなければ問題は解決するというのだろうか。毛沢東批判は禁止しなければならないほど、批判が深刻ということなのか。報道の自由に触れてはならないということはどういうことなのか。いずれもその焦りだけが奇異に思われる通達だ。
  ダライ・ラマ誕生日(7月6日)にチベットの寺院に集まった僧侶たちに向け警察官が発砲し負傷者が出たという。死者も出ているとのラジオ自由アジア(RFA)の情報に関しても、中国は一切報じていない。
  ウイグル自治区での4月、6月の衝突で公式発表ではそれぞれ21人と35人の死者が出たというが、続報がない。
  などなど、情報統制によって詳しい実態や問題の背景が不明な重大事案が相次いでいる。公式発表では民族間の対立という切り口は封印されている。
  また、内モンゴルの人権化活動家ハダ氏とその家族の行方は、15年の刑期を満了し2010年に釈放されて以来かき消されたまま、今日まで依然として不明のままだ。国際社会の関心の高い事案に関しての中国当局の情報統制による抹殺状態が疑念を抱かせるものが多いのだ。
  都合の悪い問題は強権で無視し続ければどうにかなると本当に思っているのだろうか?

パナマに拿捕された北朝鮮船舶から確認できること ~厳格な制裁履行と履行違反阻止~

 キューバから北朝鮮に対空ミサイル部品(たとえば地対空ミサイルSA2の射撃管制用レーダー)など、ほとんどが旧ソ連製1950年代の骨董品的な武器ばかり約240トンほどを輸送中の北朝鮮船舶がパナマに拿捕された(7月15日)。北朝鮮は、合法的な修理契約に基づく「古い武器」の運搬だったと主張(7月17日)、パナマは安保理に武器の調査を依頼した。
  北朝鮮の主張している通りの古い武器の修理目的での輸送だったようだ。その武器を隠すように、砂糖を上部に積み込んでいた。食糧難の折、軍人らへの配給用の砂糖を入手するための武器修理が目的の輸送だっただろう(国連制裁による北朝鮮の困窮度の現状が映し出されている)。
  北朝鮮への軍事物資(武器)の輸送はいかなる理由があろうとも安保理決議に反する。その関連は安保理の北朝鮮制裁委員会が対応するのに任せればいい。
  今回の一連の事案から確認しておくべきことを列記しておきたい。
  第1は、北朝鮮は、国連の制裁をかいくぐって、なんでもやるということだ。武器搬入を図った今回の試みは改めて、制裁を履行させる難しさ、違反阻止への国際社会の協力の必要性を示している。
  第2は、船員が臨検に抵抗、船長がのどをかき切って自殺(入院治療中、容態は安定)を図ったこと。乗員が軍人であるということだ。
  第3に、(シリア寄港の)同船舶から2010年に小型武器と麻薬を積んでいたことが発覚、ウクライナ当局が拿捕したことがある。
  また、北関連の軍事物資輸送事案としては、2012年5月、韓国がシリア向けの中国船から、北朝鮮製とみられるミサイル関連物資の黒鉛シリンダーを押収、圧には日本の
税関も北関連船舶から、核関連物資であるアルミ合金を押収している。

シリア情勢は反政府派の内紛下、むしろ政府軍が息を復活〜泥沼化の様相深める〜

反政府主流派「自由シリア軍」とイスラム過激派(アルカイーダ「イラク、シリア、イスラム国(ISIS)」など)間の戦闘が相次いでいる。特に反政府派支配下北部地域での各勢力モザイク状の縄張り争い、軍閥割拠不法地帯と化している。
近隣産油国、欧米からの反政府派への支援武器は反政府各派の争奪戦の対象化し、各地過激派へと拡散する懸念大。

公務員のネット配信を禁止するということか

中山泰秀自民国防部会長のフェイスブックに「あまりに未熟」などと感想を投稿した在スリランカ日本大使館一等書記官が国家公務員としての信用を失墜したとして外務省は懲戒(戒告)処分にした(7月17日)。国会議員は公務員から批判を受ける雅量はないということなのだろうか?中山泰秀議員の見解を聞きたいものだ。外務省は今回の処分について職員と国民にわかりやすく説明すべきではないか?

シリア情勢は長期的・泥沼の混乱しか見えない~警察官役のいない世界への覚悟を~

  混迷するシリア情勢は、良くも悪くも警察官としての役割を引き受けてきたアメリカという存在の大きさを改めて感じさせている。
  アメリカが内にこもる傾向を強める今日、世界は混沌とした混迷の時代へ入ったという覚悟が肝要だ。
  シーア派系のアラウイ派という少数派(13%)はアサド大統領と生死を共にするしかないという絶体絶命の淵に立っている。アラウイ派とアサド政権は、多数派の反政府スンニ派に追い詰められ、殲滅されるという死の恐怖に直面している。生き延びるためには何でもやるという覚悟ということ。
  レバノンのシーア派民兵組織ヒズボラはシリア・アサド政権の軍隊に合流して戦っている。そのヒズボラの背景にシーア派の総本山イランが控えている。シーア・スンニ両派の宗教戦争は周辺諸国へと波及する恐れが高まっている。

  しかし、いずれの国も渦中の栗を拾おうとはしない。国連は7月16日、この1月間でのシリア内戦での死者を5千人だったと発表した。2年間の累計は10万人を超えた。避難民・近隣国への難民は700万人といわれる。推計1800万人のシリアということを考えると、全国民が戦乱に巻き込まれているという状態だ。

中国で少数民族への締め付け強化~高圧的な押さえ込み~

中国国営新華社通信(7月17日)は、チベット自治区とチベット族の居住する周辺地域で、チベットに関する図書約132万冊を押収したと報じた。
中国では出版には当局の許可が必要だ。許可を得ていない出版物は違法とされる。違法な出版物を押収するのは至って当然のことという報道なのだ。言論の自由、出版の自由がない独裁国家であることを改めて示すものだ。
それにしても少数民族に対する高圧的な統治には危うさを感じさせられる。少数民族出身留学生は、中国への夏休みなどでの帰国に際して(大部分の人が)旅券を取り上げられる。秋学期には再発行してもらえれば出国できる。大学での教え子の置かれているこうした状況を踏まえて、慎重に対応してやる必要がある(独立運動などに関連していると疑われることさえ危ないという細心さ)。軽々に日本の常識での、(思うようにやったらいいなどという)指導では教え子が危ないということだ。
なぜ、その押収という事実を報道しているのか。少なくとも、欧米各国には受け入れがたいことであるのにもかかわらず。それは、チベット族に対する脅迫ということだ。いくらあがいてもチベット族の勝手にはさせない。高圧的な統治に抗議しての焼身自殺には屈しないという。

「社会の発展が民主主義に優先する」という中国当局の論理~繰り返される説得に焦りの色が感じられる~

  最近の報道に見られる、デモや集会、言論の自由に関する中国当局の国民説得の論理は、民主主義は問題が多い、社会の発展や安全保障が優先する。特に、発展途上国では、エジプトの混乱に見られるように、民主主義という民衆の行動には問題が多い。と、いうようなものだ。
たとえば、党機関紙人民日報海外版(7月5日)は、「民主主義は万能ではない。発展途上国では、まず経済発展と社会の安定、国の安全保障を実現することが重要だ」と、主張している。
中国最大のSNS「微博」(ウエイボー)利用者は5億人にも及んでいる。中国国内の言論統制ぶりには、こうした中国版ツイッターでの、様々なつぶやきにハラハラドキドキという当局の本音が垣間見られる。たとえば、「民主主義も誤る。独裁も誤る」「自分たちで指導者を選ぶのは当然だ」「下っ端は死刑になるが上層部は大丈夫」・・・などなど。

最近、中国からの留学生が私の研究室に相談に来た。「六七」(6月7日は文化大革命の発生した日)などのサイトを検索したところ急にコンピューターが遅くなったというのだ。私は、その軽率さを指摘した。中国当局が神経質になるそうしたサイトを軽々に検索すべきではないと。日本人のパソコンを借りるなどして自分の履歴が当局にわかるようなことは避けなければ中国では危険なのだ。香港などのサイトだって中国当局の管理下に入っていると思わなければならないとも。日本生活の長い中国の留学生の中には、最近の中国当局の神経質な締め付けに対応しきれていない者が見られる。

若者の選挙への関心、わずかに増してはいるが依然として低調

  大学で接している学生から感じる限り、選挙への関心は依然として低調だ。
若者の情報収集手段であるネット選挙が進むことは前向きに考えたい。若者が関心を持つような政策が争点になれば、関心は一気に高まる可能性は感じる。今回の選挙でそうした争点が見られないということだ。
ちなみに、若者は自分の就職を一番心配している。しかし、そこに応えている政党は見られない。
今回の各党の選挙戦術が若者の関心を呼ぶことに成功していないということ・・・と言えよう。
 

中国投資は撤退戦略も肝要~ルールのない状態~

   中国に進出した企業が撤退に伴うトラブルに遭う事例が多い。とりわけ従業員の多くなる工場の撤退は難しい。
  第一に、撤退の許認可権は地方政府が握っている。加えて、従業員の退職金の要求が予想外の激しさになりがちだ。
  いずれにせよ、最終意思決定から1~2年かかることを覚悟しての慎重な根回し準備が欠かせない。
  工場の機械から銀行の預金まで全て抑えられるという事態も珍しくない。旅券を取り上げられ監禁状態に置かれることもあり得る。旅券が無くては帰国もできないのだ。地元警察(公安)は従業員の味方と考えていい。
  債権の取立て時に交渉になるという感覚など、中国の法律制度以前の状況を覚悟してかかることが欠かせない。
  うまく行っている時は大概のことは問題がないが、撤退時は修羅場ということだ。様々な労使紛争を教訓に危機管理が欠かせない。
   

デモを時代遅れと主張する中国の焦り~エジプトを皮肉る冷ややかな目~

  中国共産党機関紙・人民日報傘下の国際情報紙「環球時報」はデモを“時代遅れの政治手段”とする社説を掲載した(7月8日付)。
中国当局は、2010年から11年かけてのアラブの民主化運動「ジャスミン革命」の国内への波及に危機感をあらわにし、必死にかつ徹底的に押さえ込んだ。エジプトでの新たな展開に対しての警戒感も異常に強いものがある。
政治的な団結と社会の統治は国家安定と発展に重要と解いている。「競い合う選挙や街頭活動は団結を壊す」として、選挙もデモも否定する。「デモが引き起こす政治的損失は有益な効果より大きい」というのだが、どれほどの説得力があると考えているのだろうか。
欧米諸国ではデモに破壊する力はないとも。デモに破壊する力がないという意味で中国は欧米並みになったというのか。こうした論法で、デモの規模や影響力を制御する「中国の官製デモ」の正当性を主張している・・・つもりなのだろうか。
選挙やデモなど独裁にとって脅威になるものへの、中国当局の異常な警戒心だけが目立つ。

プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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