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「社会の発展が民主主義に優先する」という中国当局の論理~繰り返される説得に焦りの色が感じられる~

  最近の報道に見られる、デモや集会、言論の自由に関する中国当局の国民説得の論理は、民主主義は問題が多い、社会の発展や安全保障が優先する。特に、発展途上国では、エジプトの混乱に見られるように、民主主義という民衆の行動には問題が多い。と、いうようなものだ。
たとえば、党機関紙人民日報海外版(7月5日)は、「民主主義は万能ではない。発展途上国では、まず経済発展と社会の安定、国の安全保障を実現することが重要だ」と、主張している。
中国最大のSNS「微博」(ウエイボー)利用者は5億人にも及んでいる。中国国内の言論統制ぶりには、こうした中国版ツイッターでの、様々なつぶやきにハラハラドキドキという当局の本音が垣間見られる。たとえば、「民主主義も誤る。独裁も誤る」「自分たちで指導者を選ぶのは当然だ」「下っ端は死刑になるが上層部は大丈夫」・・・などなど。

最近、中国からの留学生が私の研究室に相談に来た。「六七」(6月7日は文化大革命の発生した日)などのサイトを検索したところ急にコンピューターが遅くなったというのだ。私は、その軽率さを指摘した。中国当局が神経質になるそうしたサイトを軽々に検索すべきではないと。日本人のパソコンを借りるなどして自分の履歴が当局にわかるようなことは避けなければ中国では危険なのだ。香港などのサイトだって中国当局の管理下に入っていると思わなければならないとも。日本生活の長い中国の留学生の中には、最近の中国当局の神経質な締め付けに対応しきれていない者が見られる。
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プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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