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親ロ派というアウトロー集団~プーチンの誤算

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  ウクライナ東部の親ロ派にプーチンは手こずっている。
  クリミア併合でロシア人のナショナリズムに火をつけ、ウクライナ東部も親ロ派を使ってウクライナ東部をてロシアの事実上の影響下に収めることで、プーチンがロシアの大国としての復活をもたらそうとしていた。オバマ米大統領の無策を前に、ソ連崩壊以降の国際社会でのロシアの地位低下によって傷ついたロシア人のプライドをくすぐることで”ロシアの帝王”になる野望も成功するかに見えた。
  しかし、親ロ派の実態はロシア各地から集まって来た”ごろつき”や”荒くれ”であり、いわゆる”戦争の犬”と言われる者たちに牛耳らっれた集団に過ぎない。しっかりした組織も訓練もなく、ロシアの提供する武器を使って、暴れまわる集団に過ぎない。プーチンの思惑通り便利な道具として使えるかどうか極めて危なっかしい存在だったのだ。
  大統領選挙を経て正当性を獲得したウクライナ政府の攻勢にを前に、ロシアは6月頃から親ロ派に重火器を提供することで、更なる実効支配地の喪失を防ごうとした。統制のとれていない訓練の出来ていない集団にミサイルなどの提供をすることは極めて危険だ。案の定、マレーシア機を撃墜することで、プーチンはこんなはずではなかったと、今更、どうしようもない袋小路に追い込まれてしまった。
  ロシアは、徹底的に親ロ派が犯人ではないと言い通すだろう。
  欧米も、制裁を強化するしかない。
  しばらくして、落ち着くところに落ち着いていく。
  ウクライナはロシアとの経済関係なしに成り立たない。EU諸国はロシアとの経済関係を絶つことは出来ない。
  ロシアも、欧米との経済関係なしに成長できない。
  もうしばらく時間がかかるが、着地点は見えている。
  クリミアは事実上のロシア領として、ウクライナ東部はウクライナに留まる。
  ウクライナ東部、ドネツク州などではロシアの影響力によって安定を確保するしかない。欧米も、そしてウクライナ人も安定化こそが真の願いだ。となると、ロシアの事実上の影響力の下に安定化するしかないことは誰の目からお明らかではないか。指導者のメンツを捨てた決断が求められる。それぞれの観念は現実の前にはしばしひっこめることだ。
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プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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