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シリア情勢は長期的・泥沼の混乱しか見えない~警察官役のいない世界への覚悟を~

  混迷するシリア情勢は、良くも悪くも警察官としての役割を引き受けてきたアメリカという存在の大きさを改めて感じさせている。
  アメリカが内にこもる傾向を強める今日、世界は混沌とした混迷の時代へ入ったという覚悟が肝要だ。
  シーア派系のアラウイ派という少数派(13%)はアサド大統領と生死を共にするしかないという絶体絶命の淵に立っている。アラウイ派とアサド政権は、多数派の反政府スンニ派に追い詰められ、殲滅されるという死の恐怖に直面している。生き延びるためには何でもやるという覚悟ということ。
  レバノンのシーア派民兵組織ヒズボラはシリア・アサド政権の軍隊に合流して戦っている。そのヒズボラの背景にシーア派の総本山イランが控えている。シーア・スンニ両派の宗教戦争は周辺諸国へと波及する恐れが高まっている。

  しかし、いずれの国も渦中の栗を拾おうとはしない。国連は7月16日、この1月間でのシリア内戦での死者を5千人だったと発表した。2年間の累計は10万人を超えた。避難民・近隣国への難民は700万人といわれる。推計1800万人のシリアということを考えると、全国民が戦乱に巻き込まれているという状態だ。
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プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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