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ウクライナ停戦はロシアの時間稼ぎ~宣戦布告のないままの戦争

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  ロシアは宣戦布告のない戦争に勝利しつつある。今国際社会が問われているのは、ロシアのやり方を容認するのかどうかだ。

  ウクライナは親露派との停戦(9・5)を受け入れざるを得なかった。
  ロシアの軍事的支援で盛り返した親露派の攻勢に対抗できる力がないという現実を前に受け入れるしかなかったということだ。ロシアが決断すればウクライナ全体の軍事占領も可能だろう。
  クリミア半島を併合し、ウクライナ東部を独立させロシアへの併合を目指す親露派を軍事支援するというロシアの決然とした決意を前に欧米各国はなすすべを失った。ロシアはウクライナの問題で欧米が全面戦争することはないと踏んでいる。
  
  停戦は、攻め込んで優勢のうちに迎えた側の勝利といえる。

  欧米はロシアに対して、脅しによる国境の変更という暴挙を容認してはならない。
  この原則を譲歩してしまっては、やった者勝ちということになるからだ。

  今はロシアに対して、決して、甘い態度を見せてはならない。
  経済的に問題の多いロシアに対して、厳しい姿勢で迫り続けるべきだ。金融制裁が最も有効だろう。決然とした制裁強化が肝要だ。

  停戦は受け入れる。しかし、これから、その条件に関して紛争は必至だ。

  NATOは、ロシアを仮想敵国として緊急展開部隊を新設することで、新たな国境変更の試みへの備えを強化することになった。

  
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プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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