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シリア空爆でねじれる各国の思惑

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   シリア外務省は23日、シリア国内でのイスラム国などへの空爆を受け、「テロとの戦いにおける、あらゆる国際的努力を支持する」と声明した。
   事前同意がなければ主権侵害とみなすとけん制していた立場を変えた。
   アサド政権としても、イスラム国に打撃を与えることは、好都合であるという判断か。
   サウジなど周辺5カ国の参加若しくは支援に関しては、サウジやカタールなどスンニ派諸国は反アサド政権姿勢を鮮明にさせている。サウジにはイスラム国への空爆の延長にアサド打倒への展望を描いている節がある。アサド政権としては警戒を強めれう湯銭だ。しかし、同時に、少なくとも、短期的には過激派掃討のためとはいえ、アサド政権を間接的に助けることになることは否定できない。
   アサド政権を支援するイラン、ロシアも「空爆は必要な枠組みを伴わなければならない」と述べるに留めた。

   中国・ロシアは、「反テロ」では一致、しかし、シリアの同意を欠いているという一点で、懸念を強めている。
   米国など外国からの当該国の同意を欠いた空爆というシナリオの先例だけは同意できないということ。何時の日か自らがシリアと同じ立場におかれるということを恐れているという心理だろう。

   イランは既に、イラク政府支援で実質的にイスラム国包囲網に加わっている。シリアではアサド政権支援の立場だが、シリアでのイスラム国空爆に関しても、何らかの形で関与を模索する可能性がある。
   シリア政府も何らかの形で協力を模索するだろう。

   様々に入り乱れる思わくで、複雑な様相を見せている。


  <24日、米中央軍発表事項>
    石油施設12箇所を空爆した(24日)。1日当たり200万ドルと試算される石油密売収入を断つ目的。軍用車両の燃料を絞り込み、戦闘能力を衰退させる狙いも。
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プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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