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軍事力が決定要因という現実~ウクライナ東部情勢の検証

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国際関係は、最後はトップの決然とした決断で決まる。執念と言い換えてもいい。オバマ大統領の優柔不断の前に、プーチン大統領の意地が目立つ展開になっている。

    7月のマレエーシア機撃墜でウクライナ東部の親露派武装勢力は厳しい批判にさらされ、急速に領域を減らされた。圧倒的な装備と兵員数で上回る政府軍の攻勢が続いた。プーチンの野望が潰えたかに見えた。
    
    モスクワは、急遽、親露派の最高幹部をロシア国籍のアレクサンドル・ボロダイ(42)をモスクワに呼び辞任させた。後任を、ウクライナ国籍のアレクサンドル・ザハルチェンコ(38)に挿げ替え、8月半ばまでに「約30両の戦車など150台の装甲車両とロシア領内で4ヶ月の訓練を受けた1200人の人員をウクライナ東部に引き渡した」(ザハルチェンコ明かす。産経10・15)。
    
    これは明らかに、プーチンの許可なしで行える大規模な軍事支援だ。
    8月、ロシア軍のウクライナ越境がしばしば伝えられた。
    事実上、ロシア軍そのものを投入したと見ていいだろう。

    プーチン大統領の決然とした軍事侵攻の決断の結果、ウクライナ政府軍は劣勢に追い込まれ、不利な条件での停戦を受けるしかなかった(8・26、ウクライナ・ポロシャンコ大統領とロシア・プーチン大統領極秘会談、於いてミンスク)。

    ウクライナのNATO加盟はプーチンとして絶対に容認できない一線ということだ。
    ウクライナはロシアとの経済関係なしに存在は難しいという現実的な選択をするしかないだろう。

    プーチンの軍事力を行使した決然とした判断の前に、欧米はなすすべを失った状態と理解していいだろう。
    こうした現実を踏まえた、わが国の外交戦略が肝要だ。

    ウクライナはロシアの影響圏から脱出することはできないという、地政学的な現実的に基づいた判断力は欠かせない。それを変えるには、プーチン大統領を上回る執念が不可欠と言うことだ。
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プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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