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神と人間の調和~イスラム教徒との共生で求められる英知

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    一神教で信仰心が強ければ強いほど、神の絶対性、優越性という問題での他者との強調が難しくなる。
    絶対性や優越性が認められなければ、自らの権利が侵害されているという感覚になりがちだ。
    イスラム教徒には自らにとって、譲れない真理とされるだけに、その点への批判やまして風刺・揶揄などは許せないとの感覚が強い。
    西洋社会では、近代化と共に、人間と神との関係でのいくつかの調和が形成されてきた。
    人間が神の下でただ従うだけというのでなく、人間が自らの考えで神へ挑戦することを含め、人間の自由を最大限に尊重する。それは人間としての譲れない基本的人権だとする。
    イスラム教徒と西洋社会とは、神と人間の関係に関する深い対立が存在する。
    イスラム教徒の中にも西洋社会と共生するために異なる宗教や考え方の人々の存在を許容する人が少なくない。
    しかし、一部のイスラム教徒にとってはそうした人々は背信者となる。
    人間と神との関係を巡る対立は深刻だ。
    フランスでの週刊紙出版社への襲撃テロはその具体的な姿というえる。
    この問題は容易な解決法はないだろう。
   
    一部のイスラム教徒の心情を慮って、風刺といった宗教的なタブーへの挑戦を控える。
    一部過激なイスラム教徒を含むイスラム教社会には、少なくとも暴力行為を否定するという倫理観を浸透させる。
    両者の努力でのきわどいバランスでの共生を願うしかないだろう。

    西洋社会にイスラム教徒への警戒心が高まることは避けられないだろう。それも含め寛容の精神の下での共生を目指すしかないだろう。
   
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プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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