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企業自らの危機管理と社会貢献としての防災協力~各地の先例・教訓に学ぼう~

1 事業継続・早期再開計画の策定・訓練
   「わが身の安全が大前提」、危ないのは「大丈夫というジシン」
    参考:感染症の社内流行に備えた勤務(人員体制)計画策定1割程度
        ・マスク等防止物品備蓄44%(都内企業9月初旬時点)
   企業の認識(要危機管理)
①大規模震災74%②事務所・工場の火災45%③感染症の大流行42%
BCP:Business Continuity Plan
  
(1)耐震化・・・まずは診断から
    社員自宅の耐震化も不可欠:神戸市での職員出勤確保前提(教訓)          
① 阪神大震災・・・兵庫県警港島プレハブ庁舎(災害発生時の警備本部代替施設が液状化によって使用不能に)、兵庫警察署(築26年)全壊
    ② 中越地震・・・部品供給先の分散化:一点集中のリスク
例:エンジン部品メーカー「リケン」の被災で1週間ほどトヨタなど操業停止に追い込まれる。
    ③ 中越沖地震・・・原発ストップ:本体はもちろん付帯施設が致命傷にも
例:柏崎原発での変圧器火災、消防署への専用回線室扉ゆがみで開かず。
   東電は変圧器の火災への危機管理感覚自体が乏しかった。
        自警消防:震災時忙殺され出動遅れる消防など(119も通話錯綜)
        企業内防災自警体制

  (2)転倒・転落防止策  
     静岡・・・酒造業での積み上げたケースのロープで縛ることの有効性確認
          酒屋の陳列棚へのゴムなどによる落下防止策の有効性確認

  (3)情報などのバックアップ(オフィス)

  (4)早期再開シミュレーション

  (5)窓ガラスにフィルム貼るだけで工場等での怪我軽減効果大
       費用の余りかからない防災対策も多い。

2 社会貢献
  (1)避難場所提供
    近隣町内会などとの普段の関係:催し物・行事 シミュレーション(各種想定)
例:東海豪雨(2000年9月)で、スーパーマーケットの屋上駐車場に地域住民の車を避難させたことによって車の冠水が免れた。
例:阪神大震災で、事業所の自衛消防隊隊員が地域の消火活動に出動、住民と協力して火災の拡大を食い止めた。事業所の体育館を避難所として提供した。
   * 一時的な避難所不足対応

(2)機材
   阪神大震災・・・重機、クレーン、各種車両、チェーンソー、ジャッキ
           フォークリフト、ブルドーザー、その他各種重機など 
    小回りの利く「のこぎり」「なた」、工作器機(電気バール・カッター) 
* 阪神大震災で、瓦礫の下から助け出された人は25,000人とも35,000人とも言われており、その救助、救出にあたって活躍したのは、地域の商店主や小規模事業者の方たちであった。

(3)商品・備蓄
   阪神大震災など・・・感謝されたレトルト食品、水、医薬品、毛布などの提供
      工場、事業所、駐車場、宴会場などの避難場所提供、風呂開放
*ジャッキがあれば倒壊した家屋の下敷きの人が救助できる。

(4)人力(組織)
     JR西日本福知山線(尼崎)脱線事故(05・4・25)・・・一刻を争う救命
* 日本スピンドル製造株式会社等、近隣企業事業所は業務を一時停止して、救助活動に当たった。
   * JR西日本安全研究室「人為ミス研究」

  (5)専門知識・技能の提供   

3 事業所と行政との協定(総務省消防庁防災協力検討会報告書05・12)
  (1)災害時において、自助、公助とともに、共助が重要。特に、住民、ボランティア、事業所が地域レベルで助け合う仕組みの構築が重要

(2)事業所は地域の防災力の担い手として地域に密着し、被災地の近くに所在することから、迅速な初動対応が可能。
  平時の事業所の活動で培った組織力が発揮できる。
  専門的な資機材やスキルを保有し、多様な活動が可能。
といった特徴を持ち、地域の防災力強化のカギを握っている。

(3)地域経済の早急な復興には、地域の事業所の防災力充実、事業の継続、各方面との連携などが肝要

4 川崎市
  (1)応援協定締結
・災害時における応急用米穀の供給協力に関する協定書
・災害時における応援に関する協定
・災害時の応急対策を行うための応援に関する協定
・災害時における緊急輸送の応援に関する協定
・災害情報時等の放送に関する協定
  (2)防災協力事業所登録制度策定中

5 その他
  (1)民間救急車や輸送車両による負傷者の搬送について、タクシー会社、バス会社等との間で協力協定(塩竈市)   
(2)災害時協力企業情報構築事業(松山市)
(3)地域防災協力事業所表示制度(名古屋市)
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プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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