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自治体公務員向け講演レジメ(2011年)市民の信頼に応えるために~市職員への市民の期待~


1 最大の事故原因は単純ミス
  不祥事では早期対応が肝要
2 市民の関心の高い危機管理が苦手な市職員の体質
  市役所職員にまだ残る「他人事意識」・・・どこかに専門家がいるという錯覚
  皆で努力するしかない
  自分の危機管理・我が家の危機管理・日常業務を通じた危機管理
  今出来ることは何か?
  危機管理は平時の対応が勝負・・・何かやっておくべきことないか?
3 阪神大震災の教訓・・・神戸市の経験は、川崎市としても教訓の山
4 10年後への展望
  ますます進む高齢化・・・介護・医療
災害弱者対応を比重の拡大
  期待できない財源の伸び・・・求められる工夫
5 市民参加型・・・「市民のために・市民と共に」
  要の団塊世代・女性の参加
  町内会・商店会・PTA・NPO・企業(業界)・各種団体
6 わがことに引き寄せての恒常的学び・・・区役所における「他山の石」精神
  (1)情報公開・・・安全安心の危機関連情報は原則公開
            公開するなら早めに
  (2)「聞こえない」・・・避難勧告などへの批判の定番
          広報・伝達の複線化
     *古い看板が「見えない(読めない)」、塀など壊れている 
(3)たらいまわし・・・可能な限り窓口で受け止める
   *応対時の言動
(4)管理責任(明石市など)、許認可(銃刀法・設計・建築確認など)に伴う責任追及の拡大傾向
(5)災害弱者対策、市民の救済優先(拡大傾向)

資料1 阪神淡路大震災(95・1・17 AM5:46)
    死者6400余人、重症者約1万人、避難所生活者30万人余
全壊10万余棟(内全半焼約7500棟)
    停電260万世帯・・・応急復旧完了まで6日
    断水127万世帯・・・最長3ヶ月
    ガス86万世帯・・・最長3ヶ月
[死因]倒壊家屋の下敷き(圧死)・・・84%  
 火災死・・・12%
[推定死亡時刻]大部分は10分以内に死亡
*生き埋めになった(自力では動けなくなった)人々の10%は助け出せる可能性がある
*餓死した人はいない
 [西宮警察署管内の状況から]宿直26人、一瞬下敷きになったのは約1,000人、
うち、助け出された人は100人弱
資料2 大震災への対応シミュレーション
   3日間・・・行政も市民も全力で協力しての人命救助
         「生死~勝負の72時間」「近所の助け合い」
   3週間・・・皆で何とかして「日常生活の維持」
   3ヶ月・・・復興へのめど(防災都市化への配意)
資料3 首都直下型地震被害予測【中央防災会議05・2・25】午前8時発災
   死者1万3千人(内新宿周辺地下街でのパニック死40人)
   エレベーター内への閉じ込められ・・・1万余人
   自宅で暮らせない700万人(1ヵ月後270万人)
   水道復旧率4分の3・・・4日後
     95%・・・30日後
資料4 地震で生き残るために
① 動けなくならないこと・・・家を安全に(耐震補強・転倒・落下防止・・・自宅を最善の避難拠点化)
② グラッと来たらとっさには身を小さくして頭を護る
③ 避難ルートの確保(倒壊家具などがつっかえ棒になってドアが開かなくならないか/子供部屋のドアが外から開けられるか)
④ 多くの人がいるところでは将棋倒しに巻き込まれないこと
⑤ 落下物に注意(ガラス・看板などに備え頭を護って離れる)
⑥ 正しい情報(流言飛語に注意)
⑦ スリッパ・ズック・軍手(一番多いガラスによる手足の傷)
⑧ パニックにならない(臨機の判断)
⑨ 2~3日食べなくとも死なないとの構え
⑩ 避難所生活は開き直り(神経質にならない・頑張り過ぎない)
資料5 マンションの場合
① 上層階ほど揺れは強くなる(メド15階で5弱が5強に)
② 避難階段を点検(荷物など置いていないか)
③ 分散備蓄(メド5階ごとに。倉庫などでの備蓄)
④ 床は滑りやすい(家具の固定)
⑤ 要支援者の事前調査・無事表示方法(親睦会など)
⑥ エレベーターの復旧遅れを想定
⑦ 上層階の孤島化
⑧ 各種ユーティリティ復旧までの長期化
資料6 新型インフル対策(09年前半)での教訓
   ①ウイルスの正体見極め、刻々変化する状況に対応、対策も合わせていくしかない。
    *「強毒性鳥インフルエンザ対策」から「新型インフルエンザ」対策への切替に戸惑った。
    *トップの決断で絶えざるリニューアル(危機管理の要諦)
    *情報収集勝負*柔軟性
    *危機管理に絶対はない。精神主義であってはいけない。    
②わが国の対応は硬直的:行政も、医療も、柔軟性が試されている。
 *「感染拡大は止められない」(「フェーズ6」宣言の6・11マーガレットWHO事務局長発言)
    *医師などを不眠不休に追い込んではならない。
    *成田などで水際対策に増員したことで、日常業務にしわよせ生じた。
     国内での水際対策(感染拡大防止策、地域対策)の遅れ(情報収集)
    *官僚主義の自らのリスク回避(マニュアル通り)第一主義傾向
     ワクチン国内承認遅れ:副作用恐れるあまり行政が門に慎重になり勝ち
     「ワクチン・ラグ」
    *副作用で健康被害が生じたときの救済制度を見直す必要性
   ③アメリカ:05年ハリケーン・カトリーナ反省から、07年国土安全保障省
    *鳥インフル対策(マニュアル)のみだったわが国
④世界的には毎年感染症で1400万人ほど死亡
   ⑤休校措置要求などマスコミ報道の過剰反応(マスクしていないと非難、マスク品切れ)
    *弱毒性前提の対策への切り替え

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プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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