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熾烈化するシリア内戦が勝負に~モザイク国家への流れしか見えない

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 シリア化学兵器廃棄交渉でロシアに譲歩するしかなかった米国は、国際的な威信を失うことになった。米下院で武力行使案が否決されるという状況に追い込まれ、米ロ交渉で決裂するという選択肢のない状態では、オバマ大統領はメンツを維持するためには、譲歩するしかなかった。米ロ億章での合意記者会見で、ケリー米国務長官は、化学兵器廃棄のスケジュールの重要性を力説すrなど、合意の実効性を説明するのに躍起になっていた(14日)。米国は、わずかに「シリアが廃棄を履行しない場合は国連憲章7章に基づいて強制措置を行使する」という項目を盛り込んだことで、一応のメンツを立ててもらった感じだ。
 これからのシリア情勢は、内戦のガチンコ勝負になる。ロシアはアサド政権にあらゆる武器提供などの支援で優勢を決定的にできるかどうか。米国は、反政府側に武器を提供することなどでどこまで盛り返させることができるか。シリア内戦はいよいよ激しさを増すことになる。
 激化する内戦の中での化学兵器の国際管理・廃棄は極めて困難だ。化学兵器廃棄の遅れの責任を政府・反政府双方がなすリアうことになることも目に見えている。それを米ロ双方がお互いに事故に有利な形で主張・責任をなすりあい・非難するという展開も。
 国際情報戦の面では、ロシアは、反政府側にアルカイダなどイスラム過激派テロリスト集団が加担しており、反政府側への武器提供はテロリストへの武器提供だとの宣伝を流すことになる。米国は、内戦での自国民への無差別攻撃など、アサド政権の非人道的な行動を非難することに。
 化学兵器の廃棄の遅れることは明らかだろう。その場合、合意スケジュールの遅れを理由に、武力行使を迫る米国に、ロシアは、廃棄の遅れの責任は反政府側の非協力的な態度にあるといった宣伝を展開することになる。
 内戦が決着するまでこうした主張合戦が展開されよう。結局は、それぞれの支配地域を事実上分割支配するというモザイク国家になる可能性が高い。
 
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プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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