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欧州に通信傍受容認論~テロで意識に変化

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  テロの恐怖に悩む欧州で通信傍受を容認する意識変化がみられるようだ。
   治安維持と個人の人権保護(プライバシー、特に個人データ)のいずれを重視するか・・・繰り返されてきた議論だ。
   個人情報収集強化は違憲(最近ではベルギー憲法裁判所15年)とするのが主流論調だった。
   しかし、欧州各国でテロの脅威が強まるとともに治安維持の主張が強まってきた。
   06年、EUでは通信記録を最長2年間保護することを義務付ける「通信データ保存指令」を導入、必要に応じて捜査当局にデータを開示することを求めた。
   これらの動きに、プライバシー保護を求める市民団体などが強く反発し、訴訟が繰り返し続いてきた。
   欧州の主流の流れは「個人データの保護」「私生活の保護」原則を尊重してきた。
   最近では「忘れられる権利」の導入に至っている。
   特に米情報機関が米ネット企業を使って欧州市民の個人データを監視収集していることへの懸念が強まっている。
   そこに昨年来、パリ、ブリュッセルでの同時多発テロを受けて、テロ防止に向けた国境を越えた通信傍受を容認するという監視強化策導入議論が急増。
   個人情報保護との間での調整が大問題となっている。
   結局は脅威の大きさ次第。
   脅威が大きければ、個人情報保護は多少は引っ込むことになる関係だ。
   個人情報保護が優先する社会になることが理想であることは間違いない。
   
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プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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