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IS掃討戦は単純ではない~思惑乱れる複雑な関係

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 日経新聞(5・29)の「対イスラム国遠い結束」を参考に対IS掃討戦の問題点・むずかしさをまとめておきたい。

 イラク北部の要衝モスル。2年前から現在までIS部隊が占拠している。
 モスル東西南北約20キロの地点にIS包囲網を構成する武装勢力が迫っている。
 ISは風前の灯ではあるがことは単純ではない。
 モスルを包囲する勢力はイラク政府を支配する多数派のシーア派アラブ人、少数派のスンニ派アラブ人、それに独立を求める少数派クルド人に分裂している。
 モスルはイラク政府とクルド人がかねて領有権を争ってきた係争地なのだ。
 クルド人は独立を目指す自治政府KRGの下にISと最も勇敢に戦ってきた。そして、支配するモスル南部の拠点にイラク政府軍5000人の陸軍部隊をしぶしぶ受け入れた。しかし、進軍して失敗したときクルド人は傍観した。
 トルコはモスル北部の軍を増強したことで、イラク政府、イラン政府の怒りを買った。
 トルコ政府の本音はIS攻撃ではなく、トルコが30年来戦っているクルド労働者党(PKK)勢力地区の近くに足がかりを設けること。

PKKはイラクからシリアに影響力を強めている。
その影響力を最も懸念しているのがトルコ政府。

IS掃討戦でもクルド勢力の伸長には神経質だ。
IS掃討部隊・シリア反政府勢力の間でのトルコ、アメリカ支援を受ける勢力間で争いが生ずる。

PKKと関係のあるクルド人組織YPGはコツコツと支配地域を拡大している。
この動きを警戒するトルコ政府、その影響力化にあるアラブ各派・シリア反政府勢力ということで、複雑な状況だ。

親トルコ派と親アメリカ派の協力は進まない。
クルドとアラブの対立に結び付く。

ISを掃討しても、クルドとアラブの戦いになりかねないのだ。

そのはざまにISは息を吹き返す可能性を秘めている。
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プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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