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中国の腐敗撲滅に期待~薄裁判の意義

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 薄裁判は政治ショーだった。その最終的な評価は歴史に委ねられることになる。
 裁判の影響として、当面、注目すべききポイント数点を指摘しておきたい。
  国内外の注目の下に行われたショーで、中国国民は、改めて、共産党幹部の腐敗への憤怒を増幅させたことは明らかだ。習指導部は腐敗撲滅に取り組む決意を強調しているが、国民はその実行を迫って更に厳しい目を向けることになる。習指導部の狙いは、当局のコントロール下での綱紀粛正だが、国民はその指導部を信用していない。自ら監視・批判への参加を要求することになるが、指導部はそうした民意の高まりにどう対処するのか。
  政治権力闘争で一般大衆を動員する手法をとった毛沢東の手法をとった薄被告を排除した指導部は、一般大衆をコントロールすることにこだわることになる。貧困層など格差社会での敗者の要求にこたえることができるのか。大衆を敵に回すことになりかねないという、危うさを抱き込んだということだ。
  今後、習指導部は民意と対決することになる。すでに、制御不能になることを恐れ、民意の規制に汲々としているのが実態だ。フォロアーの多い反腐敗運動家は拘束されているのがその象徴だ。薄被告の、毛沢東路線に倣った手法での多数の知識人や資産家を拘束・尋問した人権侵害問題は、今回の裁判では全く触れられなかった。習指導部のこの面での似た性格が背景に存在していよう。
  更にやっかいなのは、薄被告の貧困層救済政策や思想引き締め(思想・言論統制)重視の保守派路線は、薄指導部の性格と一致していることだ。腐敗撲滅を煽りながら、国民の怒りを沈静化させるのは難しい。制御不能になる可能性を秘めている。
  更に深刻なのは、貧困層や保守派にとっては、薄被告は象徴的存在・カリスマになってしまったことだ。民主活動家・改革派の象徴的存在、ノーベル平和賞受賞者劉暁波氏と並ぶ、政治犠牲者の英雄となってしまった。習指導部への批判者は牢内にいる両カリスマへの強い思いを抱くことになる。それは習指導部への批判を燃え上げさせることになる。
  やっかいな存在を抱かえこんだことは間違いない。
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プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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