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ネット世論が不安で眠れぬ中国当局

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 情報統制を統治の根幹としてきた独裁体制は、ネット時代への対応にきりきり舞いの状態になっている。統制できない時代が出現しているのに、統制しようとする。様々な新たな手法を取り入れての統制。しかし、どんなに頑張っても、国民が誰でも情報発信源となる時代に統制し通すのは不可能だ。
  当局にとって好ましくないネットの書き込みは、サイト運営者とネット警察当局で削除している。アップされてから削除まで数分から数時間のタイムラグが生じる。この漏れで得られる削除された情報が当局の真意を理解する貴重な情報源となる。
  ニュースサイトには、地元の公安局から、あらかじめ削除すべきアカウントが渡される。削除すべき情報が多いと予想される場合は、掲載しても良いアカウントが指示される。これら以外のアカウントでは書き込めない。当局の削除したい書き込みは最初から書き込むことが出来ないということだ。
  9月22日の薄被告への無期懲役判決の直後、中国国内で主要ニュースサイトに寄せられた数十万件の感想は、全て当局による組織的なやらせだった。だから、全てが、ほぼ同文の薄被告を非難し、判決を支持したコメントだけだった。数十万人の官製投稿者(公安当局に雇われたネット工作部隊)を用意していることが改めて確認できたということだ。
  その間、一般の書き込みはブロックされていた。
  中国のサイト運営者は、当局の指示に従って行動している。そうでなければ、サイトを閉鎖されるだけだから。
  中国の公安当局の情報統制への戦いは、今日も続いている。
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プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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