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シリアの混迷は続く~関係国の思惑の差が大きすぎる現実

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  シリアの混迷はいよいよ長期化する可能性が高い。
  ロシアは、地中海中東地域での唯一の軍事基地を提供するアサド政権の存続を絶対条件として、アサド政権最大の敵、シリア多数派スンニ派反体制派を攻撃している。
  トルコは国内で非合法なクルド組織PKKの影響下にあるシリア・クルド組織の勢力を抑え込むこと狙って、シリア国内のトルコ系反政府組織を支援している。
  米国は、イスラム過激派IS掃討を最重要な目標にし、シリア国内での地上戦部隊をクルド組織を支援している。
  サウジなど湾岸諸国はシーア派のアサド政権打倒を狙って、スンニ派各派を支援している。
  スンニ派各派は、支援する国や地域の指導者など複雑な要因で分裂入り乱れている。
  
  米国は、トルコが敵視するクルド勢力に頼っているのは最大のねじれ。
  トルコにとっては、クルド勢力に対抗させる意味でIS放置さえ、次善の手段に映りかねない。
  少なくともクルド側からはそう見える素地がある。
  欧米にとってトルコは、IS攻撃のための基地であり、シリア難民を制御するためにも協力を得ることが欠かせない。
  ロシアの支援を受けるアサド政権はシリアでの戦いを優勢裡に戦いを進めている。
  それを阻止するために戦えるのはクルド勢力。
  そのクルド警戒を最優先しているのがトルコ。
  イラク、シリアで劣勢のISはそうした間隙につけ込んで存続している。

  シリア情勢は混迷を極めている。
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プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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