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防災担当公務員への講演レジメ(2011年)都市防災の困難性~行政機関相互の連携強化を~

はじめに
  ~厳しい環境下、危機管理部門への期待感(行政需要)がますます高まっている~
① 都市の脆弱性
      高速化・大型化・高層化・団地・立体化(地下街、立体交差)
      情報化(IT技術の発展)  密集性(感染症対応での弱点など)
② 複合災害
      関東大震災(地震と台風)、噴火と土石流、宝永富士噴火(地震と噴火)
③ 関係機関間の協力
      縦割りの壁
      日常業務レベルでの協力拡大努力(教育レベルでの交流も)
   ④ 行政改革(業務見直し)、財政難など取り巻く環境の変化
   ⑤ 減災という視点・・・備えあれば、いかにして生き残るか(致命傷回避)

1 川崎市の特性
  * 危機対応力向上養成の切迫性
    羽田空港・京浜港湾コンビナート・多摩川
    新幹線を始めとした重要幹線交通網
    住宅等の高度密集
    高層住宅化
    東京・横浜を繋ぐ首都の要(首都圏の心臓部)

2 日本人の苦手な危機対応力
   教訓の蓄積少ない:①論理的でなく②持久力が苦手③忘れっぽい
   官サイドも危機管理が苦手
   官への根強い依存心:官の責任だけが増しがちな現状
   危機管理分野での期待と現実のギャップ拡大

3 専門家不在(認識)への覚悟
   各部門の研究者、専門家は必ずしも実務的でない
         雲仙普賢岳/三宅島噴火・・・火山学者はリスク取れる状態にない
   総合的に対応する所は「行政機関」しか存在しない
   そのための対応能力を高める必要がある
         危機への想像力/覚悟などに基づいた・・・絶えざる実戦的備え
         OB含めた人材の活用(機関相互の乗り入れへの配意)
   * 人材養成の重要性(職員意識とのギャップも)      
   * 他機関や民間との連携
   * 平時に備える配意が勝負

4 情報公開
  スピード感のある複眼的広報が要(複数ルート活用)・欠かせない報道機関の協力
  基準は「市民の被害防止」:特に不特定多数の危険性あれば即広報(風評被害への配意)
  市民感覚への感度アップ(「感性」磨くことへの努力・官への厳しい目)

5 危機管理の基本は「他山の石」に学ぶこと
① 尼崎脱線事故:救急救命対応力(ドクターヘリ・トリアージ)
② 医療機関ネットの重要性:産科・小児科(救急対応)
③ 柏崎原発事故:通報手段複線化、想定超す揺れ、断層調査の難しさ、自主消防
   ④ 釜山市・高円寺など焼死者多数出した火災:消防行政(営業許可・指導など)のあり方・火災報知機
⑤ 防府市などでの豪雨:避難勧告のあり方・自己責任による判断
  ⑥ ハイチ大震災など:耐震化

6 訴訟(内部告発)の常態化
   ① 訴訟前提の検討
② 金銭は鬼門:会計検査院の指摘(厳格化)
③ 被害者救済優先の司法判断(損害賠償請求):明石市(花火大会での雑踏警備、人工砂浜の管理責任)  銃所持許可行政機関の責任(栃木県、長崎県)
④ クレーマーなど抗議(サイド)の録音前提(の対応)
⑤ 言葉狩り:各種差別、暴力団(しのぎ)、プライバシー保護(情報漏洩)

おわりに
   ① 「市民の為に市民と共に」:行政が一人で抱え込まない
②  情報公開・説明責任の励行
③  実戦的訓練
 * 避けられない直下型地震:臨場感を持った備えを
 * 普段の備え次第で救える命がある(ダメージコントロール、平時が勝負)
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プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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