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日中対立の力学

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  尖閣を巡る日中対立が続いている。現状を変えたい中国が攻め、日本がじっと忍耐している構造だ。
  中国の側が如何なる状態にあるのか。今後どうなるのか。我が方はそうした中国サイドに立った事情を慎重に考えておくことが肝要だ。
  高成長から安定成長へと移ることに必死な中国にとって、経済成長を持続させることは国政上の最大の課題だ。外国からの投資維持・増大がその為に欠かせない。我が国からの投資は、反日によって減少しがちだ。また、隣国と軍事的な緊張状態を高めていることは、日本以外の国々にとっても少なくとも懸念材料にはなる。我が国自衛隊艦船への中国軍からのレーダー照射が世界中に衝撃を与えたような、軍事衝突のリスクを高めることは、中国にとって好ましくない。
  中国の国際的な台頭によって、国内では軍部の発言権が強まっている。国際的にも軍事的存在感を高めたいという動きは止まることはない。しかし、それも国内の経済的な成長が止まっては元も子もない。国内安定には経済成長が欠かせないことは誰が見ても明らかだ。
  中国当局は、尖閣を巡る原則は譲らないが、対立のこれ以上の深刻化は避けるという判断をしている。
  我が国は、いたずらに焦ることなく、尖閣正面の軍事的な備えを強化すべきだ。その上で、中国に経済的な我が国の必要性を理解させることだ。そのためにも我が国の経済成長が前提となる。
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プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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