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情報統制への警鐘~医師李文亮氏の死亡

  今日の中国一党独裁制の病弊~情報統制~を、多くの中国人に、改めて気づかせた医師李文亮氏の死は習近平体制へのボデイブローになる可能性がある。

  武漢市の33歳の眼科医李文亮氏は昨年10月下旬(?)これまでの薬の効かない感染症の発生に気づき、医学校仲間のチャットグループ内で「新型肺炎」への警鐘を発する投稿をした。

  この投稿は共産党当局の目に触れ、病院内で懲戒処分された。警察に呼び出され自白書に署名させられ、訓戒処分を受けた。

  チャット仲間はいずれも流言飛語を流し、民衆を惑わす危険人物と言う扱いを受けたのだった。

  初動の遅れから武漢市で急速に蔓延した新型肺炎は医療従事者も多くの犠牲を生んだ。

  李文亮氏も感染、  2月7日、死亡した。

  
  当局の情報統制の招いた武漢市の惨状の中、殉教者となった李文亮氏への中国人の崇敬の念の高まりは、習近平体制への批判を内包している。

  当局にとって都合の悪い情報を規制することの悪弊が改めて多くの中国人に気づかせた。

  今後への影響を注視したい。


  
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プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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