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米情報機関による通信傍受・・・の常識

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  日経新聞(10・25)が掲載したドイツのメルケル首相の携帯電話を盗聴していたという疑惑を巡る解説記事を一読してほしい。
  情報機関の活動に関してその周辺に30年ほどの勤務歴を有する者としての立場から、情報分析に関心を持つ方々の、いわば常識として確認しておくべきことを以下列記しておきたい。
  どこの国の情報機関も必死に情報収集活動を展開している。情報機関の活動については、捜査機関のそれとは異なり、手段方法への制約はほとんど存在しない。何をやってもいいというルールでやっていると考えていい。
  総理大臣、外務大臣などの各国トップは必ずターゲットになっている。ありとあらゆる手段で主要ターゲットに関して情報を収集する。場合によっては偽情報を掴ませるなどの工作も展開する。且つ、騙された方が恥ずかしいから明かさないことがしばしばだ。
  各国の保全機関は、それぞれの要人の周辺を洗い出して、ガードしている。使用している電話や携帯は盗聴されているという前提で使用するようにしている。これだけは大丈夫という通信手段を設けてそれを使用するようにしている。
  以上が情報のプロの常識だ。

  素人が、個人情報を盗聴するのはけしからんという感覚で情報機関の活動を批判する。近年、プライバシーに関心が高まる中、情報機関の常識とは異なる一般市民の価値観が幅を利かせてきている。メルケル首相を盗聴する米情報機関は許せないと・・・。
  市民の反発は同盟関係を根っこで支える構造を揺るがしかねないから厄介だ。プロはそこらへんを考慮してうまくやってくれということか。
  
  市民の価値観が、情報機関にとっても更に厄介な問題を生じている。それは情報機関関係者による暴露という形で明らかになる。IT技術の進歩はそのスケールを飛躍的に大きくしている。
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プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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