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勉強しない大学生に如何に向かい合ってきたか~大学教壇18年の奮闘を反省して~

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  現在の大学キャンパスには勉強しない大学生があふれている。同世代の半分以上が大学進学するという時代なのだから、無理もないのだろうが、教壇に立つ者にとっては難しい状況になっている。

30年ほどの官僚生活の後に大学の教壇に立つことになった私の、18年ほどの教授生活はこの悩みとの戦いと共に経過した。反省をこめて感想を書き留めておきたい。

先ずは、学生に合わせて、そうした学生に対しでも何かを教えてやるものがあるだろうと考え、そこに何とか意義を見つけていくという選択がある。こんなレベルじゃだめだとは思いつつも、それでもプライドや面子を捨てて、できるだけ面白おかしく、“客”である学生に興味を持たせて何かを教えるということだ。多くの教員がやっているのがこの選択だろう。しかし、これも通用しない学生が増えて来た印象だ。
そうした傾向を前に、こちらも学生を勉強に引き込むための様々な術を身に着けていくことになる。例えば、私の場合は、しばしば、単位取得、すなわち、試験をえさに使った。小テスト、中間テスト、期末テストとテストの多用だ。教師としての、自らの力量不足を感じ、情けなくなったが・・・。
これにも、次第にむなしさが募っていった。そこで、その変形だが、平常の出来次第で、期末試験を免除するという選択を採ってみた。これはなかなか有効に見えた。学生は試験を免除されたいがために、こちらの様々な仕掛けに対応してきた。レポートを出させ、ボリュームのある中間試験を実施した。
試験を免除されたいため、勝負レポートを求めたが、結構な数の力作レポートが提出された。中間試験結果によっては、追加の課題を出し、自主的ながんばりを促した。

学生に合わせて教えるレベルを下げるべきか、下げるべきでないか。様々に工夫したが結論は下げざるを得ないということになった。こちらが負けたような印象だけが残っていやだったが・・・。むなしさから角度を変えて、こちらのテンションも下がらないような工夫をしてみた。

そこで考えたのは、知識は後から学ぼうと思えさえすれば、いつでも学べるから、学ぶ手段方法やその際にどういうことが大切なのかというレベルの知恵に絞っての授業構成にしようということだった。この発想の転換で自分自身が救われた想いだった。

しばしば教科書から離れ、学生にとっては、寄り道のような感覚で向かい合える話を増やしていった。そうした方残らない感じの話に学生の反応を感じられた。
現在進行形の事件や事故を積極的に取り上げて話した。そうした過程から、ブログを書き発信することになった。学生には短いブログを元に質問を呼び、解説を展開するように努めた。そうした材料の中で、知恵となる部分を引き出すように努めた。

学生に発言させ、あるいは質問させ、それに大幅の加点を与えた。発信力の乏しい学生が目立ったからだ。できるだけ再問することで、つながせたいと努めたが、この面では、残念ながら成功度合いはまれだった。こちらの指導不足も手伝って、学生が黙ってしまう形で終わってしまいことが多かった。
授業の内容、教える中身を大幅に減らす結果になったかもしれないが、この選択は間違ってはいなかったと感じている。

こうした中途半端な段階で大学教授生活が終了した。勉強は苦手という学生が増えたが、一人ひとりはそれなりにしっかりと生きて行きたいというまじめな若者だという確信は持てた。もっと学生一人ひとりと真剣に向かい合ってやるべきだったと反省している。大学教授はもっと熱血先生でなければならないと感じている。それが一番の反省事項だ。
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プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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