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 経営者に求められる鳥の目と虫の目~時代の赴くところ~

 

   経営者には当面の問題に取り組む確かな虫の目と共に、将来を見据えて全体を見るという鳥の目を磨くことが大切ではないか。

2004年12月、わが国の人口は1億2784万1千人でピークを打った。これからは2050年の9000万人、2100年の4500万人へと歴史的な人口減少期に入った。目先、少子高齢化社会への対応が求められる。例えば、介護事業など高齢者への対応分野が発展することは目に見えている。しかし、地球規模ではこれからも人口は増え続け2100年に100億を超えることになるといわれている。鳥の目から地球を見れば、まだまだ急速な人口増加期ということだ。
1900年の平均寿命は地球規模で31歳、先進国でも50歳未満だった。それが今や地球規模での平均寿命が70歳を視野に入れるまでになっている。おおよそ1万年前の農業革命、18世紀イギリスに始まり欧米やわが国に至った産業革命を経て、いよいよ人類は長生きのできる時代を迎えたのだ。寿命を見る限り人類は平等に夢のような豊かさを享受しつつあるようだ。今迎えつつあるこの時代をプラチナ時代と呼ぶ。
 
経営者は時代を鳥瞰し、各社の戦略を立てなければならない。その際にこの人口の推移は重要な要素になる。中でもアフリカの人口は現在10億人、これが2050年には22億人、2100年には35億人になるという。2100年の全地球の35%はアフリカに暮らしているということになる。豊かさの極もアフリカとなっていよう。6万年ほど前にアフリカを旅立った人類がその繁栄の極を再びアフリカに見ることになるのもそう遠くないということだ。

人口減少期は人々の関心が内面に向かう。文化が成熟することになる。鎌倉時代や江戸中後期が先例となる。文明システムの展開を伴う人口増加時期とは時代の空気が違う。
おそらく今世紀は先例のようにわが国の文化が成熟する時期になるだろう。
   物的な関心よりは趣味やこだわりというキーワードが好まれよう。製品面でも質の良い物を丁寧に且つリサイクルして使用するということではないか。安全や安心がさらに求められことも想像に難くない。

   わが国を含めいわゆる先進国の状況は大同小異。どこも人口減少(高齢化)という共通点を持っている。先進国だが、移民の流入により非白人の比重の増加を続け、今世紀も人口の増え続けるアメリカだけは例外ではあるが。今は人口の増加している中国も急速に人口減少(高齢化)という仲間入りすることになる。こうした人口減少地域の人々は成熟した豊かな文化を志向して行くのだろう。わが国の得意とするこだわりの商品の好まれる時代がやってくるということだ。

   昨2012年、わが国の生産労働人口は51万人減少した。これから毎年50万人超の生産労働人口が減少する。わが国の急速な人口減少の時代にどのような戦略で臨むのか。国内の市場規模は半減、さらには3分の1へと急速に縮小して行く。ますます成熟し高度の文化を志向する人々で構成され、急速に縮小する国内市場への戦略は採っているのか。

   縮小する国内市場を相手にしていてはやっていけないという分野も少なくないだろう。そうした企業はどうしても人口の増加する地域の経済発展のエネルギーを取り込む戦略が欠かせない。それは当面はアジアでありやがて急速にアフリカの時代がやって来ることになる。その前提として語学。国際標準語は英語だろう。わが国の地政学的な関係から中国語の価値もより高まろう。それらへの備えは欠かせない。
 
   日本人は虫の目は利くが、鳥の目は苦手の人が多いようだ。これだけの急激な変化の時代、大所高所から全体を見渡す視点は欠かせない。

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プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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