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信用されない中国当局の悲しさが目立つ~少数民族対策への注目を避けたいのが本音~

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  天安門前にウイグル人が来るまで突入・爆発炎上、犯人家族が焼身自殺した事件(10月30日)に関し、「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル主席は国際社会による調査を要求する声明を出した(同日)。
  対する当局は、当初、小さい扱いで済まそうとした。NHKのニュースも遮断した。2日後からは、一斉に「テロ事件」と断定する報道で、内政への批判の余地がない雰囲気作りに必死の様相だ。中国国内は、テロ批判キャンペーン一色。中国では当局の報道だけしか情報が存在しないというお国柄。中国人を含め誰もが当局発表を疑っているというのが悲しいところだ。
  当局は、自らの迅速な対応を自画自賛、「全民族と文明世界の共通の敵」と、ウイグル独立組織をテロ組織するレッテルを貼り批判する大々的なキャンペーンを展開している。余りの必死さに悲しさだけが印象付けられる。
国内外の批判の矛先が、中国の少数民族対策に向かうことを、何としても避けたいというのが本音と見ていい。やたら「国際社会共通の敵」との強調が目立つ。

ウイグル独立運動の実態解明を急ぐ当局は、新疆ウイグル自治区で、連日数十人単位の拘束を進めているという。締め付ければ締め付けるほど、組織は地下に潜り、先鋭化する。
少数民族を漢民族に同化させようという政策が反発を買っていることが分からないのだろうか。賢明な中国当局の、少数民族の尊厳を尊重する政策への転換を期待したい。それしか、少数民族の先鋭化を防止する方法はないと確信する。

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プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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