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中国、安定成長に潜む不安

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  中国はここ数年、年率7%台半ばの安定成長の維持に努めている。国家統計局は13年も7.7%の成長を維持したとした。12年と比べ横ばいで、安定成長と言える。
  問題点は、投資に依存した成長だということだ。投資主導は、不動産投機に加え過剰設備や乱開発を引き起こしがちだ。中央政府も、投資依存を是正すべく、引き締め気味の金融政策でバブルの抑制に努めている。効きすぎると景気が悪化する。失業もふえるということでさじ加減が難しい。
  問題は、投資依存の成長構造を個人消費主導の成長構造に変えられないことだ。格差を是正して低所得層への配分を増やすことが欠かせないが、既得権益層からの反発で思い切った政策が取れていない。
  むしろ、格差は広がり、公害等が深刻になるというマイナス要素が目立っている。
  地方の大型マンション建設安堵が目立つが、それら投資が、無駄となることのないようなものなのか。大型開発の効率性が問われることになる。購入が投機目的なのか、実需なのか。地方の成長が先行投資に伴うのか。投資先行にはそうした点での不安が伴っている。
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No title

拝見していて、いつも勉強になります。
ご指摘は的を射たものでしょう。
最近の投資型成長に1つ色違う特徴が目立ちつつあります。
それは、農村への関心集めで、実際出たばかりの今年の中央一号文件も農村改革建設をめぐるものでした。
ここで、教授にちょっとお願いですが、
農村社会の建設改革の見通し及び中国全体への影響について、大貫はいかがご覧になっていますか。

中国の農業問題


中国の農業問題については専門外ですが、ご質問に対して、取敢えずの回答をさせていただきます。
中央一号文献は党にとって最も重要な問題という認識を示していることになる。疑いもなく「農業問題」「農村問題」が中国にとって最重要な過大だという認識を示している。
過去も中央文献での1号は大部分が農業問題だった。今改めて、農業問題の重要性が認識されたというのではなく、ずーっと重要問題と認識され続けてきたということだ。
と同時に、何も解決されていないということでもあろう。解決が難しいが、だからこそ最も重要な問題が毛業・農村問題だという認識ということ。
問題は戸籍制度とも連動している。職業・人口の移動が規制されているということが根本だ。農村の荒廃の犠牲で生産性の高い都市への投資をしてきたということだ。同時に、農村の改革は掛け声倒れに終始してきた。
農民の不満を爆発させない範囲での最低限の対応をしてきたとも言える。
既得権益層の都市住民の利益を優先し、農村の改革を怠ってきた。根本は戸籍制度ではないか。
今は、不満をいかにして爆発させないかという、社会不安・治安問題としての農村問題という側面が本音と思われる。

No title

ご返答有難うございました。
やや辛口コメントのような気がしてなりません。
もっとも、中国社会の現状は大貫教授のおっしゃった以上に、深刻かもしれません。
何しろ、ネット上の中国、中央テレビや人民日報の中の中国、庶民一人一人の実体験した中国、3つの中国の間の格差が恐ろしいぐらい大きいですね。
それでも、見守っていきたいです。

Re: No title

> 御教示有難うございました。
> 今後共宜しくお願い致します。

プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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