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3.11と川崎 ~正しく恐れ、かつ可能な限り備えよとの警告~

 3.11はショックだった。率直に言えば、私にとって、改めて自然の威力の大きさ、危機管理の難しさを思い知らされた。ということで、賢しらに気の利いたコラムを書く気分にはなれない。
  
 仙台市にも親戚が住んでいる。話を聞くと、スーパーなど近所の店は少なくとも1週間は閉まったままだった。1週間を経て、次第にオープンしていったが、3時間並んで1人3品までという状態だったということだ。「備蓄だけはしっかりしておいてくださいよ」というアドバイスだった。これまでは最低3日間の備蓄と言ってきたが。これは阪神大震災級の、いわば局地的な震災を前提としての話だった。今回のような広域災害では1週間を超えるサバイバルも覚悟しなければならないのだった。

 川崎市民にとっては、やがて起きることが必須の首都直下地震や関東大震災型や東海地震型への最終警告であったのではないか。私達は、一人一人が、我が家の危機管理を再点検しておくべきだ。被災の最悪の状態をイメージしてかからなければならない。地震など自然災害は避けられないが、その被害は軽減できる。自然の力の偉大さを正しく恐れ、それへの備えを怠らないということだ。
  
 危機管理では、悲観的に備え、楽観的に対処するという教えがある。平時にあっては、あれこれ最悪の事態を想定して、それに備える。危機事象が発生した際には、おどおどせず、臨機応変に対処する。

 犠牲となった多数の人々の声なき声にしっかり耳を傾けようではないか。
 
  (川崎市 政策情報かわさき27号 2012年3月より引用)
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プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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