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ロシアと欧米の攻防

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 クリミア自治共和国議会は3月6日、ロシアへの編入を決議、自治権拡大を問う住民投票を3月16日に前倒し実施することを決めた。ロシア系住民が6割を占めるクリミアでの住民投票ではロシアへの編入が決定されることになる。
 ロシアは事実上の実効支配を強め、ロシアの利益へのウクライナ・欧米の譲歩・妥協を目指している。
 また、ロシアはロシア系住民の多い東部への軍事介入を強める「脅し」をかけている。
 2008年のグルジア紛争でも使った手だ。

 ウクライナは激しく反発し、反ロシア機運を高め「クリミアがロシアへの編入決議は法的根拠にならない」「クリミアは過去も未来もウクライナの一部」としている。

 ロシアがクリミア編入を表明すれば、交渉の余地は大きく狭まることになる(プーチン大統領はクリミアのロシアへの併合を検討していないとして明確に否定している、4日。)<国土の分離に関して、ウクライナは国民投票を要件としている。ロシアは中央政府が機能しない場合、地方政府の決定で住民投票を要件に国土の併合を可能とする法律を制定した。ロシアは、クリミア半島のロシア領への併合をロシア国内法に基づいて合法と主張している。


 クリミアを併合することになれば、欧米はロシアへの制裁を強化することは必至で、 欧米とロシアの対立は決定的になる。

 自国内に分離独立派の運動を抱かえる中国も「領土の統一性維持」は譲れない基本政策となる。ユーゴのコソボでは分離独立に反対したロシアだ(20008年)。領土の分離独立・併合は微妙な問題だ。
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プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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