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米中国防相会談~関与政策しかない

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  4月8日のヘーゲル国防長官と常万全国防相の米中国防相会談は今後のアジア地域の安保問題の枠組み・基盤となるだろう。
  米国は「再均衡戦略は中国の封じ込めではない」「我々は敵同士ではない」と強調、中国の主張する「革新的利益」ではくぎを刺しつつも、「関与政策」により、東・南シナ海で不測の事態を回避し、中国から軍事力の透明性を引き出すことを主眼としていることを鮮明にした。
  ヘーゲル国防長官は、尖閣諸島について、米国は日米安保条約で定めた防衛義務を「米国は完全に果たす」と明言。対する常国防相は「領土問題で妥協しない」「必要なら武力で領土を守る」と応酬した。又、「中国は日本と事を構えるつもりはないが、事を構えることを恐れてはいない」と主張した。

 会談後、国防大学での講演で北朝鮮について「中国が北朝鮮の現体制を支援し続ければ、中国の国際社会での立場は傷つくだろう」と指摘した。
 会談で米国のサイバー攻撃を巡る戦略を披露したこと明かし「誤解に基づく誤った判断をするリスクを減らすため」中国に透明性を高め寮促したが、常国防相は「突っ込んだ話し合いをする用意がある」と述べるにとどめたという。

  中国の尖閣や東シナ海への攻勢に対応する我が国の安保戦略では、日米同盟を基軸にしていくことの重要性が改めて確認できる。
  中国の攻勢の裏、特に尖閣で、軍事力を行使しての「事を構える」という中国の航行姿勢の裏には、シリアやクリミアで武力行使を回避した米国の弱腰を見透かしていることがある。
  ウクライナ問題での対ロ決着のつけ方は、今後の中国の強硬姿勢への影響が大きい。
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プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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