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いずれ劣らぬ お粗末な 総理と元局長と外務省~外交公文書の欠落問題は外務省の致命的欠陥だ~

   一国の首相が元部下だった人物を批判した。その人物は、小泉内閣時代の北朝鮮との交渉にあたった田中均氏。彼が外務省アジア太平洋局長時代の外交交渉記録の欠落をフェースブックに書き込んだ(6月24日)。「彼(田中氏)は交渉記録を一部残していません。彼に外交を語る資格はありません。」と。
   田中氏は、「私が交渉担当者だが、誰かがきちんと記録をとっている。誰かが通訳する、それはもうマストなのだ。一人で行って、記録を付けないで交渉するなんてことを北朝とやるなんてあり得ない」と講演で反論した(毎日電子版24日)。
   この田中氏の反論もおかしい。誰かが記録をとっている。自分は記録を管理していなかった。誰かが管理している(はずだ)。
当時の外務次官など幹部は交渉の過程には関与しておらず、日朝平城宣言案文という段階で田中氏から初めて見せられている。
   いずれにせよ、当時の関係幹部が関与していない外交交渉は異常だ。小泉首相の了解を得ているという一点で田中氏は突っ張っている。

   一番問題なのは安倍総理だ。一国の総理が自国の外務省の元幹部をフェースブックで批判してはならない。せいぜい誰かにやらせるべきだ。
    外務省は深刻に反省すべきだ。外交交渉の過程を記録に残していないということは許されてはならない。後に問題が生じても反論の根拠すらないということなのだから。
    そんなお粗末な状況であることを暴露するきっかけが、一国の総理がフェースブックに書いた腹いせ記述だったとは・・・。

    外務省の深刻な反省を求めたい。
安倍総理の周辺に外交問題のブレーンがいないのか?
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プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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