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欧米対ロ攻勢とロシア擁護の中国~国際関係の駆け引き

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  マレ機撃墜問題は国際社会の駆け引きへの材料へと局面が展開しつつある。
  国際社会のロシア批判を追い風に、アメリカは、親ロ派とロシアの一蓮托生ぶりを強調。オランダなどの悲痛な叫びを米外交立て直しの好機としたいのがオバマ大統領の本音だろう。
  オバマ大統領は、ロシアの関与を直接間接的に証明し、追求、ロシアを国際社会の秩序の中に組み込みたい戦略だ。
  中国は、連携相手のロシアが国際社会で影響力を失うことは、自らの国際社会での立場を弱めることになるとして、ロシア擁護に回りたいのが本音。21日の国連安保理で「結論を急ぐべきではない」(劉結一国連大使)との中国の発言も、ロシア擁護の本音がなせるところ。
  ロシアの親ロ派へのミサイル提供が結果として、マレ機の撃墜になったことは、誰の目からも、明らかだが、国連という国際社会の公式の引きの場では、あいまいなままの決着となることも確実だ。
  米国はミサイル発射装置の衛星写真は、性能を明らかにしたくないので出さないだろう。通信傍受でどこまで人物が特定できるかは疑問が多い。現場から、ミサイル破片がどれだけ収集できるか。ミサイルが特定できれば、ミサイルの発射弾道などで,発射した主が特定できる可能性がある。
  ロシアは厳密に特定することは出来ないと踏んだのだろう。
  こうした、したたかな駆け引きが国際政治の現実ということを、理解、しっかり受け止めてかかることが肝要だ。
  単純な一本やりではない。
  おそらく、撃墜ミサイルの発射した者、提供元はあいまいに、さらに「撃墜」という言葉すら、あいまいな用語に置き換えられることすら生じるだろう。
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プロフィール

大貫啓行(おおぬきひろゆき)

Author:大貫啓行(おおぬきひろゆき)
麗澤大学経済学部・大学院教授(2014年4月から名誉教授)、(公)モラロジー研究所教授。元警視監。
東京大学法学部卒業。
1967年警察庁入庁。内閣官房、外務省、防衛庁への出向も経験、中国情報分析を中心とした内外情報畑一筋30年のエキスパート。
お問い合わせはkikikanri110@gmail.comまで。

在中国一等書記官(文化大革命直後の政治情報収集)、警視庁外事1課長(ソ連スパイ・レフチェンコ事件を指揮)、内閣情報調査室国際部(中国・ソ連分析キャップ)、防衛庁調査1課長(ソ連による大韓航空機撃墜事件の事後対応)、秋田県警察本部長、長崎県警察本部長(雲仙普賢岳噴火災害警備を指揮)、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁国際部長(初代国際部長として、阪神淡路大震災、オウムサリン事件、国松警察庁長官狙撃事件等の危機管理に携わる)、中国管区警察局長等を歴任し、1996年より麗澤大学教授・2014年より同大学名誉教授。

川崎市顧問・危機管理アドバイザー(2004年~2014年)をはじめ、多くの自治体で各種の顧問・委員等も務めている。
【著作等】
(著書)「変革~日本の対外姿勢と危機管理」(広池学園事業部)
「現代中国の群像」「暮らしの法学~安全を考える社会システム」
「国際紛争と日本の選択」『暮らしの行政~私と公の共生システム」
「説得力の養成」(以上麗澤大学出版)
「中国はどこに向かう」(白金出版)ほか
(論文)「災害に関する危機管理」「雲仙普賢岳噴火災害警備考」
「在ペルー大使公邸占拠事件の考察」「公務員における意識改革の現状」
「中国~国家・社会変革方向の考察」(以上麗澤大学紀要)など

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